【4/6大会】王者タイ・ルオトロ「怒り」パワーで防衛戦はヒートアップ!?
ONEウェルター級サブミッション・グラップリング世界チャンピオンのタイ・ルオトロ(米国)は、4月6日(土)の「ONE Fight Night 21: Eersel vs. Nicolas」のコーメインイベントでONEのニューカマーの挑戦者アイザック・ミシェル(オーストラリア)を迎え、初の防衛戦に臨む。
タイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで行われるこの一戦は、ルオトロにとってONEで一番厳しい戦いになるだろう、という声も出ている。
ルオトロは昨夏からミシェルとの対戦を呼びかけており、今回の大会でついに願いが叶うことになった。
ミシェルは爆発的なテイクダウンと強烈なパワー、勢いを弱めることない戦いぶりで知られており、今回の試合ではそのフィジカルを武器にルオトロにONEでの初黒星をつけようと狙ってくることだろう。
だが、ルオトロはこうした体格の良さと身体能力を有するグラップラーとの対戦は得意だとしている。
その例として、国際ブラジリアン柔術連盟(IBJJF)のノーギ世界チャンピオンのペドロ・マリーニョにサブミッションで勝った2022年のADCCサブミッション・ファイティング世界選手権(ADCC)の試合を挙げ、ONEチャンピオンシップにこう話している。
「体格の良い選手と戦うときは、いつもフィジカルについてはあまり気にはしない。ただ、自分が好機を探って、好機を作り出すだけだ。(2022年のADCCの)ペドロ・マリーニョ戦では、ちょっとヒートアップして相手にかかっていって、思い切りつかみかかったのを覚えている」
「ONE Fight Night 21 」に同じく出場するルオトロの双子の兄弟、ライト級サブミッション・グラップリング王者のケイドは、そのADCCの試合でコーナーに付いていた。
ルオトロがピリピリして試合をヒートアップさせると、どれほど危険な存在になり得るかをケイドはおそらく誰よりも熟知している。
ケイドはルオトロが試合中に感情を露わにする癖があると説明する。
「タイ(ルオトロ)をからかったり、タイにフィジカル頼みでかかろうとするのは最悪の戦略だ。彼を感情的にさせるのは、一番避けるべきだ。彼はからかわれたら感情的になる。そんなことになったらもう、幸運を祈るしかない。どんな奴でも徹底的にやつけられてしまうから」
ルオトロは普段は冷静沈着だが、試合中に感情が昂ることがあると認める。
そしてそのスイッチを入れるのは、好戦的にかかってくる対戦相手のようだ。
「感情的になるようなことをしたり、激しく戦わせようと仕掛けたり、気に触るようなことをしたりする相手は本当に好きだ。いつも心の奥底に潜んでいるようなことを引き出してくれる。そういうことはいつもできるわけじゃないけれど、誰かに怒らされるのはいいことなんだ」
このため、アグレッシブなスタイルで知られる今回の挑戦者のミシェルについて、ルオトロは理想的な対戦相手だとしている。
さらに、ミシェルのフィジカルや攻撃的アプローチも、自身のアドバンテージになると言う。
「最初の数分は激戦になると思う。彼は前に出てくるだろうし、フィジカルの強さを駆使してくるだろう。100パーセント、彼は自分を怒らせるだろうから、とても楽しみにしてるんだ」
「絶対サブミッションできる」宣言
タイ・ルオトロは、アイザック・ミシェルが世界トップクラスのレベルで活躍してきた様子を見たうえでその実力に敬意を表している。
ミシェルは世界でトップ3に入るウェルター級のサブミッション・グラップラーと見なされており、ルオトロは今回の対戦に向けてよりハングリーになっているようだ。
「アイザック(ミシェル)には少し前から対戦を呼びかけていた。彼が柔術界で成功を収めるのも、強い相手を大勢倒してきたのも見てきた。彼は尊敬されているよ」
「柔術界で最高のレスリングスキルの持ち主だという人も大勢いる。とても強い対戦相手だと思っている。そして自分は、この階級で草の根一本残らないくらい、あらゆる強豪を倒したいんだ」
待望の世界タイトル初防衛戦を前に、ルオトロは自身を世界トップレベルのアスリートにまで押し上げた戦略を実行できると確信している。
その戦略とはすなわち、自分の得意なやり方で戦って勝つこと。テイクダウンをして、コントロールをし、最終的にはフィニッシュ勝利を決め、ベルトを防衛するのだ。
ルオトロはこんなコメントもしている。
「チョークかギロチンをすると思うが、本当のところはどんなサブミッションをするかはわからない。だが、絶対サブミッションできると確信している」
「どんな状況になっても、やってやるさ。最初に仰向けに寝かせて、そこからサブミッションを狙いに行くかもしれない」