王者タン・リー、トノンと対決なら「エキサイティングなスタイル対決に」
タン・リー(ベトナム/米国)のONEフェザー級世界王者としての最初の課題は、ゲイリー・トノン(米国)の脅威的な飛躍を止めることにななるかもしれない。
ONEチャトリ・シットヨートン会長兼CEOも「やるべき試合」と述べており、総合格闘技ファンが何ヵ月も前から楽しみにしていた試合だ。
リーはトノンについて「おそらくあと1、2試合すれば、間違いなく候補者になる」と話しており、サブミッションのスペシャリストであるトノンがONEのケージ「サークル」で脅威的な存在になると知っている。
「ゲイリーが超危険なグラップラーであることは明らか」と、リーは話す。
「これはいつだって面白いマッチアップになる、そうだろ? グラップラー対ストライカーのような状況になるから」
ブラジリアン柔術やサブミッション・グラップリングから転向したトノンのプロ戦績は6勝0敗。
2018年3月の「ONE: IRON WILL」で初めて総合格闘技マッチに出場して以来、すでに持ち合わせていたスキルを新しい競技で生かしつつ、新しい武器を増やしてきた。
これらのことを念頭に置いて、リーはトノンが本当に次の対戦相手になった場合、あらゆる面で準備が必要になると分かっている。
「ゲイリーは、スタンド戦も慣れている。ストライキングも上手になっている。頭の動かし方や距離の取り方に自信を持っていることがわかるだろう」
「10秒間自分とと一緒にスタンド戦の状態になっても、そのまま眠ってしまうとは思わない。そして、自分が彼と10秒間グラップリングをしても、ヒールフックやサブミッションを食らうことはないと思う」
両者の総合力の高さには疑いがないが、リーは、やはり専門性が違いを生むと考えている。
相手の得意分野で競り合うことはできるだろうが、勝とうと思えば、自身の得意分野で戦わなければならない。
「お互いに相手の技術に長けているが、それぞれ専門分野では圧倒的な強さを持っているので、相手を苦しめることになり、面白い対戦になる」
「ストライカーにとってクールでラッキーなのは、立った状態で試合が始まること」
トノンはONE参戦以来、経験豊富なストライカーたちを苦しめてきたが、リーは自身のスタンド戦はこの階級の誰よりもレベルが高く、相手の方が準備しなければならないことが多いと考えている。
リーには、スピード、運動量、パワーという恐るべき武器があり、ジムの中でこれらの対策をするのは難しいと思っている。
「自分の動き方、そして運動量の多さに強烈なパワーを持っているという点は、ゲームプランを立てたり、管理したりするのが少し難しいと思う」
「運動量は多くても、パワーがない選手はたくさんいる。そしてパワーはあっても動きが悪くて、スペースが開けられず、アングルを攻められず、打撃が失敗する選手もたくさんいる。自分は、奇妙な組み合わせをもたらすだろう」
また、トノンがきっちりと対策をしてくるであろうこともリーは知っている。総合格闘技とサブミッション系格闘技の両方で偉大な選手たちと仕事をしてきた伝説のコーチ、ジョン・ダナハーの指導を受けて準備してくるであろうと。
何よりもリーは、自分が限界まで追い込まれるような面白い戦いになるだろうと期待している。
「この試合はビッグで、エキサイティングなスタイル対決になると思う。自分の専門外のスペシャリストと戦えるというのは、いつも興味深く、楽しく、モチベーションが上がる」
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