【10/30大会】ライト級ベルトに挑戦、ユーリ・ラピクス「自分に弱点はない」
過去6年間にわたり、ユーリ・ラピクス(モルドバ)は世界チャンピオンになることを夢見てきた。
25歳のラピクスはその目標を懸命に追ってきた。イタリアで最高のジムに入り、世界最高のアスリートとトレーニングを重ね、目の前に立ちはだかる敵を打ち負かしてきたのだ。
そして今、無敗のラピクスは、その夢の実現まであと1勝と言うところまでたどり着いた。
10月30日 (金)、シンガポールで行われる「ONE: INSIDE THE MATRIX 」で、ラピクスはONEチャンピオンシップのライト級世界チャンピオンのクリスチャン・リー(シンガポール)に挑戦する。
「デビューした時からこの試合をしたかった」と、ラピクスは話す。
「最初にリングに足を踏み入れた時から『世界チャンピオンになりたい』って自分に言い聞かせてきたんだ。ついにこの時が来たと思うし、自分がこの階級最強だって世界に証明するのが待ちきれない」
ラピクスは、イタリアを拠点とし、2014年5月の総合格闘技プロデビュー以来、圧倒的な脅威であり続けている。
12戦連続第1ラウンドフィニッシュ勝ちの記録をひっさげ、ONEチャンピオンシップに参戦。以来、ONEの舞台でも活躍してきた。
2019年5月のONEデビュー戦では、シャノン・ウィラチャイ(タイ)を相手に一本勝ち。
そして今年2月、元ONEフェザー級世界王者で、マラット・ガフロフ(ロシア)と対戦。ダゲスタン出身のグラップリングのエキスパートを、わずか67秒で仕留めたのだ。
この勝利で、ラピクスは「ONE公式アスリートランキング」でライト級トップコンテンダーの位置を確保し、リーと「ONE: INSIDE THE MATRIX」で対戦する機会を得た。
「間違いなくいいファイターで、総合力も高い」と、ラピクスはリーを評する。
「リーはかつて違う階級で戦っていたから、自分は相手にとってライト級の大きな試練になるだろう」
リーは元々フェザー級出身。だが2019年5月、青木真也が有していたONEライト級世界タイトルに挑戦。第1ラウンドに青木のアームバーに苦しめられたものの、第2ラウンドにノックアウトを決めてベルトを獲得した。
さらに10月、ONEライト級世界グランプリ決勝戦に出場し、ザイード・フセイン・アサラナリエフ(トルコ)をユナニマス判定で下してトーナメントを制覇。ONEライト級世界グランプリのベルトも獲得したのだった。
現在、リーの戦績は13勝3敗で、ONEチャンピオンシップ史上最多フィニッシュ数記録「12」を有している。
だが、ラピクスはそんな強敵との対戦を恐れていない。
「特に怖いことはない」
「リーは特に目を引くものは持っていない。試合を見ても、危険なファイターだとは思えない」
リーはブラジリアン柔術黒帯だが、それも不安材料にはならないと言う。
「ガフロフだって黒帯だったが、自分がどうやって仕留めたか見ただろう?」
「もちろん、ブラジリアン柔術は役に立つが、リングの中ではキモノは着ちゃいない。だから違う戦いだってことだ。ブラジリアン柔術の技術を違った次元に持っていく必要がある」
ラピクスは技術の向上を追求してきた。
元々グラップリング出身のラピクスは立ち技を上達させようと、イタリア・ミラノの強豪「チーム・ペトロシアン」に入門した。ONEフェザー級キックボクシング世界グランプリチャンピオンのジョルジオ・ペトロシアンと弟のアーメン・ペトロシアンの下で、技を磨き上げている。
「世界最高の強者とトレーニングできるのは、技術的にも精神的な面でも、またとない機会だ」
「ジョルジオとアーメンは、素晴らしいコーチで兄弟。ここよりいい場所なんてないだろう」
向上した打撃技術に加え、スキのないグラップリング技術。ラピクスは、自身の総合力で未来の対戦相手に「悪夢」をもたらすことができると、感じている。もちろん、リーも例外ではない。
「弱点はないと思う」
「ジョルジオとアーメンのおかげで、打撃は上達したし、寝技は常にトップレベルだ」
ラピクスは、その自信とともにシンガポールに乗り込む。
「夢が叶った」
「人生でまたとない機会だ。逃さないためになんでもする」
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