【8/5大会】キリア「夢のルンピニーでの試合」、タワンチャイと全力勝負へ
ダビッド・キリア(ジョージア)は、激戦区のONEフェザー級キックボクシング部門に参戦する現フェザー級ムエタイ王者のタワンチャイ・PK・センチャイ(タイ)を荒っぽく歓迎するつもりだ。
8月5日(土)にタイ・バンコクで行われる「ONE Fight Night 13: Allazov vs. Grigorian」で、両者はキックボクシングマッチで対戦。世界中の打撃ファンが注目する一戦だ。
キリアがONEに出場するのは黒星を喫した2022年5月のモハメド・ブタザ(モロッコ)戦以来。
これ以後、ONEチャンピオンシップの外でキックボクシングマッチをし、第2ラウンドTKO勝ちとユナニマス判定勝ちとし、2勝している。
こうして再び勝ち星を積み重ねて久々にONEの舞台で戦う準備が整ったとき、運命を左右するタワンチャイ戦をオファーする電話を受けた。
キリアはONE編集部にこう話している。
「『OK、ただ戦いたいんだ』と言った。タワンチャイとのキックボクシング・ルールでの試合オファーを受けたときは『OK、妥協せずに全力でいく』と思った」
キリアは欧州のキックボクシング団体・グローリーの世界チャンピオンに輝き、数々の実績と非常に高い前評判を引っさげて2021年にONEに参戦。だが、これまでのところは一貫した結果を出せていない。ブタザ以外にも、ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)やシッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)といった伝説的な選手に黒星をつけられている。
そして今回の試合は、世界有数のストライカーとされるONEフェザー級ムエタイ世界チャンピオンのタワンチャイを倒すチャンスとなる。
会場のルンピニー・スタジアムでは、タワンチャイへの大声援が予想されるが、それでもキリアはこの“ムエタイの聖地”での試合を楽しみにしている様子だ。さらに、こうしたチャンスを光栄に思っているものの、タワンチャイを特別扱いするつもりもないという。
「すべてのファイターにとって、ルンピニー・スタジアムで行われるレベルの試合をするのは夢だ。だからもちろん、この機会も、自分にとって初めてのルンピニーでの試合もうれしく思っている。ONEチャンピオンシップの一員としてこの気持ちを共有できるのは光栄だし、特別な瞬間だ」
「確かに相手は地元のファイターだが、あまり変わることはない。海外で以前はよく戦っていたし、いつも地元のファイターが相手だったから」
相手のスタイルを研究「逆のことをやるつもり」
ダビッド・キリアは、8月5日の試合がプロ59戦のキャリアで最大の試練になると知っている。
対するタワンチャイ・PK・センチャイは、世界有数のストライカーで、パンチでもキックでも強烈なフィニッシュパワーを誇るテクニシャンのうえ、今年2月にジャマール・ユスポフ(トルコ)戦で第1ラウンドTKO勝ちとし、ONEフェザー級ムエタイタイトルの初防衛に成功するなど勢いに乗っている。
キリアは戦略は明かさないものの、タワンチャイのダイナミックなキックを封じることに集中すると認めている。
「ゲームプランは? 試合でわかることになる。すべては話せないが、彼は優れたキッカーということはわかっている。距離を詰めて、ブロックして、キックに対応しないといけない」
ONEでのキックボクシングデビュー戦を迎えるタワンチャイが何を仕掛けてくるか、キリアは過剰な心配はしていないものの、そのスタイルを研究している。
そして試合の鍵を握るのは、相手にディフェンスを強いることだと話している。
「彼の戦い方を見ると、自分も自分の戦いをしないといけないと考えている。自分のスキルとボクシング技術を駆使して、彼のキックを止めないといけない。もちろん、KOをねらうさ。けれども、彼のファイト・スタイルを止めるためのプランも考えている。だから、彼のスタイルを研究しているんだ。彼とはまったく逆のことをやるつもりだ。距離を詰めて、アグレッシブに、プレッシャーをかけ続ける」