【8/5大会】タワンチャイ、2競技王者への第一歩はキリア戦「キックのベルトがほしい」
タワンチャイ・PK・センチャイ(タイ)は、片方の肩にONEのベルトをかけただけではバランスが取れず、もう片方にも二つ目のベルトをかけようと決意している。
8月5日(土)にタイ・バンコクで行われる「ONE Fight Night 13」で、ONEフェザー級ムエタイ世界チャンピオンのタワンチャイは、同級キックボクシングマッチでダビッド・キリア(ジョージア)と対戦。キックボクシングのベルトを目指して第一歩を踏み出す。
これまでのONEでのムエタイの戦績は5勝1敗(4KO)、世界タイトルの防衛にも2度成功している。
そして今回の「ONE Fight Night 13」では、これまでとは異なるルールの下で、実力を試そうと燃えている。
タワンチャイはこう話している。
「自分の階級でムエタイの試合をするのは難しくなってきている。新しいことに挑戦したいし、ムエタイ世界チャンピオンだけでなく、キックボクシング世界チャンピオンになるという夢もある」
「新しいルールを学ばなければいけないが、それほど違わない。プレッシャーはあるが、正直、自分にとってそれほど難しくはないはずだ。プレッシャーもあるけれども、素晴らしいファイターを相手に実力を試したいから、挑戦でもある」
タワンチャイは、これまでほとんどムエタイルールで戦ってきた。キックボクシングマッチに出場したのは、2019年から20年の間だけ。
当時は中国のトーナメントに出場して3勝し準決勝まで進んだが、そこで珍しく敗北を喫した。しかし、この経験で意欲を削がれることはなかった。
それどころかキックボクシングの奥深さにさらに敬意を払うようになり、キリアとの一戦に向けても一層やる気を高めている。
「(その敗北から)学んだこともあった。その日の対戦相手は強いキックボクサーだった。あらゆる面で自分より早く、優れていた。自分はキックボクシングの経験不足だったと認めなければいけない。だから負けた。だから、今回の試合では自分の力を証明したい」
「キックボクシングの経験はそれほどないが、怖くはない。特に才能あるファイターと戦うためにここにいるんだから」
「人は一つの夢だけを追うべきじゃない」
強豪ぞろいのONEフェザー級キックボクシング部門では、調整試合などない。このため、タワンチャイ・PK・センチャイは、いきなり大物相手に真っ向勝負をすることになる。
今回の対戦相手は、数々の輝かしい栄光を手にしてきた欧州のキックボクシング団体・グローリーの世界チャンピオンのダビッド・キリア。
タワンチャイはキリアのリングでの戦いぶりのあらゆる面を尊敬しており、この対戦を非常に重要視している。同時に、自身の一流のタイミングと正確性を駆使して相手の弱みをつくことも考えている。
タワンチャイはこう説明している。
「彼のONEでのシッティチャイ戦や他の試合を見た。彼の前ではうかつなことはできない。自分たちはほぼ同等のスキルを持っていて、面白い試合になると思う」
「彼の強みは右フックだ。パンチは本当に重くて早い。フィジカルも強い。弱みは? 自分が見たところでは、あまりディフェンスをしていないと思う。そこが唯一の弱みだ」
「ノックアウトできるかどうかは言えない。未来のことはわからないし、勝つためにベストを尽くすとだけ言っておこう」
新たな目標を追うタワンチャイにとっては、結果が一番重要だ。
最近、夢追い人を意味する「ドリーム・チェイサー」というタトゥーを脇腹に入れ、新たな格闘技のキャリアの境地を切り開く決意をこれまで以上に固めた。
キリアのようなベテランを相手に好スタートを切り、大きな勢いを得られれば、キックボクシングの頂点を目指して駆け抜けていくつもりだ。
タワンチャイはこう付け加えた。
「初めてのONEチャンピオンシップでのキックボクシングマッチで、勝つことは本当に重要だ。キックボクシングのベルトも取れるよう連勝もしなければいけない」
「自分はドリーム・チェイサーだからこのタトゥーを入れた。そして夢をかなえるために打ち込んできた。夢を逃したことは一度もない。キックボクシングのベルトを肩にかけたい」
「人は一つの夢だけを追うべきじゃないと思う。ずっと成長し続けるのだから。ムエタイの夢はかなえた。今度はキックボクシングのベルトだ」