スタンプの挑戦決定、アンジェラ・リー「5度目防衛目指す」
ONE女子アトム級世界チャンピオンのアンジェラ・リー(シンガポール)は、次の挑戦者がついに決まり、ONEチャンピオンシップのケージ「サークル」での復帰戦をこれまでになく楽しみにしている。
12月3日(金)にシンガポールで開催された「ONE: WINTER WARRIORS」でメガスターのスタンプ・フェアテックス(タイ)は、リトゥ・フォガット(インド)を倒し、ONE女子アトム級世界グランプリの頂点に立った。
スタンプはこの勝利で、トーナメントの名誉あるシルバー・ベルトを獲得。リーの有する世界タイトルに挑戦することになった。
リーは、2016年5月に日本のベテラン山口芽生に勝ち、初代ONE女子アトム級世界王座を獲得して以来、この階級に君臨している。
昨年10月に第1子を妊娠したことを発表するまで、4度王座を防衛。その後、チャトリ・シットヨートン会長兼グループCEOが、世界グランプリを開催してこの階級を活性化させ、リーの次なる挑戦者を決めることを明らかにした。
そしてトーナメントでは、ONEアトム級キックボクシングとムエタイの両世界タイトルを保持していたスタンプが、レスリングのアイコンであるフォガットに一本勝ちという驚きの勝利で優勝を決めた。
スタンプがリーのベルトを奪えば、史上初の3競技ONE世界チャンピオンとなる。
インタビューに応じたリーは、グランプリのフィナーレを振り返り、スタンプとの対戦を分析。フォガットにアドバイスも授けた。
ONEチャンピオンシップ: ONE女子アトム級世界グランプリ決勝戦の感想は?
アンジェラ・リー: 素晴らしい試合だった。みんなスタンプがアームバーで勝ったことにショックを受けているかもしれないが、自分は驚かなかった。スタンプはMMAの総合力が高いと思っていたし、あの試合ではそれがよくわかった。スタンプの方が総合的なMMAの試合をしていたし、彼女のチームも本当に賢い戦略をとったと思う。
ONE: フォガットに勝ったスタンプのグラップリングをどう評価するか?
リー: 彼女のグラップリングゲームは間違いなく向上していると思う。特にリトゥとの試合ではそれがよくわかった。
リトゥは素晴らしいテイクダウンを持っているが、そこからポジションを上げたり、フィニッシュを狙ったりすることはあまりない。多くの場合、テイクダウンしたときに、相手をコントロールするだけ。以前の試合でもそうだけれど、リトゥはディフェンスが甘かったり、サブミッションされやすそうだったりした。
スタンプは、グラウンドでテイクダウンした後、すぐにトライアングル・チョークを仕掛けた。素晴らしい仕事をしたと思う。
ONE: フォガットにとっては、厳しい敗北だった。アドバイスは?
リー: これで終わりじゃない。彼女にとっては始まりに過ぎない。晴らしいチャンスだったし、(ONE女子アトム級世界)グランプリ決勝に出場もできた。それだけでもすごいこと。だから、自分自身とその成果を誇りに思うべき。この試合の後はジムに戻ってトレーニングを続け、戦い方を進化させるために努力しなければならないと思う。
ONE: 2022年にスタンプを相手に世界タイトルの防衛戦を行うが、試合勘の衰えについて語る批評家もいる。2年間「サークル」から離れていたが、それについてどう思うか?
リー: あのね。数年間戦いから離れていることに関しては、本当のことも本当じゃないこともあると思う。
自分は2016年からチャンピオンだ。タイトルを獲得のために必要なことも、防衛のために必要なこともわかっている。だから、復帰戦の準備をしているときには、ケージに入ったときに試合勘の衰えが見えないように、必要とされている以上のことをするつもり。大変だとは思うが、その準備はできている。
他の女の子たちが試合をしているのも知っている。スタンプは昨年連戦したし、それが有利なことは間違いない。このことは、このファイトキャンプでさらにハードなトレーニングをするためのモチベーションになる。
ONE: スタンプが勝てば、史上初の3競技ONE世界チャンピオンになる。 これについては余計なプレッシャーを感じるか?
リー: この試合に向けて、2人とも大きなプレッシャーを感じていると思う。スタンプについては、ニュースを見て、彼女が3つ目の世界タイトルを狙っていることも知っている。でも、自分にも大きなプレッシャーがある。自分は5度目の防衛を果たしたいと思っている。それも完璧な方法でね。
みんな自分がどうなるのか、休暇の後での試合でどういう姿を見せるか注目している。妊娠したことで変わって、母親になったことでファイターとして弱くなったと言われているけれど、それが間違っているって証明したい。だから、この試合ではお互いに証明すべきことがたくさんある。
スタンプは、世界チャンピオンだった。そして今は、グランプリのチャンピオン。元(ONEアトム級)ムエタイとキックボクシングの世界チャンピオンで、高いレベルの試合に必要とされることを知っている。
でもそれはあくまで、その世界の話。彼女はこれから自分の世界に入ってくる。
ONE: 2022年の対戦では、どうやってスタンプを倒すつもりか?
リー:それを明かすつもりはない。秘密にしておく。自分とチームは、ゲームプランを懸命に練ってきた。「サークル」に入ったときに、それを実行するのを見てもらえると思う。
Read more: 【12/3大会】ONE: WINTER WARRIORS –アーセル防衛、スタンプV