キアヌ・スッバ「復帰戦はホノリオ・バナリオと」
キアヌ・スッバ(マレーシア)は少し心配気味だ。
2019年5月の高橋遼伍との試合ですねを骨折して以降、スッバは11ヶ月も試合から離れているのだ。
まだケガからの回復途上だが、25歳のスッバはフェザー級のトップスターたちに注意を向け続けており、医者の許可が出たら挑戦したい、元ONE世界王者がいる。
「1年近く試合に出ていないから、試合に復帰した時にはしっかりとした印象を残す必要がある」
「ホノリオ・バナリオ(フィリピン)は自分にとって完璧な対戦相手だ。その次に対戦したい選手のリストがあるが、今はバナリオだ。元世界チャンピオンである彼を倒すことで、世界タイトル戦争いに戻れるだろう」
バナリオは2012年2月に世界最大の格闘技団体ONEチャンピオンシップに参戦。わずか1年後に、同じくフィリピン出身のエリック・ケリーを倒し、初代ONEフェザー級世界タイトルを獲得した。
フィリピンの名門格闘技ジム「チームラカイ」のベテラン、バナリオは2016年に階級を上げ、エイドリアン・パンら評判の高い選手たちを倒し、ライト級で活躍した。
だが今年2月にバナリオはフェザー級に戻り、タイ総合格闘技のパイオニアであるシャノン・ウィラチャイを倒した。
この勝利はバナリオをトップクラスの選手にする、いくつかの特徴を見せた。それはスッバがバナリオへの挑戦を熱望するもう1つの理由でもある。
「ホノリオ(バナリオ)は有名な選手だ」
「これまでの経験を見ても、青木真也やローウェン・タイナネス、エブ・ティン(マレーシア/ニュージーランド)といった選手と戦ってきた。(2018年9月の)アミール・カーン(シンガポール)との試合でも、カーンにテイクダウンからチョークを決められる前までは、もう少しで勝てそうだった」
「初めはブルーノ・プッチ(ブラジル)との対戦を考えた。でも調べてみると(バナリオの方が)ファン層が大きいことに気づいたんだ。だから彼と対戦したい」
「他にも新しい選手たちがいるが、『あいつは新人を倒すだけ』とは言われたくないんだ。この階級での自分の強さを証明したい」
スッバは長年に渡り、インドネシアの格闘技ジム「Bali MMA」と母国マレーシア・クアラルンプールの「Monarchy MMA」でスキルの大幅な向上に努めてきた。
ジムでの激しいトレーニングによりスッバは、ONEでの成功に必要なテクニックと精神力を身に着けた。
2015年10月にONEデビューして以来、6勝全てを第1ラウンドで獲得。相手はミャンマーのスターのプー・トー、パキスタンのアフメド・ムジタバらだ。
そのためスッバは、バナリオの多彩な立ち技の攻撃を、非常に警戒しているというわけではない。実際、念願の勝利を挙げるためのカギは、ゲームのあらゆる領域で、自分自身が握っていると信じている。
「彼がONEと最初に契約した時は、かなりウーシュー一辺倒な選手として見られていた」
「でも彼はバランスの取れたファイターに進化した。最近の何試合かでは、ただノックアウトに行くというより、テイクダウンやサブミッションを狙っていた。自分も上達してきたから、面白い戦いになるだろう」
「体の強さと打撃は彼の最大の脅威だが、自分は彼のパターンがわかると思う。グラウンドに行くなら、自分にとってはさらに良い」
ONEの舞台に戻りたいという強い熱意を持っているものの、スッバが試合に戻るのはケガが完全に回復し、体の調子が万全になってからだ。
その時が来たら、スッバはこれまでに描いてきた成功の青写真を現実のものにし、ONEフェザー級世界タイトル戦への挑戦に向けて進んでいくつもりだ。
「試合のオファーを受けるか考える前に、やらなければならないことがまだたくさんある」
「1年間レスリングしていないから、レスリングに慣れ、激しいグラップリング(組み技)やスパーリングができるようになるまでに2、3ヶ月かかるだろう」
「焦らず戻る必要がある。理想的には年末近くの、12月のクアラルンプールの大会で戦いたいと思う」
「勝つことは自分にとって重要。まず1勝して連勝をスタートし、あと2年以内に世界チャンピオンになりたい」