フォラヤンが秋山成勲との対戦に意欲、パー戦を回想
3月26日の「ONE X」で、行われたエドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)とジョン・ウェイン・パー(オーストラリア)のレジェンド対決は、前評判を裏切らない内容だった。
両者はシンガポール・インドア・スタジアムで行われたムエタイマッチで3ラウンドにわたるエキサイティングな戦いを繰り広げた。
長く輝かしいキャリアの中で多くのファンを獲得してきたパーの引退試合だったが、勝利を収めたのは元ONEライト級世界王者のフォラヤンだった。
38歳のフォラヤンは、こうした重要な節目に立ち会えたことに感激し、MMAからムエタイに転向した初試合で大きな勝利を収められたことを喜んでいる。
フォラヤンはこう話している。
「このような機会をもらえて本当に幸せだ。チャトリ(ONE会長兼CEO)とONEチャンピオンシップには、ジョン・ウェイン・パーのようなレジェンドを相手に試合をさせてくれたことに感謝したい。また、引退試合で戦う機会を与えてくれたパーにも感謝したい。彼の時代で最も有名なストライカーの1人と対戦できて、頭が下がる思いだ」
「(勝った時は)信じられなかった。やっと不調を脱して、いい試合ができたと思った。特に、観客が総立ちで応援してくれて、シンガポール・インドア・スタジアムはすごく盛り上がっていた。頭の片隅では、『やったぞ』と思っていた。そして、これは自分にとって、勢いを得るという意味で、素晴らしいことだ」
パーは勝ち星こそ得られなかったが、新たな友情とファン投票による5万米ドルのパフォーマンス・ボーナスを獲得した。
フォラヤンとパーが似た者同士であることは明らかだ。2人とも礼儀正しく、長年競技に全力を捧げてきた威厳ある格闘家だ。
このため、フォラヤンはグローブを置いたパーから学んだことを今後の試合に生かすつもりであり、機会があれば一緒に練習したいという意向も表明。
フォラヤンはこうコメントしている。
「ジョン・ウェイン・パーは真の格闘家だから、本当に感謝している。彼は自分のチームメイトや、自分自身と似ている。この試合で良かったことは、お互いに本気だと証明できたこと。彼は優れた格闘家であり、謙虚で親しみやすく、カンガルーのぬいぐるみもくれた。子供がすごく気に入っていたよ」
「パーから学んだことのひとつは、フィニッシュへの嗅覚だ。時間がある限り、相手を仕留めようとし、全力を尽くす。これは今後にも生かせる」
「いつか(彼と)練習できるかもしれない。もちろん、そのような機会が訪れるかどうかはわからないが、自分は何にでもオープンだ。特にジョン・ウェイン・パーのようなレジェンドからいろいろと学ぶことができるなら、素晴らしいことだ」
フォラヤン、ノースカットらに照準
パー戦での勝利は、フォラヤンにとって大きな意味を持ち、厳しい結果が続いていたキャリアに新たな風を吹き込んだ。
初めてのムエタイマッチを終え、オール立ち技部門のONEスーパーシリーズでもっと試合をこなしたいとし、セージ・ノースカット(米国)との対戦に興味を示している。
フォラヤンはこう語る。
「いい試合になると思う。お互いにとって、有益だ。彼はストライカーで、空手のチャンピオンだ。一方、自分はウーシューのバックボーンがあり、ムエタイのルールで、違う世界で戦うことになる。いい対戦になると思う。お互いの技量が試される。彼は挑戦が好きだと思うし、観客を楽しませる試合になると思っている」
だが、まだMMAのキャリアも終わりとは思っていないようだ。
フォラヤンは、この競技でも大きな成功を収め、そのエキサイティングなスタイルでファンを楽しませることができると証明したいと思っている。
「チームラカイ」所属のフォラヤンは、「ONE X」で青木真也にTKOで勝利した秋山成勲との新たなレジェンド対決を提案。
フォラヤンはこう話す。
「秋山ともできるかもしれない。彼は、真也に対していいパフォーマンスをした。自分が真也を倒したのと(ほぼ)同じ方法だった。これはいい試合になると思う。以前、対戦する予定があったが、中止になった。もし実現すれば、間違いなく爆発的な試合になる。観客は間違いなく興奮するだろう」
「秋山は、長年活躍している選手として尊敬している。ずっと戦っている。レジェンドとレジェンドの対決ができるかもしれない。レジェンド対レジェンド第1弾が終わったので、次はこれをやろう」