【10/15大会】ペトロシアン舌戦回避「リングでは話す必要なんてない」
史上最強のキックボクサーとして名高いジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)は、これまでの業績を誇らしく思っているだろうが、さらなる栄光を追い求めてONEスーパーシリーズのタイトルも狙っている。
2019年に行われた初のONEフェザー級キックボクシング世界グランプリで優勝したペトロシアンは10月15日(金)、「ONE: FIRST STRIKE」でスーパーボン(タイ)と初代ONEフェザー級世界チャンピオンの座を懸けて戦う。
3年半前、世界最大の格闘技団体ONEに参戦したときから思い描いていた瞬間を前に、35歳のペトロシアンは「本当にこの試合を楽しみにしている。また1つの世界タイトルを目指して戦うこと、そして試合の日が待ちきれない」と話している。
前回の世界グランプリの後、ペトロシアンは今年2月の「ONE: FISTS OF FURY 」でONEのケージ「サークル」に舞い戻り、ダビット・キリア(ジョージア)に圧勝。ONEでの無敗記録を更新した。
今回の対戦相手はスーパーボン。2020年7月の「ONE: NO SURRENDER」で人気のスーパースターのシッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)と3戦目を行って勝利し、華々しくONEデビューを飾った強敵だ。
この勝利でフェザー級キックボクシングのランキング2位につけたスーパーボンは、ペトロシアンとの世界タイトルマッチに向けて準備を整えている。
しかし、スーパーボンは前から対戦を望んでおり、最初の試合オファーを断られた後にペトロシアンは自分を避けているとさえほのめかしていた。ペトロシアンはこれを強く否定。いつもはストイックな態度だが、こう反応した。
「彼は自分についてたくさんの(無意味な)ことを話している。誰かに庇ってもらう必要はない」
「世の中の全てのファイターが自分と戦いたがっている。20日前という緊急オファーでも、失うものもないし戦いたがる」
「スーパーボンとの対戦のオファー(を初めてもらったとき)は、1ヵ月を切っていた。だから、そのオファーを断った。タイミングが悪かったからだ。もし本当に相手を恐れているなら、この試合は受けなかっただろう」
ペトロシアンは今後は舌戦に巻き込まれるつもりはない。行動の方が言葉より雄弁であることを示すつもりだ。
「何とも思ってない。気にしていないし、好きなだけしゃべったらいい。リングの中では、話す必要なんかないのだから」
その口の軽さを別として、ペトロシアンは対戦相手に敬意を払う。熟練した経験豊富な敵との厳しい夜になることはわかっている。
「彼はとてもタフな対戦相手だ。蹴りが上手なことで知られている。技術も素晴らしい。タイミングもいいし、総合力の高いアスリートだ」と、ペトロシアンはスーパーボンを評する。
「自分は、やるべきことに集中していればいい。自分のボクシングスキルの方が勝っていると思う。だが、リングの中で発揮できなければ意味はない。さあ、どうなるかな」
スーパーボンを倒したとしても、ペトロシアンには新たな敵が待ち受けている。
両者待望の対戦と同じ夜、第2回ONEフェザー級キックボクシング世界グランプリも行われ、地上で最も優れた8人のストライカーが登場する。
ペトロシアンは、準々決勝に出場するエリート選手たちに注目しているが、スーパーボン戦より先のことは考えたくないという。
「非常にタフなトーナメントだ。出場するファイター全員を知っている。正直、今のところは誰が勝つかは予想できないが、確実に最強のファイターが勝つだろう」
「ONEは70キロクラスの最高の全てのアスリートとサインした。これは、やる気が出る。だが、今は次の対戦相手のことしか考えていない。世界タイトルのこと、そして最高のパフォーマンスをすることだ」
スーパーボン戦に向けてやることが山積みのペトロシアンは、8人制トーナメントに惑わされることもない。
今のところは、世界グランプリを頭の片隅に追いやり、ファンが期待する超一級のパフォーマンスを見せることに集中している。
「リングに入ったら、ふざけたりはしない。見せびらかす必要もない。ただハードに打ちまくって、ベルトを持ち帰ることだけを考える」
「(スーパーボンに)メッセージはない。リングで会うんだから」
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