【11/9大会】オマール・ケイン、セネガル格闘技界の「レジェンド」叔父に支えられた幼少期
11月9日(土)にタイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで行われる「ONE 169」のメインイベントで、オマール・ケイン(セネガル)は3階級世界王者のアナトリー・マリキン(ロシア)の有するONEへビー級MMA世界タイトルに挑戦する。
こうした注目を集める試合に出場するまでになったケインは、現在の成功の多くは叔父のおかげだと言う。
人生を変える決戦が迫るなか、ケインはONEチャンピオンシップのインタビューに応じ、格闘技の道に進むにあたって叔父が果たした重要な役割について明かしている。
ケインは幼い頃に父を亡くした。当時母親と2人のきょうだいは生活を支える術がなく、そこで救いの手を差し伸べたのが叔父だった。
このことはケインにとって決して忘れられない出来事だ。
「叔父は家族の世話を引き受けてくれた。叔父がヨーロッパに勉強と仕事をしに行く際、自分の父が資金を出してくれたから今度は自分の番だって」
「自分たちの家計を支える責任を引き受けてくれた叔父の無私の精神を本当に尊敬している」
若きケインにとって叔父は絶好の人生のロールモデルとなった。そればかりか、叔父はセネガル相撲として知られる同国の格闘技の大会に出場しており、同じく競技を始めるようにケインに勧めたという。そしてこれが格闘技キャリアの第一歩となり、のちにMMA転向につながることになる。
32歳となった現在、ケインはいつか叔父のように何千人もの観客の前で試合をするのが夢だったと語る。
「叔父はその競技のレジェンドだった。自分はまだ子供だったから、戦績は覚えていない。ただ、トレーニングや試合を見て、いつも感嘆していた」
現在は立場が変わり、ケインはONEからの収入で家族を養う立場になった。これで叔父への恩返しができるとして、喜んでいる様子だ。
「叔父は本当に、本当に素晴らしい人間だ。いろんなことを教えてくれた。昔、自分が無一文のときはお金をくれて、自分のきょうだいと母を世話してくれた。本当に素晴らしい叔父なんだ」
「現在では叔父がしてくれたように自分がいろんな人を世話する立場にある。だから、叔父がちゃんと暮らせるように気を配っている」
“ログログ”ニックネームの由来も…
オマール・ケインの叔父は、ケインが幼い頃から偉大な選手になる運命にあることを知っていたようだ。
ケインによると、叔父が才能を見出してくれたという。
「叔父はいつも自分には戦士の魂と振る舞いを兼ね揃えているって考えてくれていた」
その戦士の魂にちなんで、叔父はケインに“ログログ”というニックネームをつけた。テレビ番組で見た登場人物からとったものだという。
ケインはこう説明している。
「自分の名前は、オマール・ケイン。この名前を付けられて、2、3日後に叔父がやってきて、テレビで見た“ログログ”と名づけるべきだと言ったんだ」
「以前、テレビで怖くて危ないキャラクターが登場する番組があって、叔父がクレジットの名前を見たら、“ログログ”だったんだ」