【11/9大会】ロッタンと再戦へ、挑戦者のスミス「あらゆる面で以前より進化した」
ジェイコブ・スミス(英国)は、ロッタン・ジットムアンノン(タイ)との初対決では圧倒されたと認める。だが、11月9日(土)の「ONE 169: Malykhin vs. Reug Reug」で行われるリマッチはまったく異なる展開になるだろうと約束する。
タイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで行われる同大会で、スミスはロッタンの有するONEフライ級ムエタイ世界タイトルに挑戦する。
スミスは2022年5月、ONEチャンピオンシップにデビュー。ONEフライ級ムエタイ世界グランプリの準々決勝でロッタンに敗北を喫したものの、この経験を糧に現在はフライ級ムエタイ3位コンテンダーにまで上り詰めた。
スミスはロッタンとの対決についてONEチャンピオンシップにこう振り返っている。
「前回の対決は、彼にとっては楽勝だった。自分は対戦するまで彼の実力がどれほどか、わかっていなかった。最初から最後まで、彼は常に自分の一歩も二歩も先を行っていた。それだけのことだ」
「これについては言い訳しない。あの対決では自分にあれ以上のことはできなかったと思う。だが、その試合は2年前だったってことを思い出してほしい。自分にとってはONEチャンピオンシップでの初試合だった。4オンスグローブで試合をしたのは初めてだったんだ」
「ハイレベルな試合も、一流のムエタイ選手との試合も初めてだった。だから厳しい戦いだった」
ロッタンの容赦ない攻撃を前に、驚くべき根性を見せたスミスは、新たなファンを獲得した。だが、この試合を通じて頂点に立つために欠けていることを思い知らされたという。
現在32歳になったスミスは総合的な技術を進化させることに集中している。それまでの試合では肉体的にも精神的にも十分な準備ができていたが、さらに上のレベルの選手たちと渡り合うにはよりスマートに戦い、さらに技術を磨く必要があるとわかっている。
「あのときから、2人とも進化して成長してきた。当時は自分のタフさに頼り切って打撃を交わしたけれど、そのために相手の罠にはまってしまった」
「あまり細かいことは話したくないが、あの試合から多くのことを学んで、現在やこの先のスタイルに取り入れている。だからこそ今回は彼に勝てる気がするんだ」
この2年半、トレーニングに励み、ONEでの試合経験を積んできたスミスは「ONE 169」でも再びロッタンに負けるだろうと予想する声を黙らせることができると確信している。
スミスはこうコメントしている。
「いまはあらゆる面で以前より進化している。以前とタフさは変わらないうえ、ファイトIQは高まったし、総合的なスキルは10倍以上向上している」
「それに、あの試合以来ずっとONEで出場し続けてきた。いまでは何度も出場しているのでかなり慣れて、今回の試合に向けての準備もできていると感じる」
「今回の試合では、以前と変わらず荒々しくてタフなジェイコブ・スミスを見ることができるだろう。それに加えて、ファイトIQがより高く、気持ちのコントロールも上手にできるようになっている」
戦う理由「子どもたちの未来のため」
ジェイコブ・スミスは、自身をファイターであり、家族思いの人間だと定義している。
そしてこれらの両面がロッタン・ジットムアンノン戦に向けてのモチベーションになっているという。
「ONE 169」でONEフライ級ムエタイ世界タイトルを獲得できれば、家族の未来も明るいものになるという可能性を考えると、スミスにとって重大な意味を持つ。
スミスはこう説明している。
「マクドナルドのハッピーセットのために戦うにしても、ONEチャンピオンシップの世界タイトルのために戦うにしても、自分には関係ない。自分が朝起きる理由は、自分がファイターだから、そしてすべての試合に勝ちたいと思っているからだ」
「世界タイトル獲得という目標に向かって戦うことは信じられないことだ。子どもたちの未来を変える可能性がある。だから、毎朝起きてそういうことを考えるんだ。けれども、トレーニングには影響しない。目の前の目標が何であろうと、全力でトレーニングをするだけだ」
スミスは今回の対戦相手のロッタンが地上屈指のストライカーだとわかっている。このため、圧勝するという予想はしていない。
だが、自身の進歩に自信を持っており、これが自身のキャリアを決定づける勝利に導いてくれると信じている。
想像しているのは、ベルトを腰に巻いてルンピニー・スタジアムを立ち去る自身の姿のみ。そして、これを実現させるためにも全力を尽くすと約束する。
「試合展開を考えてみよう。5ラウンドは自分にとって有利だ。調子はいいし、いつも後半のラウンドで強くなる。ロッタンも同じだと思うが、自分が言えるのは、この試合に100パーセント勝つつもりで臨む、ということだ」
「どうなるかは誰にもわからない。隙があればそこを狙う。だが、そうでなければゲームプランに基づいて、仕事をやり遂げるつもりだ」