【9/30大会】サンデルに挑戦、アトム級女王のロドリゲス「2階級制覇は夢だった」
現ONEアトム級ムエタイ世界チャンピオンのアリシア・ヘレン・ロドリゲス(ブラジル、25)は、到来した大チャンスを逃すような真似はしない。
9月30日(土)にシンガポール・インドア・スタジアムで開催される大会「ONE Fight Night 14: Stamp vs. Ham」で、ロドリゲスはスミラ・サンデル(スウェーデン、18)が有するONEストロー級ムエタイ世界タイトルに挑戦する。
2階級制覇がかかったこの試合を前に、ハードなトレーニングを積んでいるロドリゲス。体格的には不利となるが、こうしたチャンスはそうそうないことも知っていたため試合を受け入れた、とONE編集部に明かしている。
「このチャンスを逃すわけには行かないと思ったので、階級を上げることにした。歴史を作りたい。2階級でチャンピオンになりたい」
「こうした機会をもらえて嬉しく思う。サンデルはいいファイターでとても若く、格闘技界を席巻してきた。彼女のことはすごく尊敬しているけれど、ベルトをはぎ取って持ち帰る準備はできている」
ロドリゲスはすでに世界チャンピオンで、ONEチャンピオンシップでは無敗をキープしているものの、上の階級のサンデルと台頭に渡り合えるのか疑問を呈する声もある。
だが、そうした周囲の疑念は、いつも以上にハードなトレーニングをこなし、プロ38戦のキャリアの中で最高の栄誉を追い求めるための後押しになったという。
ロドリゲスはこう話している。
「2つのベルトを取るのは夢だった。そしてそれを実現させるために(試合契約に)サインした。歴史を切り拓きたいし、チャレンジもしたい。自分はそれができると信じている」
「けれども、たくさんの人が自分のことを信じていないことを知った。だが、それがモチベーションになっている。そういう人たちには、一生懸命取り組めば不可能なことなんてない、と証明したい。このチャンスだって全力でつかんだし、 試合でもそれを見せたい」
スタイル激突「今大会で最高の試合に」
歴史を切り拓きたい、と言うのは簡単だが、実行に移すのはまた別の話だ。
アリシア・ヘレン・ロドリゲスはこの目標を達成しようと、現女王であるスミラ・サンデルを徹底的に研究。フィジカルに恵まれ、アグレッシブなパンチのコンビネーションと強烈なヒザ蹴りを武器に前に出てくるアスリートだと分析している。
だが、ロドリゲスも同様にアグレッシブなファイターだ。このため、この世界タイトルマッチは最初から最後まで全力の戦いになると予想しているという。
「彼女はアグレッシブで、対戦相手にプレッシャーをかけ、いつも前に出てくる。だが、自分だって前に出る戦い方は好きだ。彼女は自分の背の高さを生かしたボクシングのスキルやヒザ蹴りがあるし、それで対戦相手を苦しめる。試合運びが本当に上手い。彼女のファイティング・スタイルは好きだ。けれども、体格差については心配していない」
「この試合を楽しみにしているし、自分たちのスタイルが激突して、激しい戦いになると思う」
サンデルのスキルには大きな敬意を表しつつも、ロドリゲスはこの対戦では自身が有利だと考えている。
高いファイトIQや総合力、ダイナミックな打撃といった武器を駆使して、これまでにONE世界タイトルマッチで スタンプ・フェアテックス(タイ)やジャネット・トッド(米国)といった強敵を倒してきただ実績もある。
さらに、9月30日にはKOを決めたいと意気込んでいる。だが、たとえそれが叶わなくとも、ファンにとって忘れられない試合になるだろう、と約束している。
「自分のほうがスマートで、正確だし、ムエタイの完成度はより高いと思う。だが、サンデルは背が高いから、彼女をノックアウトするのは難しいと思う。だが、難しいけれども不可能ではない」
「彼女をノックアウトするつもりで試合に臨む。この試合を楽しみにしているし、今大会で最高の試合の1つになると思う」