ケビン・ベリンゴン、ジョン・リネカーとの対戦熱望
脚光を浴びた舞台から離れて数か月が経った今、元ONEバンタム級世界王者ケビン・ベリンゴン(フィリピン)は、次の総合格闘技の試合を熱望している。
ベリンゴンはONEでの次の試合の時期と場所について、ある考えを持っている。ホームへの凱旋だ。
ベリンゴンは、5月29日(金)にフィリピン・マニラで開かれるONEの旗艦イベント「ONE INFINITY 1」に大いに貢献したいと考えている。
ベリンゴンはこれまで、爆発的で驚異的な立ち技のレパートリーで世界中のファンを魅了してきたが、次の試合では別の側面が見られるかもしれない。
つまり、ベリンゴンは前回の屈辱の敗北により、自分が得意とする分野以外も向上させる必要に迫られたのだ。
ベリンゴンは2019年10月に東京で開かれた「ONE:CENTURY 世紀」第2部で、長年のライバルで現ONEバンタム級世界王者、ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)に、第2ラウンドでのサブミッション負けを喫していた。
だからこそベリンゴンは、所属するフィリピン・バギオの名門ジム「チーム・ラカイ」で、レスリングとブラジリアン柔術に取り組むことを決意した。
全てが計画通りに進めば、彼はあと2か月で、新しく覚えた技を披露することができるだろう。
「自分の目標は、うまくいけば、ここフィリピンでの5月の大会だ。そこを目指している」
「今は寝技とレスリングに集中的に取り組んでいる。もちろん専門分野の打撃をおろそかにすることはない。でも、もう一度ビビアーノ(フェルナンデス)との試合を振り返ってみると、やはり寝技とレスリングが足りていないんだ。だからそこを重点的に見ている」
ベリンゴンはもう一度、世界タイトル戦に挑戦したいと考えている。だがその道には、トップクラスの選手たちがひしめいている。
例えばノックアウトアーティストと呼ばれるリー・カイウェン(中国)、グラップラーのユサップ・サーデュラエフ(ロシア)、シンガポールに拠点を置くトロイ・ウォーゼン(米国)、それに日本からは佐藤将光と上久保周哉がいる。
バンタム級上位には才能あふれる選手が集まっていることは、ベリンゴンもわかっている。だがベルトに近づくために、誰とでも対決するつもりでいる。
「バンタム級にはたくさんの選手がいる。誰が相手でも倒して見せるつもりだ」
「最も重要なことは、いつも通りの勝利を手にし、もう一度タイトル戦を戦うことだ。もう一度トップに戻ってベルトを獲得することが目標だ」
だがその中でも、他とは一線を画す名前がある。
ベリンゴンは他の誰よりも、ジョン・リネカー(ブラジル)との対戦を望んでいるのだ。
29歳のリネカーは米国・フロリダのジム「American Top Team」に所属し、長い間、世界で最も優れたバンタム級総合格闘家の1人と見なされてきた。
リネカーは2019年10月にインドネシア・ジャカルタで開かれた「ONE:DAWN OF VALOR」でONEデビュー。ムイン・ガフロフ(タジキスタン)をユナニマス判定で下してその評価に応えた。
ベリンゴンとリネカーはどちらも打撃を得意とする選手であり、対決が実現すれば非常にスリリングな戦いになるだろう。
「もしリネカーとのマッチアップを組んでくれるなら、わくわくするだろうね。とても良い試合になるだろう」
「リネカーの戦い方がわかるだろうか。彼の打撃は秀逸。とても素晴らしい選手だ。だから自分達2人の道が交差するときが来るなら、間違いなく、ものすごくエキサイティングでドラマティックな試合になるだろう」
ベリンゴンの願い通りに事が進めば、母国での試合は輝かしい凱旋になるかもしれない。