【10/5大会】三浦彩佳とジヒン・ラズワン、アトム級MMAマッチへ両者とも準備万端
10月5日(土)の「ONE Fight Night 25: Nicolas vs. Eersel II」では、三浦彩佳とジヒン・ラズワン(マレーシア)による重要な女子アトム級MMAマッチが行われる。
両者ともランキングのトップ5入りを狙う立場。そのためにも、この大会で一勝したいところだ。
女子アトム級MMAは激戦区だが、ジヒンも三浦も高い志を持ち、実力をアピールする必要があることを理解している。
この記事では、タイ・バンコクのルンピニー・スタジアムでの対決にむけての両選手の意気込みを紹介する。
ジヒン「スタンド戦でフィニッシュしたい」
これまでグラウンド戦で強みを発揮してきたジヒン・ラズワンだが、今回の対戦相手の三浦彩佳は、この階級屈指のグラウンドのスペシャリスト。しかし、ジヒンが進化を続ける攻撃のレパートリーを披露する準備ができているという。
三浦はほとんどの場合、柔道のスキルを駆使して相手をマットに寝かせ、得意の“あやかロック”を仕掛けるという戦法を駆使してきた。
ジヒンは、この三浦の戦法を封じるのが賢明だと承知しており、この点に照準をしぼっている、と説明する。
「(三浦は戦法が1つしかないかという問いに対し)そう思う。その通りだ。彼女はその技やそうしたスタイルだけを得意としている。とはいえ、対戦相手をねじ伏せる能力を見ると、それは簡単に攻略できるものではない。彼女は柔道黒帯だし、その点も軽視できない」
「だから、自分とコーチは、このシナリオを避けるために、とにかくスタンド戦を続けることが最善の策だと結論を下した。けれども、もしそういう状況になれば逃げ出すための作戦もある。だが、まず第一にテイクダウンをされないことが重要だ」
ジヒンは現在、タイの有名ジム「フェアテックス・トレーニングセンター」でフルタイムでトレーニングに励んでおり、あらゆる分野でスキル向上をさせようと努力を重ねている。このため、状況に応じて戦略を切り替えることもできるという。
3月の澤田千優戦では判定負けを喫したものの、このときの試合では進化した打撃を生かせたと喜んでおり、今回の試合で三浦をフィニッシュするべくさらにそのスキルを磨き上げているという。
「3月の試合では負けてしまったが、パンチを繰り出すことに慣れてきたのがわかってもらえたと思う。このときの戦いぶりから判断して、自分のなかでは勝利したも同然だった。負けは認めるけれども、自分のパフォーマンスにも打撃に自信が付いたことにも満足している」
「この1年、打撃に重点を置いてきた。パンチやキック、コンビネーションを自信を持って繰り出せるようになった。『ONE Fight Night 25』では、スタンド戦での大きな進化をファンの皆さんに見せられると思う」
「ゲームプラン通りに行けば、スタンド戦でフィニッシュしたい。コンビネーションを繰り出すかもしれない。それなら最高だ。第2、第3ラウンドだと思う」
三浦、目標は「しっかり圧勝する」
三浦彩佳は、「ONE Fight Night 25」でのジヒン・ラズワン戦は決して簡単な戦いにはならないと承知している。それでも、相手のゲームプランを気にするよりも、自身の戦略に集中することに注力したいようだ。
これまでONEで三浦はどんな相手であろうと全力で前に出て、自身が最も得意とする状況に引きずり込むために全力を尽くしてきた。
三浦と同じく、ジヒンもグラウンド戦に定評がある。三浦はこの点を警戒しながらも、特にこの点に基づいて戦略を変更する予定はないとONEチャンピオンシップに話している。
「(ジヒンは)すごく器用で素晴らしい選手だと思うが、前回はすごくコンディションが悪そうだとは思っていた。極めが強い選手でなので、そこは気をつけようと思っている」
「全部がうまい選手だと思っている。そこは相手をなめずに練習をしている。相手のことをそれほど気にしないようにしている。相手をあまり見過ぎて、自分が萎縮するのは避けたい。いつも通りに仕上げている」
三浦の対戦相手は、三浦がこれまでONEでの6勝のうち5勝を挙げた“あやかロック”を警戒しなければならなかった。
だが、三浦はこれ以外の武器をさらに増やし続けているという。このため、ジヒン相手に従来の戦略が通用しなくても、それ以外の選択肢もあることを披露したいと考えている。
「これまでいろいろな技術を習得してきた。だが前回もそうだったが、それがすぐ試合に出るかどうかはわからない。ちょっとずつ試合で出せればいい。その上で圧倒する、圧勝するというのがテーマだ」
「試合はどうなるかわからない。だが、やれることは精一杯やる。しっかり圧勝するというのだけは目標にして、どのパターンになっても勝てるように考えている」