【12/3大会】3階級王者も視野のデ・リダー、「マリキンに特別な武器はない」
2階級ONEチャンピオンのライニアー・デ・リダー(オランダ)は、16戦無敗としているMMAキャリア上の最大の試練となる一戦を迎える。
12月3日(土)にフィリピン・マニラのモール・オブ・アジア・アリーナから生中継される「ONE Fight Night 5」のメインイベントで、デ・リダーは暫定ONEヘビー級世界チャンピオンのアナトリー・マリキン(ロシア)を相手に、ONEライトヘビー級世界タイトル防衛に臨む。
ミドル級とライトヘビー級に加え、3階級制覇を目指してヘビー級のタイトル獲得も視野に入れるデ・リダーにとって大きなチャンスに繋がるかもしれない一戦だ。
挑戦者のマリキンは、11勝0敗、フィニッシュ率100パーセントの完璧な戦績の持ち主。体格も良く、レスリングのスキルもあり、デ・リダー得意のグラップリングが攻略される可能性もある。
しかし、デ・リダーはこうした見方には賛同せず、ONEのケージ「サークル」で、連勝記録をキープできると思っているようだ。
デ・リダーはこう話している。
「(マリキンは)がっちりしている。もちろん、自分よりずっと背が低い。自分よりデカくて、体重も重いだろう。だが正直に言うと、レスリングに関してはそんなに特別なものは持っていない。前の試合を見たが、まともなダブルレッグ・テイクダウンを持っている。だが、彼がフィニッシュ勝利できるとは思っていない」
体格差については、デ・リダーはこのライトヘビー級マッチでは相手より体重が軽いと予想しているが、それが戦いの力学を変えるとは考えていない。
デ・リダーは身長193センチで、マリキンより13センチ高い。また、グラップリング技術に関しても優位のため、こうした強みで相手のアドバンテージを打ち消すことができるという。
デ・リダーはこう説明する。
「(体重差は)目立っている。だが、自分の方が背が高いから、デカく感じるだろう。クリンチでは自分の方が強いだろうから、あまり関係ない。だが、みんな好みのムーブがあるように、彼(マリキン)も他のテイクダウンより好きなテイクダウンを繰り出してくる可能性がある。それに合わせて調整している」
もちろん、ゲームプラン通りに試合が進まず、グラウンド戦に持ち込めなくとも、デ・リダーはマリキンの強力なパンチに十分に対応できると考えているようだ。
デ・リダーはこうコメントしている。
「彼は危険な選手だ。だから、よく観察して、集中しないといけない。だが、別に彼は特別というわけではない。右パンチは強力だ。多少の隙があれば、大きなループを描く右パンチを飛びこませてくる。これでよく相手を仕留めている」
デ・リダー「爆発的な序盤」と一本勝ちを期待
思慮深く、分析を駆使するアスリートであるライニアー・デ・リダーは、アナトリー・マリキン戦の具体的な展開を予想している。
マリキンは「サークル」で3連続KO勝利を収めており、デ・リダーは試合の序盤はアクション満載になるとみている。
デ・リダーはこう話している。
「最初の2分はとても重要だ。彼は強気で出てきてプレッシャーをかけてくるだろう。自分も強く出て、『サークル』の真ん中に出ていくつもりだ。第1ラウンドから優勢になるだろう。だから、最初の数秒は爆発的になり、かなり重要だ」
リーチのアドバンテージを生かして、デ・リダーは相手を寄せ付けず、攻撃的な姿勢をキープするつもりだ。
そこから、MMA界で最も危険なグラップラーとしての評判を築き上げる武器となったクリンチ、テイクダウン、サブミッションというゲームプランを駆使することだろう。
12月3日のONEライトヘビー級世界タイトルマッチについて、デ・リダーは落ち着き、自信に満ちた様子でこう付け加えた。
「自分はもっとリーチがあるから、いい打撃が見舞えると思う。顔面に命中させて、ジャブとキックを見舞い、クリンチして、テイクダウンする。マットでコントロールし、肘打ちや膝蹴りをしている様子が想像できる。そして第1ラウンドの終わりには、彼を締め上げているだろう」