【6/23大会】暫定王者決定戦へサムエー「プラジャンチャイは一番のライバル」
通算350以上の勝利を挙げたタイの伝説的なストライカーで、かつてONEで2競技・2階級を制覇したサムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ、39)は、雪辱のチャンスを得た。
6月23日(金)の「ONE Friday Fights 22」で行われるONEストロー級ムエタイ暫定世界王者決定戦で、サムエーはかつてベルトをはぎ取られた相手であるプラジャンチャイ・PK・センチャイ(タイ、28)と対戦する。会場は、タイ・バンコクの“ムエタイの聖地”ルンピニー・スタジアムだ。
2021年、当時2競技ONE世界王者だったサムエーはプラジャンチャイと対決。マジョリティ判定で黒星を喫し、ONEストロー級ムエタイ世界タイトルを失った。
以来2年間ONEの舞台から遠ざかっていたが、今年3月のライアン・シェーハン(アイルランド)戦に出場。KO勝利を挙げ、プラジャンチャイからベルトを取り戻すチャンスを手にした。
サムエーはONE編集部にこうコメントしている。
「(プラジャンチャイに)負けた後、リベンジのチャンスを狙っていた。あのときの試合では早い段階でミスを犯してしまったと今でも思っているからだ。あまりに早い段階で打撃を食らったので、ゲームプランを変更せざるを得なかった。あのミスをきちんと修正したいんだ」
そして「ONE Friday Fights 22」で、サムエーは、プラジャンチャイとの対決で犯したミスを修正するチャンスを得た。
だが、技術的な面のみならず、今回のリマッチではもう1つ大きな違いがある。プラジャンチャイとの第1戦はシンガポールで無観客で行われた。しかし、今回の会場はルンピニー・スタジアムで、地元タイの満員の観客を前に試合をすることになる。
サムエーはこう話している。
「今回の試合はまったく同じようにはいかないと思う。ルンピニー・スタジアムで戦うからだ。第1戦は新型コロナウイルスのために、ほとんど誰もいない会場で、観客の声援もなく、静寂のなかで戦わなければいけなかった。だが、今回はファンの声援を受けることになるだろうし、雰囲気も盛り上がるはずだ。絶対、エキサイティングな試合になる」
対戦相手を分析「強みは攻撃とフットワーク」
サムエー・ガイヤーンハーダオは、プラジャンチャイ・PK・センチャイとの第1戦ではフルラウンドの15分にわたって戦った。このため、相手の実力は知り尽くしている。
プラジャンチャイは、2022年5月に現タイトルホルダーのジョセフ・ラシリ(イタリア / モロッコ)ONEストロー級ムエタイ世界タイトルを奪われた。しかし、ラシリは防衛戦をしていないため、サムエーと同級1位のプラジャンチャイが暫定王座決定戦で戦うことになった。
驚異的なスピードと総合力の高さで知られるサムエーだが、若きプラジャンチャイの戦いぶりには明らかな隙を見つけることができないようだ。
「プラジャンチャイは、ストロー級で最も危険な対戦相手だ。自分の一番のライバルだ」
「強みは攻撃と、素早いフットワークだ。ファイトIQも高いし、総合力も高い」
両者の間には一切わだかまりなどないが、だからといって6月23日の試合が激戦にならないとは限らない。
サムエーは対戦相手にこんなメッセージを送っている。
「プラジャンチャイ、リングで全力で戦おう。リング上では、自分たちは兄弟同然だってことを忘れよう。試合が終わればまた兄弟になれる。この試合を2年間待っていたんだ。今回、また対戦するチャンスを得た。全力でかかっていく」