【10/30大会】王者ニューイェン「タン・リー戦、待ちきれない」
ONEフェザー級世界チャンピオンのマーティン・ニューイェン(ベトナム/オーストラリア)は、現在の地位が盤石だなどと思ってはいない。
ニューイェンは、世界中を旅し、家族と1万マイル離れた場所にあるジムでトレーニングに心血を注ぎ、ベルトを巻き続けるためにありとあらゆる犠牲を払ってきた。
10月30日 (金)の「ONE: INSIDE THE MATRIX 」では、その苦行が報われると信じている。
シンガポール・インドア・スタジアムで、ニューイェンが対戦する相手は3位コンテンダーのタン・リー(ベトナム/米国)だ。
「自分が世界チャンピオンだってことには理由がある」と、ニューイェンは言う。
「運に任せた戦いはしてこなかった。ハードなトレーニングを積んだ。正しくトレーニングをして、そして今いる場所にいるんだ」
この自律の精神により、ニューイェンは驚くべき総合格闘技のキャリアを築き上げてきた。
プロ戦績は13勝3敗、うち9勝はノックアウト、3勝はサブミッションによるもの。
4戦連続で第1ラウンド勝利を挙げた後2017年8月、ニューイェンは当時のフェザー級王者のマラット・ガフロフ(ロシア)をノックアウトし、ONEフェザー級世界タイトルを手にした。
3ヶ月後、ONEライト級世界チャンピオンの座をエドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)から奪い取り、初の2階級ONE世界チャンピオンになったのだ。
2018年9月、膝の手術のためライト級ベルトは返上した。
回復したあと、米国・フロリダ州の「サンフォードMMA」に拠点を変更。以来、ニューイェンは快進撃を続けている。
フライング・ニーでナラントンガラグ・ジャダンバ(モンゴル)を下し、さらに2位コンテンダーの松嶋こよみを強烈なグラウンド・アンド・パウンドでフィニッシュした。
「サンフォードでトレーニングを初めて、圧倒的に成長した」と、ニューイェン。
「コーチはどうやって戦いに備えるか知っている。そして、みんなが殺し屋。トレーニングルームは、レベルが高いアスリート揃い。だからウォリアーであらねばという気持ちにさせてくれる。やるかやられるかの練習をしているし、ハードにトレーニングしているけれど、お互いに思いやりもある」
そして今回、ニューイェンは急上昇中のリーと対戦する。
リーのプロ戦績は11勝2敗、フィニッシュ率は100%だ。さらにうち10勝はノックアウトによるもの。
リーは2019年5月にONEデビューしたばかりだが、短期間で世界中のファンの心を捉えた。ユサップ・サーデュラエフ(ロシア)、ONEライト級元世界王者の朴光哲、そして直近では高橋遼伍を相手にノックアウト勝ちを決めている。
ニューイェンは、そんなリーに注目していた。
「素晴らしいアスリートだ動きが速いしパワーもある」
「テコンドーのバックボーンを持っている。ミスを誘って、強打を見舞うのを好む。この手のアスリートと対戦するのが待ち切れない」
もちろん、ニューイェンは勝ってONEのケージ「サークル」を立ち去るつもりでいるが、詳しい予想を口にすることは避けた。
「必要があれば、なんとしてでもフィニッシュしたい」
どんな勝ち方であれ、勝てば史上最高のONEフェザー級世界チャンピオンとしてのニューイェンの地位がためになるだろう。さらに、ニューイェンにはもう1つ、負けられない理由がある。
ベルト防衛戦を前に、8週間前からトレーニングキャンプに入るため、シドニーにいる家族や友人を離れて、フロリダに移るのは容易な決断ではなかった。
だがニューイェンはその価値があったと思っている。ハードワークと、素晴らしいパフォーマンスで10月30日の夜、若い世代の格闘家にインスピレーションを与えたいと思っているからだ。
「レガシーは、前を向いて未来に進んでいくための、大きな要素だ」
「人々に振り返ってもらって『この世界チャンピオンのおかげでこのスポーツに出会った』と言ってもらいたい。彼のおかげで、毎日頑張れた。家族から何マイルも離れていても、同じ人間でああり続け、最高のレベルで最高のパフォーマンスを披露してる、ってね」
「自分のレガシーを振り返ってもらう時に、感動を与えたいんだ」
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