【11/8大会】初防衛パシオが実感「自分は世界王者」
格闘技の古い格言は言う。ベルトを守って初めて“真の”王者と名乗ることができると。
ONEストロー級世界王者ジョシュア・パシオ(フィリピン)はついに、自信を持って自分が世界チャンピオンだと言えるようになった。
11月8日に開かれた「ONE:MASTERS OF FATE」で、パシオはレネ・カタラン(フィリピン)を第2ラウンドでのサブミッション勝ちで撃破し、初防衛に成功した。
かつて初防衛に失敗しているパシオにとって、これが2度目の挑戦だった。
パシオは今年1月の「ONE:ETERNAL GLORY」で、猿田洋祐を相手に初防衛戦に臨み、スプリット判定でベルトを失うという屈辱を味わった。だが3か月後の「ONE:ROOTS OF HONOR」でリベンジに成功。猿田を第4ラウンドでのノックアウトで下し、王座を奪還していた。そこから半年の間、パシオは初防衛のために総力を挙げてトレーニングを積んできた。
「自分に言えることは、全ての犠牲と努力が本当に報われたということ」
「自分は世界チャンピオンだ。タイトルを防衛した今、それを感じることができる。この勝利の後はまた振り出しに戻って次の防衛戦に備える。できればまたすぐ試合がしたい」
カタランとの試合でパシオは、第2ラウンドでのグランドゲームを優位に運び、辛抱強くフィニッシュできるポジションまで持ち込んだ。
だがパシオが成功できたのは、第1ラウンドでの劣勢があったからこそとも言える。がっちり決まったかに見えたカタランのレッグロックから、必死に抜け出さなければならなかったからだ。
だがパシオは、カタランのサブミッションの技術は特に危ないものではなかったと明かす。長引くようなダメージは追っておらず、すぐにでも試合に戻って来られると。
「そんなにきつくなかった。ケガはしていないし、来年1月31日のイベントに参戦できたらと思っている」
その日はONEチャンピオンシップの、フィリピン・マニラでの2020年最初の大会がある。 ONEストロー級世界王者として再び母国に凱旋する機会が得られれば、熱狂的なファンの声援を背に、個人としても、所属する名門格闘技ジム「チームラカイ」としても勢いに乗れるだろう。
今年10月に東京で開かれた「ONE:CENTURY 世紀」では、パシオのトレーニングパートナーでもあるチームラカイの選手2人が苦杯を舐めた。だが彼らは下を向く代わりに、パシオの勝利に向けて手助けを続けてきた。
母国で初防衛という大きな成果を挙げた今、パシオはチームラカイ全員で自信を持って新たな年を迎えたいと願っている。
「日本で起こったことは胸が痛い。今もまだ引きずっている。でもチームのみんなは自分を励ましてくれたんだ。彼らのために勝ってくれとね」
「ケビン(ベリンゴン)さんの支えと励ましに感謝している。自分はまだ日本での大会を乗り越えられていないが、みんなで今年を幸せに終えられると思う」