【1/28大会】箕輪ひろば 「自分のスタイルでブルックス攻略」
期待の若手総合格闘家として頭角を表しているストロー級4位コンテンダーの箕輪ひろばは、今回の試合では説得力のあるパフォーマンスをすれば、ONEストロー級世界タイトルの挑戦権を得る可能性もある。
1月28日(金)、箕輪は3位コンテンダーのジャレッド・ブルックス(米国)と、シンガポール・インドアスタジアムから生中継される「ONE: ONLY THE BRAVE」のメインカードで対戦する。
埼玉県出身の箕輪は、17歳でプロの総合格闘家としてのキャリアをスタートさせた。非常に大きな可能性を秘めているという評判通りに成長し、修斗世界ストロー級王者になり、13勝2敗という輝かしい戦績を築き、今まで一度もフィニッシュ負けを喫したことがない。
さらに、ONEチャンピオンシップでは無敗をキープ。リト・アディワン(フィリピン)と5位コンテンダーのアレックス・シウバ(ブラジル)をスピリット判定で倒している。
しかし、箕輪は今回が最も厳しい試合になるとわかっている。ブルックスは圧倒的なレスリング、強力な打撃、優れたサブミッションを武器に17勝2敗(1無効試合)の戦績を残しており、2021年10月のONEデビュー戦では、アディワンを相手に第2ラウンドでアーム・トライアングルで一本勝ちしている。
ブルックス戦を前に、箕輪はONE編集部のインタビューに応じ、対戦相手への思いや2022年に世界タイトルに挑戦する日本選手について語った。
ONEチャンピオンシップ:若干23歳にして成功の道を歩んでいる。この年齢で、日本の総合格闘家として高く評価され、成功していることについてはどう感じているか?
箕輪ひろば: 五輪などでメダルを獲得しているのは、10代の選手だ。僕がこの若さで(修斗の)チャンピオンになっているといっても、もう10年近くMMAをやっている。僕が早いというより、MMAがむしろ他の競技と比べて遅れていると思う。
10代のチャンピオンも今後も出てくると思う。総合格闘技は特殊な競技ではあるが、僕が現時点でここにいるのはすごいことではなく、時代の流れ。修斗だけ見ても僕より若い選手がいる。そういう時代になってきている
むしろ世代交代というのをやっていかないといけない。格闘技を一般のスポーツとして考えると、選手年齢が高いと思う。MMAにレスリングやボクシング(などの他の競技)をやった上で転向してくる、という流れだったのが、今は最初からMMAをやる選手が増えてきている。僕が引っ張っていっているというのは言うのは荷が重いが、若手ファイターの第一人者、というように感じている。
ONE: ONEチャンピオンシップに参戦以来2連勝。両方ともスプリット判定で、違う結果になってもおかしくなかったという声もある。
箕輪: アディワン戦だけ見たら、ギリギリ僕が勝ったように見える。見る人にとっては僕が負けたと思うかもしれない。それがスプリットだと思う。それを2、3回も繰り返している選手に対して勝ってないよ、というのはおかしい。箕輪はスプリットで勝てる選手、ということだ。そういうことを言っている人は勝手に言っていればいい。勝ちは勝ちだ。
ONE: そうした声を抑えるには、大勝が必要だと思うか?
箕輪: まずはきちんと勝つこと。勝つというプランニングのもと、フィニッシュを仕掛けるときは仕掛ける。いつもと同じ気持ちだ。
ONE: 今回の対戦相手のブルックスについて、強みと弱みは何だと思うか? また、自身の方が優れていると思う点は?
箕輪: 彼の強みは、レスリングと絶対的な極め力だ。アディワンに一本勝ちしたというのは、すごいフィニッシュ力だと思う。あとはテイクダウン能力も素晴らしい。それが第一印象だ。
アディワンとブルックスの相性でいうと、アディワンが勝つ可能性は低かったと思う。それに対して、僕のスタイルはブルックスのような相手でもハマればうまくいく。もしブルックスに勝つスタイルがあるなら、箕輪スタイルだ。
僕の方が優れているのは、総合格闘技の能力だ。レスリング、グラップリング、打撃、フィジカル、個別で見たら彼の方が高いだろう。でもそれを組み合わせる力、うまく循環させる力は僕の方が強い。過去2戦を見てもらえればわかると思う。
寝技の技術プラス打撃や、エスケープしながらパウンド、そういうパーツじゃないところで見たら僕の方が強いと思う。総合格闘技という競技のレベルは僕の方が優れていると思う。
ONE: ブルックスは、感情表現が豊かで言葉でも自分の考えを外に発信するタイプで、アディワンを倒した後のインタビューでもかなりアグレッシブな発言をしていた。こうした感情的な点は弱みになると思うか?
箕輪: それは弱みにも強みにもなる。感情をコントロールができるかできないかだと思う。僕は、感情的にならないようにもしているし、(感情的に)なったらコントロールできるようにしている。感情を消して試合をすることはないが、比較的冷静に試合をできるタイプだと思う。
ONE: 両者ともアディワンを倒しているが、ブルックスはフィニッシュ勝利だった。ブルックスの方が注目を集めるような勝利を挙げたことについては?
箕輪: ファンが言っているなら正当かと思う。格闘技関係者が言っているなら頭が悪いと思う。ブルックスは、アディワン戦の前に、僕の試合を見て研究していただろうから。ブルックスが試合で上手かったのは、距離感。僕は試合で(距離感を)探りながらやっていた。
アディワンには悪いが、アディワンはイケイケに見えるが、自分からパンチ振ってこない。こっちが出たときにカウンターを振ってくる、というのを、ブルックスが上手く研究してタックルに合わせてテイクダウンした。
ぶっちゃけ、僕の試合があって研究できたから勝てたんだろうという感じだ。アディワンと戦った選手全員にこう言いたい。僕に感謝しろって。
ONE: 今回の試合の勝者は、ONEストロー級世界チャンピオンのジョシュア・パシオ(フィリピン)の挑戦者としてふわさしいと思うか?
箕輪: パシオとの対戦にふさわしいと思う。
ONE: 今回の試合は、どのような戦いになると思うか?
箕輪: 何パターンか想定しているが、第3ラウンドに一本勝ちと思う。苦しい展開、キツい展開を入れても、スプリット判定勝ちかな、と。運を考慮に入れれば、KO勝ちもあるとは思う。第1ラウンド一本勝ちもあり得ると思う。
ONE: 最近三浦彩佳が世界タイトルに挑戦した。さらに、若松佑弥がONEフライ級世界チャンピオンのアドリアーノ・モラエス(ブラジル)に3月の「ONE X」で挑戦する。日本人が世界タイトルに挑戦していることについてどう思うか?
箕輪: 日本人の復活だ。比較的、昔は日本人がイケイケでONE参戦して、タイトルに近付いても取れなかったり、取って取り返されて、というのがあったと思う。きちっと下から上がってきてタイトルに挑戦する、というような選手が増えているので、今年は日本人のタイトルマッチのラッシュが始まるんじゃないかと思う。
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