【9/7大会】2階級2競技王者目指すスーパーレック「ハイリスクでもKO狙う」
9月7日(土)の米国大会「ONE 168: Denver」で階級を上げてONEバンタム級ムエタイ世界タイトルに挑戦するスーパーレック・キアトモー9(タイ)は、この試合で証明したいことがあるという。
スーパーレックは28歳、ONEフライ級キックボクシング世界チャンピオンで、今回王者ジョナサン・ハガティー(英国)に勝てれば2階級2競技チャンピオンになるチャンス。
これまでロッタン・ジットムアンノン(タイ)や武尊といった強豪に勝利しており、地上最強のストライカーとしての地位を固めようと意気込んでいる。
ハガティーとはONEチャンピオンシップ参戦以前の2018年に相手ホームの英国で対戦したことがあり、その際はカットを奪ってフィニッシュ勝ちを決めた。その際、この結果に同意しなかった地元観客からブーイングを浴びたが、スーパーレックは納得できなかったようだ。
ハガティーとの初対戦について、スーパーレックはONEチャンピオンシップにこう振り返っている。
「ハガティーは2018年の初対戦以来、ずっとリマッチをしたかった相手だった。あの試合はレフェリーに止められた。TKOで勝ったが、観客は満足しなかった。まるで自分が勝利に値しないとでもいうかのように、たくさんブーイングをしていた。レフェリーに試合を止められるようなことがなくても、勝てるってことを証明したい」
こうしてやや物議を醸した初対戦とその際の観客の反応はスーパーレックにしこりを残した。このため、通算171戦というキャリア上で初めて対戦を呼びかけることにしたのだ。
スーパーレックは自身に対する疑念を払拭することをモチベーションにしていると言う。
「止められなければ勝てなかったかのように疑われたのは不満だ。そういう人々は間違っているということを証明したい。いつだってリマッチを望んでいたんだから」
このため、スーパーレックは「ONE 168」で完璧なノックアウト勝利を目指すために全力を尽くすと約束している。
正確なテクニックとスムーズな防衛的スタイルで知られるものの、今回の世界タイトルマッチではアグレッシブな姿を見ることができるかもしれない。
「今回の試合では、これまでになかったくらい100パーセント全力でプレッシャーをかけていく。ファンにはテクニカルなファイターと思われているかもしれないが、9月7日には爆発的な試合を期待してほしい。ノックアウトを狙っていく。リスクはある。これまで一度もノックアウトされたことがないというキャリア上の記録を失うかもしれないが、それでも狙っていく。この試合で全力を尽くす」
トップ同士の対決「タイミングがすべて」
スーパーレック・キアトモー9は、明らかにジョナサン・ハガティーを相手にノックアウトを狙っている。だが、これを自意識過剰な態度と受け取るべきではない。
スーパーレックはハガティーの絶大な技術と天才的な身体能力を高く評価している。
このため、この試合は世界トップクラスのストライカー同士の接戦になる可能性も指摘している。
「ハガティーには多くの強みがある。弱みはほとんどない。早いし、フットワークもすごい、ノックアウトパワーを持ったテクニカルなファイターだ。技もたくさん持っているし、自身に満ち溢れた全盛期を迎えている。彼に特に弱点はないだろう」
「このレベルの選手には、いわゆる弱点というものはない。自分の考えでは、タイミングがすべてだ。隙をついて、いい形で試合を終わらせられればと思う」
だが、スーパーレックに明らかなアドバンテージがあるとすれば、それは5ラウンド制の世界タイトルマッチの経験だろう。
その経験が「ONE 168」で生かされる可能性があるともコメントしている。
「ノックアウトで勝ちたい。ハガティーは防衛戦で4ラウンドまでいったことがないが、自分はある。試合が早く終わっても、フルラウンドの戦いになっても関係ない。フィニッシュするための隙を探すさ」