38歳ルーシラー、熟練のムエタイで連勝目指す

8月16日にタイ・バンコクで開かれる「ONE:DREAMS OF GOLD」で、ルーシラー・プーケットトップチームが5年ぶりに、念願だった故郷への凱旋を果たす。
ルーシラーはONEスーパーシリーズでの連勝を延ばせるかに期待がかかる。対戦相手は「ベビーフェース・キラー」サヴァス・マイケル(キプロス)。キャリア30年、38歳になったムエタイの達人ルーシラーが、22歳の若手期待の星とぶつかる。
ルーシラーは過去3度、ラジャダムナン・スタジアムの世界王者の座に就いたムエタイの達人。直近では4月の「ONE:ROOTS OF HONOR」で、圧巻の戦いぶりでMOMOTAROこと小寺耕平を退けていた。
前回の試合から4ヶ月以上空いたが、この間も気を抜かずに過ごしてきた。
「あれは良い試合だったね。良い戦いができてよかった。ベストを尽くせたし、自分のパフォーマンスには満足している」
「あれ以降、実戦から遠ざかっているのは事実だが、トレーニングは続けてきた。スパーリングをできるだけ多くこなして、試合に備えて体をつくってきた」
「ここにはスパーリング相手が山のようにいるからね。プーケットトップチームはすごいよ」
ルーシラーはタイ東北部チャイヤプーム県の出身。だが2014年を最後に母国での試合から遠ざかっていた。ホームで観客の声援を一身に受ける試合が、待ち遠しくてたまらない。
「ただプレッシャーも少しある。タイの人たちのために勝ちたいし、勝利を彼らに捧げたい。でも考えすぎないようにしている。自分のベストを尽くすことに集中するだけだ」
一方、対戦相手のマイケルはタイ国内ではよく知られた存在だ。バンコクのペッティンディーアカデミーでトレーニングを受け、現地で数多くの成功を収めてきたからだ。
マイケルのONEスーパーシリーズへのデビューは今年5月。元ムエタイ世界王者シントンノーイ・ポーティラックンをいとも簡単に倒し、驚異的な才能と運動能力を見せつけた。
ルーシラーにとっても、マイケルのパフォーマンスは印象に残った。だが、対策が難しい相手とは映らなかった。年の差はあるが、運動能力では 自身が有利と見ている。
「彼はデビューしたてで、連勝中で、勢いがある。自分よりずっと若いし。でもあんまりそういうことは考えないようにしている」
「マイケルは自分より、動きが遅いんじゃないかな。だから自分のスピードや技術をうまく生かせると思う。彼はもっと強くなっているだろうから、経験と素早さで打ち負かさないと」
「タイを拠点にトレーニングや試合をすることが、マイケルにとって有利に働くとは思っていない。私は人生を通して、タイを拠点にしてきたからね」
彼はムエタイの真の達人だ。30年の経験をもってリングに上がり、ムエタイで最も個性的でわくわくするスタイルを、マイケル相手に試して見たいと考えている。
ルーシラーには自信はあるが、ライバルもスキルがありやる気に満ちているとわかっている。
「自分には経験があり、マイケルには若さがある。エキサイティングな試合になるだろうね。ファンには最終的に誰が勝つかを見守ってもらわないといけない」
バンコク | 8月16日 (金) | 19時半(日本時間) | 中継:ONEチャンピオンシップ公式アプリで生中継(無料)