ダニー・キンガッド、王者モラエスとの再戦「準備はできている」
フライ級2位コンテンダーのダニー・キンガッド(フィリピン)は、初対戦では厳しい結果に終わったが、今はONEフライ級世界チャンピオンのアドリアーノ・モラエス(ブラジル)に再び挑戦するための準備が整った、と考えている。
両者は4年前に対戦し、モラエスが第1ラウンドにリアネイキッド・チョークを決めて、ベルトを守った。だが、現在25歳のキンガッドは、その敗北から成長を遂げ、今回はブラジルのグラップリングの魔術師を追い落とすチャンスがあると信じている。
「もし、アドリアーノ・モラエスとの対戦の機会がもらえれば、もちろんやるさ。やりたいんだ」と、キンガッドは話す。
「あの時の対戦に比べて、自分は大きく変わった。あの試合以来、多くの経験を積んできたので、世界タイトルを獲得する準備はできていると思う」
キンガッドは、世界タイトル挑戦後、この階級で7勝1敗としている。唯一の敗北は、ONEフライ級世界ランプリ決勝で12度総合格闘技世界チャンピオンに輝いたデメトリアス・ジョンソン(米国)を相手に喫したもの。
ジョンソンはその後、モラエスの有するフライ級タイトルに挑戦したが、その輝かしいキャリアの中で初めてのノックアウト負けを喫した。そして、この黒星はキンガッドがチャンスを得る契機となったかもしれない。
キンガッドは2度目のチャンスを得るため、自身のみならず所属する「チームラカイ」の成長もアピールするつもりだ。今では世界的なトレーニングセンターとして知られるジムも、当初は慎ましい存在だったのだ。
「あの試合からずいぶんと進歩したと思う。最初の試合はまだ若かったし、チームラカイの準備のやりかたも向上した」
「あるものでなんとかしなければいけなかった前とは違って、今はより良いジム、より良い機材、より良いトレーニングパートナーがいる。もし(モラエス戦が)実現したら、もっと準備をして臨めるだろう」
もちろん、次善の策も用意している。モラエスとの対戦が実現しない場合に備え、キンガッドはあるのフライ級コンテンダーにも照準を合わせている。
すでにジョンソンと対戦し、3位の若松佑弥に勝ち、5位のリース・マクラーレン(オーストラリア)に勝っているため、4位のカイラット・アクメトフ(カザフスタン)を狙うつもりだ。
キンガッドと、アクメトフはこれまでに2度対戦する予定となっていたが、アクメトフはグランプリの準決勝では怪我で棄権、昨年12月に予定されていた対戦は、新型コロナウイルスの影響のため中止となった。
「ちょっともどかしい」と、キンガッドは言う。「彼とはずっと対戦したいと思っていた。彼のレスリングや磨いた打撃を試してみたいと思っていた。けれど、プロのアスリートである以上、そういうことはあるだろう」
「試合が行われるときに準備ができているように、トレーニングをちゃんと続けるようにしないと」
だからこそ、ONEが次にどのような相手を当ててくるかは重要ではない。いずれにせよ、「チームラカイ」のスターは、全く新しい自分をONEのケージ「サークル」でお披露目すると約束する。
「過去の試合を振り返ってみると、自分はまだできることがある。プロのアスリートだから、寝技とレスリングを磨き続けないといけない」
「自分の弱点に焦点を当てて、取り組み続けるのがプロ選手。だから対戦相手が決まっていなくても、ジムで汗をかいている」
「試合ごとに変わるダニー・キンガッドを期待していて欲しい。次に自分が試合をするときには、もっと違うものになっているから」
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