【6/8大会】格闘技人生の集大成の世界戦、ナタウット「ハイペースな戦いに」
昨年10月、緊急参戦した3ラウンド制キックボクシングマッチでタワンチャイ・PK・センチャイ(タイ)を限界まで追い詰め、惜しくも判定負けとなったジョー・ナタウット(タイ)。
だが、6月8日(土)の「ONE 167」でタワンチャイの有するONEフェザー級ムエタイ世界タイトルに挑戦する際は、より良い戦いぶりを披露しようと意気込んでいる。
ナタウットはフェザー級ムエタイ3位コンテンダー。タワンチャイに黒星を付けられた後は、昨年12月にルーク・リッシ(米国)と対戦して判定勝ちとしている。
タイ・バンコクのインパクト・アリーナで行われるタワンチャイとのリマッチを前に、ナタウットはこう話している。
「この試合が組まれるだろうと思っていた。ランキングがあるのには理由があるだろう? そこでランキングを見たんだ。この試合が組まれるのはわかっていたし、ONEのファンも見たがっていた」
「ONE Fight Night 15」で行われたタワンチャイとナタウットの3ラウンド制キックボクシングマッチでは、タワンチャイの当初の対戦相手だったスーパーボン(タイ)が負傷。代わってナタウットが2週間前オファーで参戦したという経緯があった。
今回は世界タイトルマッチのため、試合は3分5ラウンド制。このため、試合時間は長くなるが、ナタウットは影響はないと話している。
「3ラウンドだろうが、5ラウンドだろうが大差はない。もちろん、試合時間は長い。こうした違いはあるが、それほどでもない。ハイペースになるのは間違いないし、そういう状況だから判定になるだろう」
「キックやパンチの応酬になるだろう。予想できるのはこれだけだ。それ以外のことは、試合が始まってから見てみるしかない。変化は常にあるし、次の瞬間に何が起こるかはわからないものだ」
「言えることはただひとつ。楽しい試合になるってことだけだ」
ゲームプランは「流れに身を任せる」
すでにタワンチャイ・PK・センチャイと3ラウンドを戦い抜いたジョー・ナタウットは、2度目となる今回の対戦では前回の試合の“続き”をしたいと考えている。
つまり、強力なパンチを放ち、試合開始のゴングから戦いを仕掛けていくのだ。
だが、タワンチャイのような頭脳派ファイターが常に戦略を変えてくることも予想している。このため、ONEのケージ「サークル」で試合が始まるまで、ガチガチにゲームプランを固めるつもりもないようだ。
「タワンチャイはこの階級の王者だ。勝ちたければ、本当にうまくやらないといけない。賢く戦わないといけない」
「この試合は、自分にとっては次のラウンドに行くようなもの。戦略は複雑じゃない。試合に臨んで、何が起こるかを見極めて、そこからどうするか考えるだけだ。流れに身を任せるのが自分にとっては一番いい方法だ」
これまでナタウットはONEでキックボクシングとムエタイの両競技で強豪と対戦してきたが、直近の試合の戦いぶりでやっと世界タイトルに挑戦するチャンスを得た。
現在34歳。格闘技キャリアの残された時間が少ないことはわかっている。このため、6月8日のONEフェザー級ムエタイ世界タイトルマッチには全力で臨むつもりだ。
ナタウットはこう話している。
「世界タイトルを獲得できれば、自分は仕事で成功したということだ。自分は、キャリア終盤に差し掛かっている。どんな場所でもタイトルを獲得してきたから、もうひとつベルトを獲得できれば、自分が真のチャンピオンであることを証明できる」