ジャネット・トッドが語る、アトム級キックランカーたち
ジャネット・トッド(米国)は現在、アトム級の女王として堂々と君臨しているが、世界王者という栄光への道のりは、決して簡単なものではなかった。
2019年2月、トッドは当時のONEアトム級キックボクシング世界王者スタンプ・フェアテックスに敗れ、初代ONEアトム級ムエタイのベルトを逃した。だがトッドは、ベルト獲得に向けた歩みを止めはしなかった。
トッドはその後、世界クラスのアスリートたちを相手に素晴らしい勝ち方で3勝を挙げ、タイのスーパースター、スタンプとの再戦のチャンスを手に入れた。ONEアトム級キックボクシング世界タイトルを賭けた戦いだ。
2020年2月に開かれたこの試合で、34歳のトッドは、初対戦で得た教訓を見事に生かし、僅差のスプリット判定でスタンプを破った。今やトッドは、アトム級の女王だが、スタンプを含む多くの選手たちが虎視眈々と、ベルトを奪う機会を狙っている。この記事ではトッドが、アトム級キックボクシングのランカーたちについての考えを明らかにする。
1位 スタンプ・フェアテックス
ジャネット・トッド:スタンプは間違いなく強い選手であり、彼女との前回の試合は非常に僅差だったから、このランキングに全く異論はない。彼女の強みは、カウンターと右手の爆発力。 今回は改善してローキックも決めてきた。
お互いに少しずつ慣れてきているから、3度目の対決は楽しみ。ムエタイでは自分がランキング1位だから、できればムエタイマッチ。少なくとも自分にとってはその試合は楽しみだし、他の人たちも同じように期待してくれたらうれしい。スタンプと自分は、ムエタイで見応えのある試合を披露したことがあるから。
自分たち2人の試合はいつも、本当に良い戦いになるだろう。ムエタイとキックボクシングはそれぞれに面白さがある。少なくとも自分にとっては、彼女が自分のベストを引き出してくれるから、また戦いたいと思うし、自分も彼女のために同じことをしたいと思っている。
2位 アルマ・ユニク
トッド:アルマ・ユニク(オーストラリア)ともぜひ戦いたいと思う。 アトム級には、若くて才能のあるファイターの非常に強力なグループがある。 彼女は攻撃的でプレッシャーをかけていくスタイルの戦い方であり、テクニックも非常に優れている。とても良い戦いになるだろう。
スタンプとの戦い(2019年6月)で、彼女は信じがたいほどの心肺機能を見せた。試合が第5ラウンドに入っても、まだプレッシャーをかけ続けていた。彼女はとても若く、まだこれから、スキルを磨き続ける時間がたっぷりある。若い時の体は回復が早く、鍛えるのもずっと早くできる。
自分の20代の頃を思い出す。おそらくアルマ(ユニク)やスタンプとはかなり違うかもしれないが、自分は大学に通っていた。でもむしろ、一生懸命に勉強して、一生懸命に遊ぶ、という感じ。こういう若い選手が、この年齢で既に規律を身に付けているのを見るのは、驚くべきことだ。
3位 チュアン・カイチン
トッド:自分はチュアン・カイティンと戦って、勝って、スタンプへの挑戦権を手に入れた。彼女はスタンプに奪われる前は、キックボクシングのベルトを持っていた。
チュアンはとても速い。 試合の準備の一環として彼女のビデオを見て「うわ、速い」と思ったのを覚えている。でもリングでは『わぁ、ビデオよりもずっと速い!』という感じだった」
これが彼女の強みであり有利になるところだ。つまり、パンチの爆発的な力と速さだ。
4位 アン・リン・ホグスタッド
トッド:アン・リン・ホグスタッド(ノルウェー)のことはよく知らない。1月のアルマ(ユニク)戦を見て、両手を非常にうまく使いながらヒジで来る選手だと思った。あらゆるタイプの選手に対して、自分自身を試してみたいから、そういう試合もしてみたいと思う。
全ての人を相手に、自分自身をテストしないといけない。どの選手もわずかに異なるスタイルを持っているから、時には、スタイルの違いによって勝負の行方が変わってくることもある。
5位 エカテリーナ・ヴァンダリーバ
トッド:エカテリーナ・ヴァンダリーバ(ベラルーシ)とは昨年10月に対戦する機会があった。とても手足の長い選手だ。
彼女は非常に有名な人々と戦ってきたし、ヨアナ・イェンジェイチック(複数回の総合格闘技、キックボクシング、ムエタイ世界チャンピオン)に勝っている。あのリーチの長さをアドバンテージとして使ってくるなら、中に入るのは非常に難しいだろう。
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