【3/9大会】女王トッド、引退試合へ「トップでキャリアを終えたい」
ジャネット・トッド(米国)は、3月9日(土)にタイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで行われるオール女子大会「ONE Fight Night 20」で、打撃競技のキャリアを有終の美で飾りたいと意気込む。
同大会のメインイベントのONE女子アトム級キックボクシング世界王座統一戦で、暫定タイトルホルダーのペッディージャー(タイ)に勝ち、正規王者のまま引退したいという。
38歳のトッドはONEチャンピオンシップにこう話している。
「試合のことだけに集中している。だから引退のことは考えないから、区切りがつけやすい。まずは何よりも試合に集中して自分のスキルを発揮することだ」
「トップでキャリアを終えたい。アトム級で世界タイトルを防衛した初のアスリートになって、年齢なんて関係ないってことを示したい」
勝ってタイトルを防衛できれば、さらにトップレベルで競技を続けたいという思いも芽生えるかもしれない。
だが、トッドはそれは選択肢には入っていないという。すでにキックボクシングとムエタイの両競技で世界タイトルを獲得するという偉業を達成したこともあり、今後は他の計画があると説明する。
「自分で決断を下した。そして自分は決断を下したら、それを守り抜く」
「ONEチャンピオンシップはそれまで自分が成し遂げられるなんて思ってもみなかったようなことを成し遂げるための、素晴らしい機会を与えてくれた。この短い期間で多くのことを経験し、生涯の友にも出会うこともできた。けれども、この試合の後は、新しい人生を歩むつもり」
「もう一つ人生でやりたいと思っていることは、家族を持つこと。歳をとってきているし、そういう人生も送りたい」
最後の戦い「アクション満載のいい試合に」
引退試合でONE女子アトム級キックボクシングの正規王座をかけて戦うジャネット・トッド。
だが、ペッディージャーは手強い相手だ。2023年に毎週恒例のルンピニー大会シリーズ「ONE Friday Fights」で4連続KO勝利を決めて注目を浴び、北米のゴールデンタイムで生中継される大会シリーズ「ONE Fight Night」ではレジェンドのアニッサ・メクセン(アルジェリア / フランス)を倒して暫定タイトルを獲得した。
トッドはこうしたペッディージャーが強敵だと認めながらも、隙はあるとコメントしている。
「彼女のパンチは強力で、ボクシングのスタイルだ。だから、アニッサ(メクセン)との試合でうまく戦ったのは驚きじゃない。本当にいいゲームプランを練っていたんだと思う」
「バランスがとれたファイターであることは間違いない。彼女の強みはボクシングのスキルと、頭の振り方だと思う。ONEチャンピオンシップの全試合で、そうした点を披露してきた」
「自分のゲームプランをあまり明かさないようにして説明するが、彼女の弱点はパンチの出し方。後ろに体重を乗せるような感じで、体の一部がむき出しになっている」
ペッディージャーは強烈なプレッシャーと強力なパワーで知られるが、トッドは過去にもこうしたスタイルの強敵と戦って勝利を収めている。
これまでONEで2競技にわたる世界タイトルを獲得できたのは、入念な準備があってこそ。このため、今回も相手が予想外のことを仕掛けてきても、対応できるようにしているという。
最後の試合を前にトッドは自信を見せ、こう話した。
「ペッディージャーはアグレッシブで前に出てくるが、前にもこうした相手とは戦ったことがある。だからこそ、アクション満載のいい試合にになるだろう。いい試合になるだろうけれど、簡単な試合にはならない。前に出るプレッシャーに対応するための用意はあるし、他にもさまざまな技術を練習している」
「どんな結果になるか、見て楽しむ準備はできている。それも両手を挙げて、ベルトを肩にかけた状態でね」