【2/20カタール大会】ONE 171ー“中国スーパースター”ウェイ・ルイ、キックタイトル挑戦に「中国打撃のレベルの高さを世界に証明する」

中国を代表するストライカー、“デーモン・ブレード”ウェイ・ルイがONE世界バンタム級キックボクシングの頂点に立つチャンスを迎えるまで目前。2月20日にカタールのルサイル・スポーツ・アリーナで開催される「ONE 171: カタール」のバンタム級キックボクシング世界タイトルマッチで、33歳のウェイは王者ジョナサン・ハガティーのベルトに挑戦する。
鳴り物入りでONEに参戦したウェイは2018年以来、敗北の味を知らない元K-1王者だ。昨年5月のONEデビュー戦では元王者の秋元皓貴に判定3-0の勝利を飾り、一足飛びにONEバンタム級キックボクシングのタイトル挑戦権を手に入れた。ONE公式編集部の取材に対し、王者のハガティーには個人的な敵意は持っていないと話すウェイ。単に山の頂上に登る途中の次の“障害物”に過ぎないという:
「ONEチャンピオンシップに参戦した目的はベルトへの挑戦。誰とでも戦うし、今回の相手はハガティーだ。先ずはハガティーを倒す。これから先も、誰がベルトを持っていても、ONEにいる以上は私はベルト獲得を目指す。」
21連勝中という驚異的な強さを誇るウェイだが、現在のハガティーを過小評価していない。ハガティーは昨年9月の「ONE 168」でスーパーレック・キアトモー9に衝撃的な1R KO負けを喫し、保持していたONEバンタム級ムエタイの王座を手放してしまった。この敗戦がハガティーのパフォーマンスに悪い影響を与えると考えるファンも少なからずいると思うが、ウェイは逆に、あの敗戦がハガティーに対し、王座防衛への大きなモチベーションを与えていると予想している。
「ハガティーは失敗してボロボロになる選手ではない。この前の試合の影響はないと見ているし、寧ろ、あの負けで彼はさらにやる気を起こしているはずだ。彼はこの試合で自分の強さを証明しようとしている。だが申し訳ないが、私は彼にそのチャンスを与える気はない。」
ファイトスタイルの観点から、ウェイとハガティーの対戦は最近のキックボクシングの試合の中で最も興味深い一戦になるだろう。その理由は、両者ともに全ての打撃に破壊力があり、ファイトIQも高く、ワールドクラスな経験も豊富なテクニシャンだからだ。ウェイは今回の試合に向けて、対戦相手を入念に研究し、その長所と短所、有利な点と不利な点を見極めたようだ:
「ハガティーの強みはスピードと爆発力。そして誰の目にも明らかだが、彼の弱点はボディだ。」
「リズム感については私の方が上だと思う。先程言った彼のスピードだが、私と同等だと自信を持っているし、打撃の出力とパワーについては私の方が上だ。この試合に向けてかなり研究してきた。」
中国打撃の強さの証明を狙うウェイ
既に世界最高のキックボクサーの一人として広く認められているウェイだが、歴代トップ選手としてのレガシーを確立するため、自身のトロフィーケースにもう1つのベルトを加えなければならないと感じている。彼にとってONEの世界タイトルはこの業界に於ける“絶対的な頂点”なのだ:
「ONEのベルトは現在、世界で最も権威のあるベルトだと思う。プロモーションとしてもそうだ。私はこれまで多くのベルトを巻いてきたが、ONEのベルトが一番重要だと思っている。」
ハガティーに勝利しONEバンタム級キックボクシング世界王者になれば、ウェイの世界的な名声はさらに次の新しいステージに引き上がるだろう。しかし今回の戦いのゴールはそこだけに止まらない。
このカタールでの勝利は、中国こそが世界最強ストライカーたちのホームであることを証明する機会になると、ウェイは語る:
「もし私がONEチャンピオンシップでベルトを獲得したら、中国の男子立ち技格闘技の歴史に於ける大きな一歩になると信じている。だからこそベルトへのモチベーションは高い。」
「私は中国を代表してONEチャンピオンシップのベルトに挑戦する。中国の立ち技ファイターのレベルの高さを証明するのだ。もう一度、中国ストライキングのレベルの高さを世界に証明する。」