【9/24大会】弟子の敵討ちに燃えるザトゥー「カピタン戦、大きな戦いに」
メディ・ザトゥー(アルジェリア)は折れないウォリアー・スピリットが栄光につながるという証拠そのものだ。
アルジェリア系フランス人のザトゥーは、ONEスーパーシリーズ参戦以来、順調はない時期もあった。しかしそこから盛り返し、9月24日(金)の「ONE: REVOLUTION」で、ONEバンタム級キックボクシング世界チャンピオンのカピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)に挑戦するチャンスを手に入れた。
1年半近く試合から遠のいていたザトゥーは2020年、リングに舞い戻り、エリート選手相手に2連勝とした。しかし、こうした直近の実績にも関わらず、いまだにONEチャンピオンシップのマッチメーカーが与えてくれた世界タイトル戦という機会を消化できていない様子だ。
「電話でオファーをもらったときに『もう一度繰り返してもらえるか? とても信じられない』と答えたんだ」と、ザトゥーは振り返る。
「最前線に戻って(世界タイトル挑戦の機会を得るのは)素晴らしいことだ。大きな夢だったんだ。家族やチームに誇りに思ってもらいたい」
37歳のザトゥーは、カピタンよりも9歳年上だ。そしてこの試合は、打撃系競技で最も栄誉あるタイトルに挑戦するための最後のチャンスとなるかもしれない。
だが、ザトゥーは、年齢などは単なる数字でしかないと証明してきた。直近では、ハン・ズーハオ(中国)やレオ・ピント(フランス)という自分よりも若い対戦相手を倒しており、キャリアの最高潮を迎えていると信じている。
「確かに今37歳だ。だが、25歳の時よりも調子がいいように思う。本当に、調子はいいし、このチャンスを逃すつもりはない」と、ザトゥーは話す。
「年齢なんて関係ない。重要なのは中身で、どんなメンタリティでいくか、そしてどちらが強いかだ。自分のモチベーションは相手より強いとわかってもらえるだろう」
しかし、ONEスーパーシリーズ参戦以来、目を見張るような活躍をしているカピタンはそう簡単な相手ではない。
2020年9月のデビュー戦では、わずか6秒でペッタノン・ペットファーガス(タイ)をノックアウトしている。だが、この試合についてはザトゥーは自分なりの意見があるようだ。
「自分からすると、ペッタノンとの第1ラウンドは、ラッキーパンチだった。確かにうまいが、ラッキーパンチだ。おめでとうと言いたい」
カピタンのONE2戦目の方が、ザトゥーにとってより重要な意味があるようだ。
カピタンは1月、ザトゥーの弟子であり友人でもあるアラヴァディ・ラマザノフ (ロシア)が当時有していたONEバンタム級キックボクシング世界タイトルに挑戦。ノックアウト勝利を決めて、ベルトを剥ぎ取った。
ザトゥーはラマザノフがその試合ではベストな状態だったとは思っていないが、代わってこの時の雪辱を果たしたいという強い気持ちを持っている。
「アラヴァディと彼が戦った時の火はまだ消えていないので、この試合は大きな戦いになる。この火は消さない。戦いはやってくる。そして自分は逃げない」
こうした闘志を抱くザトゥーは、他の選手が思ってもみなかったような戦略をとるつもりでいるようだ。
カピタンは前に出て重いパンチを放つ恐れ知らずのファイターだと知っているが、ONEのケージ「サークル」のど真ん中で対峙し、自分のやり方で戦う準備をしているという。
「カピタンは、アグレッシブでクレバーな素晴らしいファイターだ。自分は彼よりもアグレッシブでクレバーにいくだろう」
「彼は他のファイターと同じように、キックとパンチで前に出てくる。試合日は、自分のスピード、ボクシングスキル、パワー、持久力を見せつける。勝機は多くあると思う」
ザトゥーはONEスーパーシリーズのタイトルマッチのチャンスをもらうなどと考えてもいなかったかもしれない。だが、それが実現した今、この機会を逃すつもりはない。
27年間の格闘技人生の中でここまで努力を重ね、その過程でISKA世界タイトルやWBCムエタイ世界タイトルまで獲得してきた。
だが、ONEバンタム級キックボクシング世界タイトルは、この競技で最も栄誉あるものであり、獲得できれば長年の長年の献身と犠牲に対する最高の見返りとなるだろう。
「自分を誇りに思っているし、今こそベルトを肩にかける時だ。(ベルトを獲ったら)泣いてしまうと思う。自分がキャリアで成し遂げてきたことに対し、とても素晴らしいことだと思う。このチャンスを逃しはしない」
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