【4/5大会】スーパーボンと暫定王座決定戦へ、グレゴリアン「どんなリスクもとっていく」
マラット・グレゴリアン(アルメニア)は、4月5日(金)の「ONE Friday Fights 58」で、何がなんでもONEチャンピオンシップのベルトを獲得するという意思を表明している。
タイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで行われる同大会のメインイベントで、グレゴリアンはスーパーボン(タイ)とONEフェザー級キックボクシング世界暫定王座をかけて戦う。
グレゴリアンは32歳。格闘技キャリアで、すでに多くのファイターが夢見てやまないレベル以上の偉業を達成してきたものの、世界最大の格闘技団体であるONEのベルトを獲得するまでは満足するということはないようだ。
ONEチャンピオンシップの取材に対し、グレゴリアンはこう話している。
「人生にはリスクがつきものだ。今年はどんなリスクでもとっていくつもりだ。本当に勝つ必要があるし、勝ちたい。それだけだ。彼(スーパーボン)を倒すことだけを考えている。フィニッシュ勝ちでも何でも、試合の終わり方は関係ない。ただ、勝ちたいんだ」
「目標はONEチャンピオンシップの世界チャンピオンになること。これが唯一の目標だ。それが自分にとっては大きな意味があるんだ。この目標を達成するために、ベストを尽くすつもりだ」
スーパーボンとはこれまでに2度対戦しており、両者は1勝1敗同士としている。さらに、ONEのベルトがかかった試合は今回が2度目。
2018年の初対戦では、グレゴリアンがノックアウトで勝利を挙げた。だが、2022年のONEフェザー級キックボクシング世界タイトルマッチでは当時正規王者だったスーパーボンがフルラウンドの戦いの末、グレゴリアンの挑戦を退けている。
2度目の対戦では15分にわたって戦ったこともあり、グレゴリアンは今回の試合ではスーパーボン対策が十分にできたと感じているという。
「初めての対戦は29秒という短いものだった。2度目の対戦では5ラウンド戦い抜いた。彼が繰り出す技はすべて見尽くした。そのときは自分はスピードで劣っており、彼は成長していた。だが、自分だって成長している。どんな試合も毎回違うものだ。ひとつでもミスを犯せばすぐに試合が終わってしまうから、常に集中していないといけない」
「彼は前回と同じ戦略でくると思う。プッシュキックで距離を取って、ヒザ蹴りを繰り出してくるつもりだろう。それが彼の唯一の戦略だと思う。自分は距離を見計らって、ポイントを取る。それだけだ」
事前特訓をタイで行うことにした理由
マラット・グレゴリアンは、パワーとアグレッシブなスタイルの持ち主として知られる。
だが、2022年にONEフェザー級キックボクシング世界タイトルマッチで当時正規王者だったスーパーボンに挑戦した際は、明らかにいつもの戦いぶりではなかった。拠点としているオランダでしっかりと準備を重ねてきたものの、試合が行われたシンガポールでいつものような爆発的なコンディションに持っていくことができなかったのが理由という。
このときの苦い経験から、今回の事前特訓はタイ南東部パタヤの有名ジム「フェアテックス・トレーニング・センター」で行うことにしたそうだ。
グレゴリアンはその理由をこう説明している。
「スーパーボンとの前回の対戦では、しっかりと準備をした。だが、試合当日にしっかりと回復していなかった。体が動かなかった。これは負けたことに対する言い訳じゃない。自分は言い訳は嫌いだ。だが、回復できなかったというのが理由のひとつだ。試合を見たらわかると思うが、スピードもなく、スローモーションのように攻撃していた」
「だから、今回の事前特訓はタイで長期間やることにしたんだ。調子を取り戻して回復するために。時差ボケの解消にも良かった。ぐっすり眠れている。だから、今回の試合は違ったものになると思う」
さらにグレゴリアンは、今回の事前特訓に世界的に有名なキックボクサーが集う所属先の「ヘマースジム」のチームを丸ごとパタヤに連れてきた。
こうした一切妥協をしない完璧な準備をし、4月5日のスーパーボンとのラバーマッチに向けて絶好調だと話している。
「すべて順調だ。コーチのニック・へマースやスパーリングのパートナーも含めて6、7人のチームメンバーとここに滞在している」
「現在はチームの全員が自分の試合のために集中している。他に試合に出るメンバーもいないから、自分のためだけに集中してくれているんだ。毎日トレーニングをして、いろんな戦略を練っている。かなりハードに、何度もスパーリングをしているよ」