【10/5大会】タイトル奪還に燃えるアーセル、王者ニコラは「真のファイターじゃない」
10月5日(土)の「ONE Fight Night 25」に出場するレギン・アーセル(スリナム)は、8連勝としていた無敗記録が途切れてもなお、自身が地上最高のライト級ストライカーだと感じている。
タイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで開催される同大会では、今年4月にアレクシ・ニコラ(フランス)に奪われたONEライト級キックボクシング世界タイトルを、リマッチで奪い返したいと意気込んでいる。
ニコラは前回の対戦でアーセルのONEチャンピオンシップでの無敗記録を止め、世界を驚かせた。
このことでアーセルは落胆したものの、それでもニコラは自身に匹敵するレベルではないと考えている。このことを証明するためにも、今回の大会でベルト奪還が必須だ。
アーセルはONEチャンピオンシップにこう話している。
「アレクシ(ニコラ)のような相手に負けたことで落胆している。現在彼は世界チャンピオンだが、ファイター精神は持っていない」
「自分の考えでは、彼はよくやった。スマートだった。戦略が良かったので、知性という点では彼を買っている。しかし、彼は真のファイターじゃないんだ」
「彼は攻めてきたが、目や体の動きなどの細かい部分を見ると、ダメージを受けながらも、なんとか持ちこたえたと言える」
前回の対戦では、ニコラは好調なスタートを切り、第1ラウンドでローキックを決め、第2ラウンドではダウンを奪った。
アーセルは“インモータル(不死身)”のニックネーム通りの強さを発揮して残りのラウンドで追撃して逆転を試みたものの、判定で負けた。
それでもアーセルは自身のほうが劣っていたと確信するには至らなかった様子だ。
「チームとこの試合を検証して、もう一度やるべきだという結論に至ったため、即座にリマッチを申し込んだ。チャンピオンを相手にたった1ポイント差で勝てるはずがない。だから、リマッチを申し込んだんだ」
「いまでもこの階級で自分が世界一だと信じている。連勝記録が途切れたのは辛かった。だが、自分のほうが優れたファイターで、この階級の王者であることを、世界だけではなくもちろん自分とアレクシに示すためのさらなるモチベーションになっている」
前回の試合「ハングリー精神を取り戻した」
レギン・アーセルは、いまもONEライト級ムエタイ世界タイトルを保持しているが、誰もが認めるこの階級の王者になるべく今回の大会ではキックボクシングのベルト奪還を目指す。
このために、前回の試合直後にホテルの部屋に戻るとすぐに自身のパフォーマンスを振り返る作業を始めたという。
敗因を振り返り、アーセルはこう話している。
「第1ラウンドでは、カーフキックを当てられた。これには驚いたけれども、大丈夫だと感じていた。キックのパワーを感じて、『これは何とかなる』と思った。ただ、カーフキックの痛みはそれまで感じたことのない痛みだった」
「ブロックを始めたのが遅すぎて、ダメージはすでに受けていたから、それが問題だったと思う」
「第2ラウンドではダウンを奪われた。プレッシャーをかけていったけれども、右フックを当てられた。当たった瞬間、足元に向かって倒れた。すぐに立ち上がって試合をしようと思ったけれども、レフェリーがカウントを始めた。だから『抗議はしないさ、やられたんだから』と思った。けれども、目まいがしたとかそういうことではなかった」
以来、アーセルは王座奪還に向けて万全の調整に取り組んできた。
今回違った結果を出すために必要な技術的調整に加え、心構えも変わった。
ONEの頂点に5年間君臨したことで闘志が薄れつつあったことを認め、再び挑戦者となったいま、かつてないほどハングリーになったという。
「あの敗北から学んだ。ハングリー精神が戻ってきた。長年トップにいると、多少闘志が失われてしまうんだ。そして試合で相手を痛めつけて、相手が逃げ回っているのを見て、自分が痛みに耐えながらさらにプレッシャーをかけ続けることで、さらに闘志が湧き上がってくるのに気づいた」
「こうして自分のなかにはもっと闘志があるってことに気づいた。今回の試合では相手よりももっと考えて、もっと賢く戦わないといけないということを学んだんだ」