【10/5大会】2度目のムエタイ戦に臨むリネカーとONEで3勝のバリカ、両者ともKO宣言
10月5日(土)にタイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで開催される「ONE Fight Night 25: Nicolas vs. Eersel II」では、元ONEバンタム級MMA世界チャンピオンのジョン・リネカー(ブラジル)が2度目のムエタイマッチに出場する。
今回の対戦相手は、アレクセイ・バリカ(ロシア)。
MMA界屈指のハードなパンチャーとして知られるリネカーは今年9月の「ONE 168: Denver」で初のムエタイマッチに臨み、エイサー・テン・パウ(米国)をノックアウトした。
それから1ヶ月後の今回の大会では、通算戦績23勝、ONEチャンピオンシップで3勝1敗としているプロレベルでのムエタイ経験豊富なバリカと当たる。
「ONE Fight Night 25」を前に、両ファイターがONEチャンピオンシップに試合への意気込みを話した。
ジョン・リネカー「ノックアウトしてやる」
エイサー・テン・パウ戦では、ジョン・リネカーは相手が崩れ落ちるまで頭とボディに強烈なパンチを浴びせ、16年にわたるMMAでのキャリアと同様、観客を湧かせる戦いぶりを見せつけた。
今回の対戦相手のバリカもボクシング重視のゲームプランで望んでくると予想しているが、自身のような前に出るプレッシャーを使わない点が違う、と考えている。
リネカーはこう話している。
「自分の強みはボクシングだ。彼のスタイルも自分と似ていると思う。自分は前に出るタイプだが、彼は特に横や後ろにもっと動く。あまり前に出ることはない。だから、それがスタイルの違いだと思う。自分は常に前に出てノックアウトを狙うが、彼はケージの中でよく動くんだ」
ムエタイマッチはまだ2度目のうえ、今回の対戦相手のバリカのほうが経験豊富だが、リネカーはノックアウトで勝てると自信を見せる。
「ONE Fight Night 25」での試合はいつも通りの戦いぶりを発揮できると考えており、これはファンにとってもうれしいニュースだろう。
リネカーはこうコメントしている。
「いつもインタビューで言っていることだが、もう一度繰り返す。なぜなら、それが本当のことで、自分がやりたいと思っていることだからだ。いつだってケージの中でノックアウトを狙う。この試合でもこれは同じだ。相手をノックアウトするために戦う。ジャッジの判断に結果を委ねるのは好きじゃない。ノックアウトを狙う。ノックアウトしたい。そして、相手をノックアウトする」
アレクセイ・バリカ「精神的に痛めつける」
ジョン・リネカーのONE世界チャンピオンと世界的に有名なスター選手としての立場を考えると、アレクセイ・バリカは当のリネカーも含め、自身がみくびられているという可能性も承知している。
だが、そうした前評判は気にしておらず、むしろ歓迎している様子だ。
バリカはこう説明している。
「彼には間違いなく過小評価されていると思う。それがアドバンテージになるだろう。彼はいつものように自分がミスを犯すのを待って、そこを逃さずに試合を終わらせようとしてくるだろう。だが、彼は自分のことをよく知らない。彼にはサプライズを見舞ってやれると思う」
確かに知名度はリネカーほど高くはないかもしれないが、バリカはロシアのトップストライカーとしての地位を確立しており、ONEでも3連勝を挙げている。
また、豊富なムエタイ経験に基づいた視点から、全般的にリネカーの打撃のレパートリーには感心していないようだ。実際に、リネカーの打撃スタイルについてこう批判をしている。
「リネカーはなぜだかムエタイで戦うと決めたわけだが、この決断には驚いた。ローキックよりも高い蹴りもできないのに。もしグラップリングを選んでいたら、それほど驚かれはしなかっただろう。パンチは強いかもしれないが、大ぶりで遅いんだ。自分との試合では、ソビエト流のボクシングを味わうことになるだろう。自分は、熱くなりすぎず、愚かなミスを犯さないことに照準を合わせている。冷静かつ激しい決意を持ってこの試合に臨む」
「ONE Fight Night 25」ではバリカはリネカーと同様、ノックアウト勝利を狙っている。
だが、単にKOを決めるだけではなく、MMAのスター選手にムエタイの真髄を見せつけて圧倒したいようだ。
「自分の戦略は、彼に無力感を与えることだ。精神的に痛めつけてやる」