【4/5タイ大会】『ONE Fight Night 30』王者クリークリャ、ノウルズとの初V戦へ「退屈な戦いにはしない」

4月5日にタイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで開催される「ONE Fight Night 30」のメインイベントで、ONEヘビー級ムエタイ世界王者のローマン・クリークリャ(ウクライナ)がリンドン・ノウルズ(英国)を挑戦者に迎え、初防衛戦を行う。
キックとムエタイの立ち技2競技で同時制覇するクリークリャは激闘必至の戦いになると語った。
ウクライナのスーパースター、クリークリャは2019年にONE初参戦すると、デビュー戦でタリック・ケバベスをKOで下し、ONEライトヘビー級キックボクシング世界タイトルを獲得し2度の防衛に成功。その後はヘビー級に階級アップしONEヘビー級キックボクシングWGPで優勝した。
まさに“無双状態”のクリークリャだが、相手が誰であろうとも油断なく100%で倒しに行くという。
「激闘になることを期待してほしい。私は全試合100%で戦う。全試合、緊張感、ドラマがある戦いだ。私は決して退屈な戦いはしない。」
危険なフィニッシャーとして人気のクリークリャはONEで6戦全勝5KOを誇るが、それは重量級選手にありがちなパワーに頼っているものではない。
他のムエタイ選手やキックボクシング選手と比較すると、スピーディーなフットワークと精度の高いパンチ技術が圧倒的に上なのだ。
さらにクリークリャの強さは、その高い戦略思考にもある。今回の挑戦者ノウルズに対しても例外ではなく、しっかりと分析をし、戦いをイメージしてきたようだ。
「彼は攻撃的で経験豊富なベテラン。常に前に出て戦う。それが彼の主な強みだ。また、伝統的なムエタイをベースにしている。しかし、動き、スピード、そしてスタミナが私の方が上だ。」
「技術的な攻防を想定しているが、打ち合いになる覚悟もしている。いくら戦術を立てても、単に打ち合いになることも戦いにはある。思っている以上にそのケースは多い。だから、試合展開がどのようになっても良いように準備している。」
試合はハイレベルな技術戦になるか、ヘビー級ならではの打ち合いになるかはゴングが鳴ってからしか分からないが、クリークリャはいずれにしても、KO決着になると語る。
「この試合は最終5Rまで続くとは思わない。オープンフィンガーグローブでのヘビー級ムエタイマッチ、ヒジもヒザもあるので、KO決着の可能性は高い。理想を言えば、互いに攻撃を交換しながら、自分のテクニックを見せ、きっちりとした勝ちを収めたい。」
クリークリャ、ムエタイ戦への準備に自信
33歳のクリークリャが、ONE重量級でのトップストライカーであることには疑いの余地はないが、果たしてムエタイマッチでどうだろうか。
クリークリャはONEでキックボクシングルールで5連勝した後、ムエタイで戦ったのは、元WBCヘビー級ムエタイ世界王者のアレックス・ロバーツを相手に世界タイトルを獲得した1回だ。
しかし、その疑念の声にクリークリャは冷静だ。彼の練習システムのベースには、ムエタイがあるからだ。
「今回の準備はほぼいつも通り。それほど変わってない。私のコーチは伝統的なムエタイをベースにしており、キックボクシングの技術を混ぜたシステムで練習を組み立ててくれる。だから、私はムエタイでもキックでも難なく切り替えができる。」
しかし相手のノウルズは現WBCムエタイの世界ヘビー級王者。プロで100戦近い経歴を持ち、長年に渡り英国のトップムエタイ選手として活躍している。
果たして、クリークリャは得意のパンチで勝負に行くのか、オープンフィンガーグローブによるムエタイルールでどのように戦うか注目が集まる。
「これまで通り、長年のコーチであるアンドレイ・グリディンの指導の下でトレーニングを行なった。今回は、オープンフィンガーグローブによるムエタイルールに適応することに焦点を当てた。それが主なテーマだった。」
「この小さいグローブを使えば、フィニッシュのチャンスが大幅に上がる。もちろんパンチだけで脅威になると思うが、それだけに頼る気はない。蹴り、ヒザ、ヒジ、自分が持っている全ての武器を組み合わせて倒す。」