リアム・ハリソンの2021年「自分はファイター。戦いたい」
リアム・ハリソン(英国)は、昨年1月にモハメド・ビン・マムード(マレーシア)にノックアウト勝ちして幸先の良いスタートを切った。
ムエタイ界のレジェンドはその年の3月までに2勝0敗とし、新型コロナウイルスの世界的大流行が始まるまで勢いに乗っていた。だが現在、10ヶ月間もの間、試合出場はできていない。その分、新しい年に懸ける期待は強まっている。
これまでのハリソンのONEスーパーシリーズの全ての試合はエキサイティングなものだったが、格闘技の本拠地でよりスリリングな試合をしたいと考えている。
ハリソンが独占インタビューに応じ、昨年のバンタム級ムエタイについて、そして2021年の目標などを語った。
ONEチャンピオンシップ: 昨年はフィニッシュ勝利を2度。2戦できて嬉しい?
リアム・ハリソン: 年明けにONEで戦う機会を得られたことに感謝しているし、ロックダウン直前にもう1度戦えたのはラッキーだった。でも正直言って、2020年はプラスよりもマイナスの方が大きかった。
最初のロックダウンでメチャメチャになった。それ以来、ケガをして、以前の調子を取り戻すのに苦労しているが、これからも頑張り続けて、良いルーティンに戻って、3月か4月に何かできると期待したい。
ONE: トレーニングはどうしていたか。
ハリソン: きちんとしたトレーニングではなくて、ただひたすら繰り返すだけ。ちゃんとした量のスパーリングをこなすのも、ジムの奴らを集めるのも難しかった。ジムのファイターたちが普通の状態に戻りつつあったが、全員を一度に集めるのは大変だった。
試合のオファーがあったんだけど、トレーニングやスパーリングが足りなかったから受けられなかった。ルーティンがなかったんだ。(同じジム「Bad Company Gym」に所属する)リチャード(・スミス)やアンディ(・ハウソン)とパッドを打ったが、試合に向けて望ましい準備ができていない。
ONE: 長年、競技が生活の中心だったかと思うが、2020年は違った。何かメリットはあったか?
ハリソン: ウェブサイトを立ち上げたり、ポッドキャストのYouTubeチャンネルを立ち上げたり、自分の洋服ブランドを立ち上げたり。うまくいっているが、自分はファイターなので、戦いたい。
いずれにせよ、やっていたことだろうから、実行できる時間があって、全部いいことだと思いたいんだが、そう素直には思えない。けれど、それが仕事なので、時間は作っただろう。
ONE: 2021年は楽しみにしている?
ハリソン: まあ、ある種の正常な状態に戻りつつあったが、怪我をしてしまった。できれば、この状況を乗り越えて、みんなが団結すれば、3月か4月には復帰できると思う。
今はみんながジムに戻ってきている。イングランドでは再びロックダウンがあるが、このまま頑張ればいいと思っている。
ONE: ONEバンタム級ムエタイ・トーナメントを含め、昨年はこの階級で大規模な試合があった。
ハリソン: まあ、自分で何もできないのがわかっていたので、あまり感情的ならないようにしていた。
ノンオー(・ガイヤーンハーダオ)は未だにチャンピオンだが、ロドレック(・PK・センチャイムエタイジム)もタイトル戦では、追いつかれるまではすごく良いと思っていた。本当によく戦っていたし、右の一発で終わってしまったけれど。だが、それがどれだけノンオーがいい選手かってことだと思う。
ロドレックを見て、自分がの方が得意なことをやっていたので、そこでポジティブな気分になった。この後、自分がまた大きな勝利を挙げられれば、どこかでタイトルを狙いに行きたい。
ONE: クラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ(タイ)とやった時のロドレックはどうだったか?
ハリソン: ああ、大人と対戦する少年って感じだった。クラップダムの場合、前に出れば頭を吹っ飛ばされてしまうので、追い込まないといけない。しかし、ロドレックはそれを完全にやってのけた。後ろに下がらせて、窮地に追い込んで、やつけた。本当によくやった。
ONE: 今のイギリスの状況では、何が起こるか分からないが、2021年に向けての具体的な目標は?
ハリソン: ただ、復帰してまた試合ができるようになりたい。14歳の頃から年に5、6試合以上はしている。
最盛期には、年間10試合していたが、2試合しかできず、何が起こるかわからない状態で、精神的に疲れ果てている。うまくいけば、今年が終わる前に3、4試合はできるだろうが、様子を見るしかないだろう。
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