王者モラエス、次の挑戦者決定へミニトーナメントを歓迎
ONEフライ級世界チャンピオンのアドリアーノ・モラエス(ブラジル)は、4月に史上最強の総合格闘家とされるDJことデメトリアス・ジョンソン(米国)をノックアウトし、この階級の王者としての地位を固めた。
以来、世界中のファンは、モラエスの次の防衛戦の相手は誰になるのかを知りたがっている。モラエスも同様の疑問を抱いており、トップコンテンダーの1人になるだろう、と考えている。
「ONEチャンピオンシップのフライ級はとてもタフだ。この階級にはたくさんの強敵がひしめいている」とモラエスは最近、ミッチ・チルソンと行ったインスタグラムライブで語った。
「ダニー・キンガッド(フィリピン)も強いファイターだ。カイラット・アクメトフ(カザフスタン)を相手にやり残した仕事もある。今1勝1敗だから、ビッグな3戦目ができると思う。彼はこの階級で活躍してくれると思う」
「若松佑弥もいる。日本人の。彼はここフロリダでトレーニングをしていた。彼はベルトを目指して戦うのを楽しみにしていると思うよ。この階級でいい成績を残しているし」
「それから、リース・マクラーレン(オーストラリア)。彼は黒帯の柔術を持つ素晴らしい選手だ。本当に良いファイターだ。選択肢はたくさんあるね」
実際、この4人の選手はモラエスを脅かす可能性があり、誰でも魅力あふれるストーリーを作り出すことができるだろう。
2位コンテンダーのキンガッドは、その爆発力、ウーシューベースの打撃、そして無限の持久力で、15勝2敗の総合格闘技の戦績を築いた。モラエスに2017年11月にサブミッションで1敗を喫しているが、以来「チームラカイ」のスターであるキンガッドのグラップリングは劇的に向上している。
キンガッドの次に、3位に付けているのは日本のノックアウトアーティスト、若松。戦績は14勝4敗で、直近ではマクラーレンに判定勝ちし、4連勝中だ。
この大勝利の後、若松はモラエスへの挑戦を目指し、元ONE世界2階級王者のアウンラ・ンサン(ミャンマー)とマーティン・ニューイェン(ベトナム/オーストラリア)が本拠地としている「サンフォードMMA」で遠征トレーニングを行った。
モラエスはこうしたフレッシュな顔ぶれを相手に自身のエリートスキルを試すことになるかもしれない。
アクメトフは、4位コンテンダーだが、それには理由がある。何度もグレコローマン・レスリング・チャンピオンになったアクメトフは、2015年11月にONEフライ級世界タイトルマッチでモラエスにスプリット判定で勝利するなど、総合格闘技の戦績は27勝2敗。
アクメトフはその約2年後にモラエスとの再戦でベルトを失ったが、3連勝中と好調で、待望の3戦目へと勢いづいている。
また、マクラーレンは先日若松に敗れたが、このオーストラリアのサブミッション・スペシャリストは、対戦相手を圧倒したり、限界まで追い込んだりすることで知られている。さらに、過去には何度かモラエスのベルトに挑戦する予定だったが、怪我のために実現しなかった。
モラエスはこの4人全員がONEフライ級世界タイトルマッチにふさわしいと考えている。チルソンが次の挑戦者を選ぶために、ミニトーナメントはどうかと提案した際は、マッチメイキングの想像を楽しんだようだ。
「カイラット・アクメトフ対若松佑弥、ダニー・キンガッド対リース・マクラーレンを見たい。(2019年8月の)最初の試合は、自分は僅差だと思っていたから」
「自分としては、あの夜は本当にリース・マクラーレンが勝ったと思っていたが、ジャッジはダニー・キンガッドに軍配を上げた。この対決をもう1度見たい」
その後チルソンがこの2試合の勝者を選ぶように尋ねた。
するとモラエスは、アクメトフが若松を倒し、マクラーレンがキンガッドを倒すと予想。そしてアクメトフとマクラーレンの決勝戦になるだろうと答えた。
「カイラット・アクメトフが勝つと思う。彼も3戦目を望んでいるだろうから」
次の挑戦者を決めるミニトーナメントが開催されるかどうかは、まだわからないが、いずれにせよ、モラエスがこの階級の層の厚さに期待しているということは確かなようだ。
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