【2/28大会】怪我回復ティファニー・テオ、三浦彩佳戦へ気合十分
悪夢のようなケガで1年以上試合から遠ざかった後、ティファニー・テオ(シンガポール)がついに、母国でカムバックを果たす時が来た。
テオは目のケガで2019年11月、マイラ・マザール(ブラジル)との試合を辞退せざるを得なかった。だが完璧に回復を遂げた今、テオは日本の新星、三浦彩佳と激突する準備を整えた。
2月28日(金)にシンガポールで開かれる「ONE:KING OF THE JUNGLE」で、両者はONE女子ストロー級世界タイトルへの挑戦権を賭けて、注目の一戦を戦う。テオの気合も十分だ。
「試合ができるようになるまで、本当に長い時間がかかったように思う。でも今は元気になったし、また戦うことができてうれしい」
格闘家としての将来が危ぶまれるような衝撃的なニュースを受けて、テオのカムバックは遅れた。
「ONE:EDGE OF GREATNESS」に向けてトレーニング合宿をほぼ終えようとしていた時、テオはメディカルチェックをクリアできず試合に出られないことが発覚した。
「試合前のメディカルチェックで、網膜に小さな傷があると眼科医に言われた。すぐに手術するよう勧められた」
「たった2~3週間だったが、本当に大きな打撃だった。トレーニングをやめて手術と回復に専念しなければならなかった」
回復に向けて先の見えない苦しい道を歩き始めることは、テオのキャリアにとっては未知の領域だった。
「こういうケガをしたのは初めてだった。アドバイスを求められるような、似たような状況を経験したことがある選手も知らなかった」
「手術に何を期待していいのか、回復にどれくらいの時間がかかるのか分からなかった。少し落ち込んた。落ち着いて、どういう方法があるのかよく見直し、何をすべきなのか一つ一つ考えた」
綿密な注意を要するケガであったため、テオはリハビリ中に一切トレーニングをせず、2週間ごとに医者のチェックを受け、順調に回復していることを確認した。
フラストレーションの溜まる時間だった。だがテオは自分が何を目指しているのかを見つめなおし、そこに照準を合わせることで乗り越えた。そして今、より大きな試練に挑む準備を整えた。
「そこから学んだことは、過程を信頼すること。特に、ある種の壁にぶつかり、次にどう進んでいいか本当にわからない時、最終目標に向かう別の道を行くことができる」
「最終目標を思い出し、過程を信頼し、一歩ずつ前進し続けないといけない」
悲惨なケガを乗り越えたテオは、ONEストロー級世界タイトルに挑戦した経験がある選手として今、再び挑戦者として、現王者のション・ジンナン(中国)のベルトに挑みたいと考えている。だがそのためには、昨年ブレークした期待の新星、三浦を倒さなければならない。
三浦は柔道黒帯で現在6連勝中。このうちONE参戦以降は、トレードマークである袈裟固めからのアメリカーナで3勝を挙げている。東京の総合格闘技ジム「TRIBE TOKYO M.M.A」に所属する三浦は、シンガポール大会でも連勝記録を伸ばせると信じている。だがテオは三浦のようなグラップリング(組み技)のスペシャリストを撃退した経験もある。
ブラジリアン柔術の世界チャンピオンに8度輝いたミシェル・ニコリニと対戦した時のことだ。テオはブラジリアン柔術青帯と、格では見劣りするものの、ニコリニの寝技の攻撃全てを凌ぎ切ったのだ。
その後、シンガポールのボクシング王者のテオは、素晴らしい打撃のスキルを見せつけ、ユナニマス判定で重要な勝利をもぎ取った。寝技を得意とする三浦と対峙する自信も身に着けた。
「ニコリニ戦とは違う戦略になると思う」
「三浦は優れたグラップラーだが、寝技でもかなりいい勝負になると思う。寝技になったらスクランブルになるだろうが、三浦がポジションをキープするのはかなり大変になると思う」
「三浦の対戦相手のほとんどはグラウンドゲームを避けようとしてきたと思う。三浦は寝技のスペシャリストだから。でも私は寝技でもとても自信があるから避けようとは思わない。サブミッションのチャンスがあったら狙いにいく」
「判定までもつれるのか、サブミッションで決まるのか、勝負はどう転んでもおかしくない。どちらにしても勝ちに行く」
シンガポール|2月28日 (金) |ONE:KING OF THE JUNGLE|公式アプリで生中継(無料)|日本公式Twitter|日本公式Instagram