【5/6大会】V5のロッタン「絶対に武尊と戦いたい」
いつもエキサイティングな試合をするという評判のONEフライ級ムエタイ世界チャンピオンのロッタン・ジットムアンノン(タイ、25)は、5月6日(土)に行われた「ONE Fight Night 10: Johnson vs. Moraes III」でも見事に観客の期待に応えた。
同大会のコーメインイベントでは、WBCムエタイ国際チャンピオンのエドガー・タバレス(メキシコ)を第2ラウンドでノックアウトし、10万米ドル(約1300万円)の特別ボーナスを受け取った。
歴史的なONE初の米国大会で、世界中のファンにムエタイの真髄を披露するという目的も達成したロッタンは、こう話している。
「米国で戦える機会を得て、ムエタイの美を伝えることができ、本当に感激している。ムエタイをアートとして高めたいと思っている」
「ムエタイを本当に信じているし、ムエタイが本当に大好きだ。世界にもムエタイの美しさを知ってほしい」
同大会には米国の人気選手も多数出場。しかし、ロッタンがタバレスにフィニッシュブローを決めた際は、会場から最も大きな反応があった。
さらには、ロッタンがメインイベントのONEフライ級世界チャンピオンのデメトリアス・ジョンソン(米国)と前タイトルホルダーのアドリアーノ・モラエス(ブラジル)のラバーマッチを観戦するために出てきた際も、観客はロッタンの名前をさけんでいた。
すでにアジアでは大スターだったロッタンだが、その唯一無二のスリリングな戦いぶりが欧米のファンにも知られているとは気づいていなかったようだ。このため、会場で受けた反応に対して恐縮している様子だ。
「ショックを受けた。米国人があんなに反応してくれるなんて思わなかったし、米国にすでにファンがいるとは知らなかった」
「ただただ感謝している。貧困であえいでいた子供だった自分がこんな場所に来るなんて思ってもみなかった」
ロッタン、ハガティーにも照準
ロッタン・ジットムアンノンは、ONEチャンピオンシップで14勝0敗というパーフェクトな戦績を築き、ONEフライ級ムエタイ世界タイトルを5度防衛した。
誰にもその勢いを止められないように見えるロッタンだが、まだまだONEのケージ「サークル」で対戦したい相手がたくさんいるようだ。
ロッタンは、最近階級を上げてノンオー・ハマ(タイ)からONEバンタム級ムエタイ世界タイトルを奪取したばかりの長きにわたるライバル、ジョナサン・ハガティー(英国)と最近ONEと契約したばかりの武尊との戦いを視野に入れているという。
ロッタンはこうコメントしている。
「(次にハガティーと戦うかどうかは、ONEのCEO兼会長の)チャトリ・シットヨートン次第だ。だが、全員と戦いたい。そして絶対に武尊と戦いたい」
だが、現ONEフライ級キックボクシング世界王者で同級ムエタイ1位コンテンダーのスーパーレック・キアトモー9(タイ)との対戦もあり得るのではないか、という声もある。
タイ国内最高峰の選手同士の戦いではあるが、決して挑戦を断ることはないロッタンでも、スーパーレックは一番対戦したい相手ではないと認めている。
「スーパーレックも含め、誰とでも戦いたい。けれども、タイの立場から考えると、スーパーレックはキックボクシングのタイトルを持っているムエタイの選手で、自分もムエタイのベルトを持っている。こっちのほうがタイにとってはいいことだ」
「けれども、誰とでも対戦したいと思う。現時点では、ハガティーと武尊と本当に戦いたい」