【11/8大会】パシオ「王者の実力証明を」フィリピン対決へ闘志
11月8日(金)の「ONE:MASTERS OF FATE」では、総合格闘技史上最高ともいえるフィリピン人アスリート同士の対決が実現する。
23歳のジョシュア・パシオは、自身が保持するONEストロー級世界王座をかけ、40歳のベテラン、レネ・カタランとの一戦に臨む。
フィリピン・マニラの首都にあるモール・オブ・アジア・アリーナで開催される今大会。フィリピンを牽引する2つのチームの代表同士の戦いを、国内の数百万人のファンが注目している。
パシオは「今回の試合が決まってうれしい。フィリピンの総合格闘技が成長していることを証明できる」と話す。
「自分にとって、歴史的な試合の一部になれるのは特権で、2人のフィリピン人が世界王座をかけて戦う。しかも、相手は実績のあるベテラン。またフィリピンで試合ができるのもうれしい」
名門ジム「チーム・ラカイ」のスターであるパシオは、昨年から世界タイトルがかかった2試合で印象的な勝利をあげ、同階級最強の座に就いた。だがカタランとのこの一戦こそ、過去最大の試練になるかもしれない。
カタランは、「カタラン・ファイティング・システムズ(CFS)」に所属。国内を代表するウーシューの使い手で、世界王座を2度も獲得し、アジア大会でも金メダルを獲得した実績の持ち主だ。ONEチャンピオンシップのケージ「ザ・サークル」での戦いに順応してからは並外れた強さを発揮してきた。
ONEデビューから3試合続けて勝利を得られなかったとはいえ、40歳のカタランはそれから6連勝中。パシオが5ラウンドの末に勝った元世界王者の内藤禎貴(のび太)を相手に、たった1ラウンドでTKO勝利を収めて王座挑戦権を獲得している。
パシオはこのカタラン−内藤戦を観戦したという。
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「僕たちの実力は拮抗している。クーヤ·レネ(タガログ語で“レネ兄さん”)は、バックグラウンドの散打で飯を食ってきた人だけれど、彼はレスリングとグラップリング(組み技)でも急激に成長している」
「内藤戦の結果はびっくりした。相手のテイクダウン狙いを防いで、フィニッシュで勝った。どれだけレベルアップしたか目の当たりにしてきたし、彼は6連勝中でもある。間違いなく、チャレンジャーとして相応しい」
トップコンテンダーに上り詰めたにせよ、カタランが同胞と王座をかけて戦う今回の試合が実現するかどうかを疑う意見もあった。
周囲の声が試合承諾の動機となったカタランに対し、パシオは何の躊躇いもなく挑戦を受け入れた。
パシオは、世界最強の座を確実なものにするため、トップアスリートとの対戦を望んだだけだ。カタランが挑戦者になったものの、彼への憎悪は一切ない。
「フィリピン人同士の対戦を嘆くコメントを読んだけれど、これはスポーツ。最終的には、僕たちはお互いをリスペクトしているから」
「レネ・カタランを尊敬している。CFSはパイオニアで、何度となくフィリピンを代表して戦ってきた。まだ自分がパンチの打ち方すら知らなかった時代から、彼らは今の地位にいた」
「でも、これは総合格闘技。自分こそベルトを巻くのに相応しい実力があることを証明しないといけない。世界王座を守るために、何だってやる」
今年のはじめにタイトルを失ったパシオは、短命に終わった前回の王者時代に学んだことを証明したがっている。
今年の1月、パシオは猿田洋祐と対戦し、接戦の末に初防衛戦に失敗。その後のリマッチでは、「ザ・サークル」史に残るKO勝利でリベンジに成功したが、まだ実力を証明する必要があると感じている。
「このベルトを守るチャンスを与えられて、本当にうれしい」
「前回は運にも恵まれなくて、タイトルを失ってしまった。今回は必ずベルトを守って、勢いに乗った状態で2020年を迎えたい」
「今回の試合に向けて、猛特訓してきた。11月8日にその成果を発揮して、世界王者のまま家に帰る」
「1つだけ約束できることは、今まででベストの自分を見せる。アップグレードされて、自分の力を信じている自信に満ちたアスリートの姿を見せたい」
マニラ | 11月8日 (金) | 18時半(日本時間) | 中継:ONEチャンピオンシップ公式アプリで生中継(無料)