【7/15大会】ガサノフ「トノン戦は夢だった」レッグロックを警戒
世界タイトル挑戦への扉をノックしようとしている無敗のフェザー級MMAアスリートのシャミル・ガサノフ(ロシア、27)。7月15日(土)の「ONE Fight Night 12: Superlek vs. Khalilov」は、この階級の上位ランカーとしての地位を固めるチャンスだ。
タイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで行われる同大会のコーメインイベントで、ガサノフは2位コンテンダーのゲイリー・トノン(米国、31)と対戦する。この階級有数の才能あふれるグラップラー同士による戦いだ。
ガサノフは、戦績13勝0敗。昨年10月のONEデビュー戦で元上位ランカーのキム・ジェウォン(韓国)にわずか129秒で一本勝ちし、フェザー級MMA5位コンテンダーに。こうした勢いに乗った状態で今回の試合に臨む。
対するトノンも、直近の試合である今年1月のジョニー・ヌネス(米国)戦でわずか113秒で一本勝ち。昨年は元ONEフェザー級世界チャンピオンのタン・リー(ベトナム / 米国)戦でMMA初にして唯一の黒星を喫し、サブミッション・グラップリングマッチで タイ・ルオトロ(米国)に敗れるという苦しい結果に終わっていただけに、待望の勝利だった。
こうした浮き沈みを経たトノンだが、ガサノフは非常に危険な相手だという。ブラジリアン柔術黒帯で世界クラスのサブミッション技術を有するトノンを、ガサノフは警戒しているようだ。
「トノンをみくびってはいけない。自分たち2人は高いスキルを持つグラップラーで、試合の最後の1秒まで脅威を与える。1つのミスが勝敗を左右することになるから、集中力を保つことが重要だ。特に彼のレッグロックは危険だ」
ブラジリアン柔術界ではトノンのほうが経験豊富なグラップラーだが、ガサノフは自身のMMAとレスリングのバックボーンがその差を埋めるのに役立つと思っている。
さらに、トノンと互角に戦えるくらいのグラウンドでのスキルを有しているとも考えているようだ。
ガサノフはこう説明する。
「MMAではトノンよりも経験がある。ブラジリアン柔術やグラップリング、フリースタイルレスリングの試合に出たこともある。だから、グラウンドでの勝機は同等だ」
それでもガサノフは、トノンに対応するため、グラップリングの特訓を積んできた。
しかし、防戦ではなく攻めを意識しているという。
「黒帯やレッグロックのスペシャリストとグラップリングをかなりやっている。フリースタイルレスリングの選手ともレスリングのセッションをしている。ディフェンスの戦略だけで試合に臨むことはない。試合開始直後から攻撃を仕掛けるつもりだ!」
世界タイトル挑戦「近い将来にも」
2022年の参戦以前から、ONEチャンピオンシップに注目していたというシャミル・ガサノフは、ONEフェザー級世界タイトル挑戦をすでに視野に入れている。
このため、キム・ジェウォン戦で勝ち星を挙げた後、ゲイリー・トノンに対戦を呼びかけたのは当然だった。上位ランカーで元世界タイトル挑戦者のトノンに勝てれば、タイトルマッチの機会をぐっと引き寄せることになるだろう。
だが実はそれよりも前から、一級のサブミッションスキルでフェザー級MMAのランキングを駆け上ってきたトノンとの対戦を考えていたという。
ガサノフはこう明かしている。
「他の団体で戦っていたころからONEの自分の階級はずっと注目していた。トノンと戦うのは前からの夢だった。ADCCでの試合も見たし、自分の階級で一番危険な選手だと思っている。自分はキャリアで近道をするようなことはないから、トノンと戦う準備は万全だ。ゲイリー・トノンに勝てれば、近い将来、タイトルマッチが実現すると確信している」
7月15日の「ONE Fight Night 12」でトノンに勝てれば、次の世界タイトル挑戦者として強烈なアピールができるに違いない。
ガサノフはさらに、ONE世界王者として長期政権を築き、世界中のグラップリングファンを楽しませるためにONEのサブミッション・グラップリングへの出場も視野に入れている。
ガサノフはこう話している。
「最終的な目標は、母に約束した通りONEのベルトを獲得することだ。そしてタイトルを防衛するつもりだ。さらに、サブミッション・グラップリングマッチにも出場したいと強く思っている」