【10/1大会】リーとのラバーマッチへ、進化したション「かつての自分じゃない」
ション・ジンナン(中国)は、10月1日(土)の「ONE Fight Night 2」のメインイベントで行われるアトム級女王のアンジェラ・リー(シンガポール)とのラバーマッチを前に、外部の雑音は一切気にしていないという。
宿敵との3戦目となれば、余計に好奇心をかき立てられるという見方もあるだろうが、ONE女子ストロー級世界タイトル防衛に臨むションは、ただ勝利を挙げることだけに集中しているという。
ションは当初、リーが再び階級を挙げてタイトルに挑戦する資格があるかどうか疑問視していた。
だが、こうした考えを脇に置いて、シンガポール・インドア・スタジアムで行われる試合だけに集中することにした。
ションはこう話している。
「最初に(リーが)再び自分の階級で戦うと知ったときは、多少腹が立った。彼女はすでにこの階級でミッシェル・ニコリニにも黒星をつけられて、2度負けているから」
「彼女の階級では自分は1度負けている。だから次はその階級で戦おうと思っていた。けれども大したことじゃない。関係ない。自分は勝ちたい、それだけだ。楽しみとは思っていない。ただ彼女を倒したいだけ」
両者は2019年に2度行われたタイトルマッチで、それぞれの階級のベルトを防衛している。
最初の対戦では、ションが第5ラウンドで見事に逆転して勝利。2戦目ではリーが試合の残り時間数秒というところで一本勝ちし、ONE女子アトム級世界タイトルを防衛した。
だが、ションは2戦目での黒星には動じていない。それどころか、さらに圧倒的な世界チャンピオンになろうと、この敗戦をバネにしてきた。
ションはこう説明する。
「(アトム級世界タイトルをかけて戦った)2戦目では、負けてしまった。自分にとって、悲しいことではあったが、良い意味での悲しさだった。1戦目で勝ったときにはあまり嬉しくなかったから。負けたことで、自分の欠点がより見えてきたので、いいことだったと思う」
「試合の勝ち負けがすべてじゃないと思う。より重要なのは、何を学ぶかだ。足りないところが見えるようになり、自身をより深く知ることができる」
ション、絶好調のリーとの対戦を期待
ション・ジンナンは、出産を経たアンジェラ・リーが最高のコンディションで復帰すると確信していた。
第1子の出産のために2年半のブランクが生じたリーだが、より強くなり、よりモチベーションを高めて戻ってくるとションは期待していたのだ。
そして今年3月、リーは元2競技女王のスタンプ・フェアテックス(タイ)をフィニッシュし、アトム級タイトルを防衛。以前にも増して調子を上げたようだった。
ションはリーについてこう話す。
「アンジェラ・リーが出産後に復調するかどうか、以前インタビューで聞かれたことがある。『母親という新しい立場を得て、間違いなく以前より良くなる』と答えた。より進化しようと頑張るだろうし、子供のためにいい手本になろうとするだろうから」
「だから、彼女はかなりいい状況にいる。だが、大丈夫だ。自分は恐れていない。だからこそ、もっと学んで自分の弱さを克服して、強みをより強くしてこの試合に臨もうとしてきた」
今回のタイトルマッチは、ONE史上でも有数の注目を浴びている対決であり、世界中のファンと同様にションもそのクライマックスを待ちきれないようだ。
アンジェラが進化しているのは知っているが、ション自身もそれは同様だ。
アトム級でリーに敗れた後、ONE女子ストロー級世界タイトルを見事3度防衛しているションは、このライバル関係を華々しい形で終わらせたいと考えている。
ションはこう付け加えた。
「自分とアンジェラ・リーも含め、みんな楽しみにしていると思う。彼女は自分のことをよく知っていると思うし、自分も彼女のことはよく知っている。けれど、嬉しいことに、自分はかつてのション・ジンナンじゃない。自分は進化しているし、変化している。だから、すごく見応えのある試合になると思う」
「もちろん、ノックアウトしたいし、きれいなKO勝ちをしたい。けれども、(ONEのケージ)『サークル』では何が起こるか予想はできない」