【6/10大会】46秒KO防衛のアーセル「自分は地上最高のストライカー」
レギン・アーセル(スリナム)は、6月10日(土)の「ONE Fight Night 11」で挑戦者ドミトリー・メンシコフ(ロシア)を試合開始後わずか46秒でノックアウトし、ONEライト級ムエタイ世界タイトルを防衛。圧倒的な2競技ONE世界チャンピオンとしての地位を固めた。
この勝利により、アーセルは22連勝。
5ラウンド制の世界タイトルマッチでも終始ペースを落とさないことで知られるが、今回はあっという間に勝利だった。
自身のスキルを披露するための時間があってもよかった、と振り返るものの、5万米ドル(約700万円)のパフォーマンス・ボーナス獲得につながった華麗なフィニッシュには満足しているようだ。
アーセルはこう説明している。
「(あんなに早くフィニッシュができるとは)期待していなかった。KOは想定していたが、あんなに早くなんて思っていなかった」
「5ラウンドの戦いに備えていたし、自分の技術でも特にエルボーを見せたかった。けれども、第1ラウンドで仕留めてしまった」
「ちょっと残念な気持ちはあるが、嬉しくもある。とても早いKOだった」
アーセルはONEチャンピオンシップでは10勝0敗としており、キックボクシングとムエタイのタイトルを合わせて6度防衛している。
すでに確固たるチャンピオンとしての立場を固めたものの、そこで満足する気はないようだ。
「自分は現在、文句なしに地上最高のストライカーだ」
「自分がレガシーを築き続ける理由は2つある。第1に、名前を覚えてもらって、この階級で一番偉大な選手として歴史に名を残すこと」
「第2に、自分は父親だ。2人の娘の良い手本になりたいんだ」
ムエタイとキック王座の挑戦「誰でも歓迎」
ONEライト級ムエタイとキックボクシングの世界王者であるレギン・アーセルは、あらゆる選手から対戦を熱望されている。
すでに多くの挑戦者を退けてきたが、常にそのタイトルを奪わんとするハングリーなファイターが列をなしていることは承知だ。
それでも、アーセルは動じることはない。狙われる立場であることを受け入れつつ、その状況が最高のパフォーマンスにつながると考えているようだ。
アーセルはこう話している。
「プレッシャーは感じないから、狙われているのは最高の気分だ。プレッシャーにさらされてると考えている人もいるかもしれないが、全然そういうことはない。狙われているということは、集中できるってことなんだ。そしてベルトを狙われているってことを知っていると、ずっとピリっとしていられる」
「『うわ、ベルトをとったから、防衛しないと!』とは考えない。ただ、直線的に考えるだけだ。最終目標は相手に勝って、ベルトを保持すること。そういうふうに考えている」
アーセルは、トップコンテンダーを次々と倒し、ムエタイとキックボクシングのライト級を一掃してきた。
しかし、一級のタレント揃いのONEチャンピオンシップでは、次戦でもふさわしい対戦相手と当たるだろうということもわかっている。
唯一アーセルからダウンを奪った男である元世界タイトル挑戦者のアドリアン・サディコビッチ(ドイツ / ボスニア・ヘルツェゴビナ)は、「ONE Fight Night 11」でニキー・ホルツケン(オランダ)に勝ったため、リマッチの可能性も開けてきた。
アーセルは誰が相手でも喜んで対戦するつもりだという。
「特に戦いたい相手というのはいないんだ。自分はファイターだ。誰であろうと、ONEチャンピオンシップが組めば、自分は戦う。だから誰でも歓迎だ」
「(サディコビッチの)試合を見たが、ニキー(ホルツケン)にプレッシャーをかけて、うまくやっていた。あと1、2度試合をして、2勝くらいすれば、また戦えるんじゃないかと思う」