【6/8大会】野杁正明、「勝つ自信があるからこそ、ONEに来た」

野杁正明は、6月8日（土）の「ONE 167: Tawanchai vs. Nattawut II」であるデビュー戦でキックボクシング界の大物を倒し、ONEチャンピオンシップで盛大なアピールをしたいと意気込んでいる。

同大会で対するは、シッティチャイ・シッソンピーノン（タイ）。決して簡単な試合にはならないだろうが、野杁はこうした試練こそ望んでいたものだとしている。

野杁は元K-1ワールドGP2階級王者で、すでにこの競技のトップファイターと見なされており、ここでさらにその地位を激戦区のONEフェザー級キックボクシングでも固めたいところ。

タイ・バンコクのインパクト・アリーナで行われる同会を前に野杁はこう話している。

「どこの団体を見ても、世界のトップ選手が集まっているのがONEなので、だからこそこの舞台で挑戦したかった。ここで勝つ自信があるからこそ、挑戦しにきた」

「（シッティチャイは）昔から強くて有名な選手だし、テクニックもある。サウスポーのお手本のファイターという印象」

「彼は今、昔の全盛期のレベルではないかもしれない。（マラット）グレゴリアンと対戦してKO負けしたけれど、キャリアを通してトータルでは勝ち越している強い選手。自分にとってはこれまでで最強の相手だし、世界のトップ選手の1人だと思っている」

シッティチャイは現在フェザー級キックボクシング部門3位コンテンダー。タワンチャイ・PK・センチャイ（タイ）やグレゴリアン、スーパーボン（タイ）といった強豪を倒し、世界チャンピオンに輝いたことも。さらに、その距離のコントロールの仕方は完璧かつ正確で、この点に対応できた対戦相手はごくわずかだ。

野杁はこうした対戦相手がいかに危険かをわかっている。だが一方で、試合で突けるような弱点も見つけたと言う。

「（シッティチャイの）長所は、自分のスタイルを最後まで崩さないこと。無理な距離で戦わないことだと思う。グレゴリアンと対戦したときは（距離を）詰められてはいたけれど、基本的に自分の戦いを徹底できるところは長所だと思う」

「短所は、距離が詰まったときのディフェンス面。前回もボディを効かされてKO負けしたから今回の試合も狙い所ではあるかな、と思う」

「相手は僕の距離で戦いたくなくて、彼は距離を取って戦いたいと思う。相手からするとやりづらいのかな、と思う」

「今回の勝ち方が重要」最短で世界戦狙う

日本の格闘技シーンで数々のタイトルを獲得してきた野杁正明だが、世界最大の格闘技団体ONEでのデビューにあたっては、改めて積み上げていかねばならない点もある。

対するシッティチャイ・シッソンピーノンはすでに世界で名の通った選手。このため、今回野杁がONEのケージ「サークル」に初めて足を踏み入れる際は“新参者”扱いを受けるかもしれない。

だが、野杁はそうした役割を喜んで受け入れるようだ。

「本当にシッティチャイは 『もう負けられない』って気持ちで今まで以上の本気で戦ってきてくれると思う。今までトップで戦ってきたという気持ちでやってきてくれると思う。過去最高の自分で戦いに来てくれる。過去最高に仕上げてきてもらって、その相手を倒すことで自分の強さを証明したい」

「ONEデビュー戦で失うものがない。僕はずっと挑戦者の気持ちで戦ってきたけど、今回は自分が正真正銘の挑戦者。ファンからの期待やプレッシャーは力になる」

野杁はまた、フェザー級キックボクシング部門のベテランのシッティチャイを相手に豪快なKO勝ちを収めて、同部門のランキングを揺るがしたいという意向も表明している。

さらに、すでに同部門の王者やチンギス・アラゾフ（アゼルバイジャン / ベラルーシ）や暫定王者のスーパーボンにも照準を定めており、今回の試合で勝利を挙げられれば、世界タイトル挑戦に一歩近づけることもわかっている。

野杁はこうコメントしている。

「今回の勝ち方が重要だと思っている。この試合の勝ち方で次の試合の相手が決まるだろうし。ただ最短でタイトル戦にいきたい」

「僕の中でのテーマは、グレゴリアンがシッティチャイを3ラウンドでKOしたから、それよりも早い段階でKOできれば、いろんな人が僕の強さを認めてくれると思う。それがわかりやすい形かと思う」