【3/23 日本大会】ナビル・アナン、スーパーレックとの雪辱戦に「今の私は全くの別人、今回は違う結果になる」

3月23日にさいたまスーパーアリーナで開催される「ONE 172:武尊 vs.ロッタン」でバンタム級ムエタイ世界統一王座決定戦で、暫定王者のナビル・アナン(アルジェリア/タイ)が正規王者のスーパーレック・キアトモー9(タイ)と激突する。
この類い稀なる長身ストライカーはONEで唯一黒星をつけた男への雪辱を誓う。
両者が初めて対戦したのは2023年の夏。当時19歳だったアナンは、史上最年少のWBCムエタイ世界王者として、鳴り物入りでONEデビューを果たしたが、わずか2分弱でスーパーレックにKO負け。世界最大の格闘技団体の厳しい洗礼を浴びた。
しかしアナンはその敗戦から6戦全勝の快進撃。今年1月の暫定王座戦では、それまで本命だと言われていた“スコットランドの破壊者”ニコ・カリロを1R KOで下し、スーパレックとの再戦の権利を手にした。
アナンが2年前のスーパーレック戦を振り返る。
「2年前、私は4オンスのオープン・フィンガー・グローブについて何も知らなかった。経験すらもなかった。今の私は完全に違う。全くの別人だ。あの試合から多くのことを学んだ。今回は違う結果になると確信している。」
事実、チーム・メディ・ザトゥーに所属するアナンは、過去数年間でパワー、スピード、そしてファイトIQにおいて驚異的な進歩を見せている。
そして、さいたまスーパーアリーナでのビッグイベントでタイトル戦を迎える20歳の若手は、スーパーレック戦での負けが転機になったと感謝している。
「私はあれからずっと成長している。前回のような事は2度と起きない。とても辛い期間だったが、あの頃はまだ未熟で、大きく成長できた。あの教訓がなかったら、私は今日ここにいなかったかもしれない。」
アナンは、この世界中が注目するハイリスクな戦いのプレッシャーに負けていない。
勝者に与えられる黄金に輝くベルト、巨額なファイトマネー、世界的な名声、それらは今のアナンの眼中にはなく、今はただスーパーレックを倒すことだけに全集中している。
「私は求めているのは勝利だけだ。スーパーレックに勝ちたい。ベルトは意識していない。ただ勝利が欲しいだけだ。ただスーパーレックに勝ちたいだけ。それだけだ。それがこの試合で求めている事だ。」
チームのサポートに感謝するアナン
雪辱の相手スーパーレックはONEで2競技、2階級を制した世界チャンピオンで世界最高のパウンド・フォー・パウンド・ストライカーとして認められている。
しかしチームのサポートが万全の準備を与えてくれたと、アナンは自信をみなぎらせる。
「リングに上がれば、そこにいるのは間違いなく自分と対戦相手だけだ。しかし、その前にチームと一緒に練習しなくてはならない。」
「ジムにいる時も家にいる時も一人ではない。後ろには仲間がいる。毎日、彼らはその背中を押してくれる。」
この若き天才にとって、彼のチームは単なるスパーリングパートナーやミット持ちの集まりではない。それ以上だ。
ジムではヘッドコーチのメディ・ザトゥーを中心に周りの選手と練習を重ね、両親からも絶え間ないサポートを受けている。アナンがムエタイ界の頂点に登りつめるまでの道のりは、決して孤独なものではなかったと語る。
「父はいつも私のトレーニングを見守ってくれる。クリス・フォスターは私のためにパッドを持ってくれる。メディもそうだ。母は毎日、昼食と夕食に料理を作ってくれる。」
「そして、私を応援してくれるサポーターの皆様、私が落ち込んでいる時、私がアンダードッグの時でも、私の側にいてくれた。」