【2/28大会】フェザー級復帰白星バナリオ「今後は寝技も見せる」
シャノン・ウィラチャイ(タイ)からの打撃を食らいながらも、元ONEフェザー級世界王者のホノリオ・バナリオ(フィリピン)は、「ONE:KING OF THE JUNGLE」で熱戦の末に2018年11月以来の勝利を挙げ、古巣のフェザー級で見事な復活を遂げた。
2月28日(金)シンガポール・インドア・スタジアムで、フィリピンの強豪「チーム・ラカイ」に所属するバナリオは、攻撃的なグラップリングと強烈なグラウンド・アンド・パウンドで試合の大半をコントロール。スプリット判定で勝利した。
対戦相手のウィラチャイは、何度かキックを命中させたが、バナリオの勢いを止めるには至らなかった。
30歳のバナリオは、2013年2月にONEフェザー級チャンピオンになったが、3ヶ月後に王座陥落。その後、ライト級に転向したが、この試合までは3連敗中だった。久々のフェザー級への復帰戦での勝利に向けどんなトレーニングをしたか、2020年のフェザー級戦線の状況や、次なる目標を語った。
ONEチャンピオンシップ: 無観客試合だったがどうだったか?
ホノリオ・バナリオ: そんなに特別なことでもなかった。トレーニングもスパーリングも無観客でやっているし、いつものトレーニングの感じだったから、プレッシャーが少なかった。
ファンの声援がある満員の会場だと、コーチの声が聞こえにくいときもある。無観客試合のいい点は、コーチが試合中に伝えるアドバイスをよく聞けることだ。
ONE: フェザー級に戻ってどうだった?
バナリオ:すごくよかった。軽く感じたし調子もいい。自分の力を行かせたと思うし、思いのままに相手をコントロールしてねじ伏せる事ができた。
完璧なパフォーマンスじゃなかったかもしれないけれど、ゲームプランは着実に実行する事ができた。自分のパフォーマンスに満足している。いい再スタートが切れたから、次回はもっとよくなっていると思う。
ONE: ウィラチャイ対策は?
バナリオ: 彼はサウスポーだから、ステップをするときに、先制攻撃ができるように、先に左側へサイドステップをする必要があった。
キックをキャッチすることにも慣れているので、テイクダウンやグラウンド・コントロールと合わせてそれも準備した。彼の前回の試合を見て、彼のテイクダウン・ディフェンスも攻撃する事ができると思ったし、グラウンドで逃げ疲れてたのも見た。今回の試合でやったことはそういうことだ。
彼のストライキングを無効化したかった。追い詰めて、プレッシャーをかけたかった。そして、彼が疲れたときには、テイクダウンに行く作戦だった。一旦そこまで行ったら、グラウンドに釘付けにする。スタンドで戦うことは止められなかったが、それでもキックを繰り出してきたときは距離を詰めるようにした。
ONE: ケージでの戦いに向けて、調整することもあった?
バナリオ: そんなになかった。スパーリングでは、試合の際の感触を知るために、サウスポーに転向したチームメートに助けてもらった。
すごく助かった。だって、ケージに入るまでに、サウスポーに対してどう動くかに慣れていたから。
ONE: キックを数発食らったが、影響は?
バナリオ: 当たったときには(感じた)。だが、効いたとは思わなかった。パンチには耐える事ができた。素早くパンチを出そうとしていたから、あまり力を込められなかったんじゃないかと思う。
ちゃんとしたタイミングのパンチも繰り出せていなかった。彼にはパワーがあると思うが、前のライト級の対戦相手よりも強烈じゃなかった。
ONE: レスリングやグラウンドでのスクランブルを試合では駆使していた。こうした側面を今後も目にする事ができるか?
バナリオ: もっとグラップリング(組み技)が上達したってところを見せたい。今後の試合では、自分のストライキングだけじゃなく、寝技も見せる事ができると思う。
大会もどんどん水準が上がっているし、自分たちも進化しないといけない。もっと自分の引き出しを増やしたいし、新しいスタイルにもついていきたい。ライト級では、簡単にテイクダウンされていたから、グラウンドゲームを上達させようと思った。
長い間練習してきて、この試合で使う事ができた。次の目標は総合力が高い選手になるために、サブミッションのスキルを磨く事だ。
ONE: 試合の後、相手にしばらく組み付いたままだった。ウィラチャイと何か話した?
バナリオ: 相手が負けが込んでいたことを知っていたし、自分たちは両方とも連敗から脱したいと思って試合に挑んだ。
もっと強くなって帰って来るために、トレーニングを頑張ってと励まそうとした。再び勝利を手にするために頑張ったのに、達成できなかったときの気持ちはよくわかる。他のアスリートならやめてしまおうと思っていると思う。だから、彼を励ましたかったんだ。
ONE: スピリット判定と聞いたときは驚いた?
バナリオ: 個人的には、ユナニマス判定だと信じていた。だから、スピリット判定と聞いたときは驚いた。決定的な打撃はもらわなかったし、全ての打撃に反撃できたと思っているし、グラウンドでもしっかりコントロールをした。
おそらくジャッジは、自分が完全に優勢だと思わなかったんだろうし、シャノン(ウィラチャイ)が優勢だと思ったのだろう。けれども、結局は自分たちは向上する事だけを考えている。だから、自分のコーチたちと次回はもっとよくなるために何ができるかを話し合って、この勝利を受け止めて、次に進むことにした。
ONE: フェザー級は、自身がチャンピオンだった当時と変わった。最近の状態についてどう思う?
バナリオ: 今現在、この階級はタレント揃いだと思う。ほとんどがフィニッシャーだから、近いうちにそのうちの1人と当たるだろう。
いくつか試合を見たが、第1ラウンドでのフィニッシュ勝ちだった。彼らは本当に強い。どんな対戦相手と当たるかわからないから、トレーニングを続ける。
ONE: 対戦したい相手はいるか?
バナリオ: 今の所は考えていない。この階級に戻ってきたばかりだし、階級での存在感を増さないといけないから。誰と戦いたいか名指しするタイプじゃないし、どんな相手が来ても受けることにするよ。
ONE: 無観客試合がこれで最後だといいと思っているが、この困難な時期にファンへのメッセージを。
バナリオ: ウイルスの影響下にある人たちは、収束するまで乗り切ってほしいと思っている。
与えられた困難を前に、諦めないでほしい。自分たちはみんな、困難を乗り切るために、人生においてタフでなければいけない。こうした困難から学ぶことも、成長できることもある。ポジティブでいてほしい。そして神のご加護がありますように!
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