【8/3大会】「柔術のためだけに生きてきた」挑戦者バストスのこれまで

Mayssa Bastos Kanae Yamada ONE Fight Night 20 25

8月3日(土)の「ONE Fight Night 24: Brooks vs. Balart」で、マイッサ・バストス(ブラジル、26)はONEアトム級サブミッション・グラップリング世界チャンピオンのダニエル・ケリー(米国)に挑戦する。

タイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで行われるこの試合は国際ブラジリアン柔術連盟(IBJJF)の世界チャンピオンに9度輝いているバストスにとって、唯一欠けているONEの世界タイトルを獲得するチャンスだ。

世界屈指のサブミッションハンター同士の対戦とあってブラジリアン柔術界も注目するこの試合を前に、この記事ではバストスが世界最大の格闘技団体ONEチャンピオンシップにたどりつくまでの道のりを紹介する。

両親の応援を受けて

バストスはブラジル南東部リオデジャネイロ州の海沿いの都市マリーカで育った。

控えめで物腰の柔らかい少女だったという子供時代は、楽しい思い出ばかりだったと振り返っている。

バストスはONEチャンピオンシップにこう話している。

「とても内気な子供だった。今でもそうだし、このせいで友達があまりいなかったと思う。いろんなスポーツをするのが好きだった。サーフィンもやってみたけれど、小さい頃に柔道と柔術を始めた。正直あまり覚えてはいないけれども、遊ぶのもビーチに行くのも好きだった。今でもビーチに行くのは大好き」

さらに、バストスは両親から受けた惜しみないサポートにも感謝しているという。

父親は不動産業界で働き、母親は弁護士で、ブラジリアン柔術に関すること以外でも何ら不自由を感じることはなかったそうだ。

バストスはこう話している。

「大会でも、トレーニングに連れて行ってくれることでも、両親はできる限りのサポートをしてくれた。栄養士やフィットネスコーチが必要なときは、なんでも手配してくれた」

「自立するまで両親にはいつも支えてもらい、助けてもらった。スポーツを知ったのも両親を通じてだし、自分らしく生きるために助けてもらった。いつも支えてもらっていたから、家族には何も問題はない。自分が今ここにいるのは、両親のおかげ」

色帯時代、1日2大会出場も

初めてブラジリアン柔術のクラスに参加したときから、バストスは自身の未来はこの競技にあると確信していた。

迷いはなかった。夢中になり、時間を無駄にしまいと全力で取り組んだ。

「すぐに縁を感じた。初めてマットに足を踏み入れたときから好きになって、毎日やりたいって思った。すぐに自分が何をしたいのかわかった。黒帯になって世界チャンピオンになりたいって。すぐに柔術のキャリアを追求したいって思った」

両親の助けもあり、バストスは毎日何時間も練習し、あらゆる大会に出場した。色帯時代はありとあらゆる勝利を収め、この競技史上でも有数の才能のある若手選手としての地位を確立した。

こうした若い頃の努力が、世界レベルの黒帯としての比類なき成功につながることになる。

バストスはこうコメントしている。

「競技を始めたときからたくさん練習していた。ジムで長時間過ごして、いつも大会に出場していた。小さい頃から柔術のためだけに生きてきた。ブラジルでは週末はいつもたくさんの大会があって、同じ日に2つの大会に出場することもあった。黒帯になるまでそのペースで出場して、選手として成長することができた」

レジェンドからの刺激

バストスは2018年に黒帯になり、IBJJFの世界選手権や欧州選手権、パンアメリカ選手権でタイトルを獲得し、この競技の最軽量級における史上最強の選手とされるようになった。

こうして活躍を続けながら、バックテイクの技術を開拓した双子のジョアオとパウロのミヤオ兄弟を見たことが、自身のトレードマークの技であるベリンボロを身につけるきっかけになった。

「自分の柔術におけるインスピレーションはミヤオ兄弟だった。若い頃にユーチューブで試合を見た。ハイライト動画でベリンボロをしているのを見て、このポジションを知って、お気に入りになった。ベリンボロは柔術でも有数の美しいポジションだと思うし、それで興味を持つようになったんだと思う」

現在、バストスは間違いなく柔術界一番のベリンボロの使い手となっている。

だが、得意技はそれだけではない。米カリフォルニア州のジム「アートオブ柔術」で、ギリャルメとハファエルのメンデス兄弟の指導を受けながら、さらにその技術を磨き続けている。

「ミヤオ兄弟は自分が若い頃の柔術におけるロールモデルであり、インスピレーションだった。2人が得意だったベリンボロが自分も大好きだったから。けれども、いまは指導者のメンデス兄弟をお手本にしている。2人とも選手としても指導者としても成功している」

「アスリートとして人間としてお手本に」

ブラジリアン柔術界で圧倒的な強さを誇りながらも、バストスはいまも白帯時代の心構えを忘れていないという。

世界的スター選手となり、ONEの世界タイトルに挑戦するチャンスを得たが、中身はブラジリアン柔術を始めた際の内気な少女のままなのだ。

「自分のキャリアに関わってくれたすべての人から、良い点を吸収しようとしている。自分は内気で静かだけれども、深く観察する。努力や継続力や、礼儀正しいふるまいといった、他人の良いところを吸収しようと心がけている」

常に向上しようと努力しているバストスは、これまでに授かった最高の教訓は情熱を追うことだと信じている。

「ONE Fight Night 24」でケリーと対戦する際は、まさにこのことを実践することになるだろう。

バストスはこう話している。

「これまでにもらった最高のアドバイスは、自分が幸せになれることをしなさい、夢を追いなさい、というものだ。これこそ、自分が子供の頃からやっていたことだ。アスリートとして、人間として、何世代にもわたって語り継がれるお手本になり、刺激を与える存在でありたい」

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