【1/22大会】ジェームズ・ナカシマ「絶対に青木真也をKOしたい」
ジェームズ・ナカシマ(米国)は昨年11月の「ONE: INSIDE THE MATRIX II」までは順調なキャリアを歩んできた。
その夜、ONEウェルター級世界チャンピオンのキャムラン・アバゾフ(キルギス)に完璧なタイミングでヒザを入れられ、世界タイトルを逃した。
だが、ナカシマは立ち直るのも早かった。そして1月22日(金)、シンガポール・インドア・スタジアムで行われる「ONE: UNBREAKABLE」で元ライト級世界王者で、現4位コンテンダーの青木真也と対戦する。
ナカシマがONEチャンピオンシップ編集部との独占インタビューに応じ、前回の試合や、ライト級に階級を変更した理由、青木との対戦や未来のプランについて語った。
ONEチャンピオンシップ: あと少しでONEウェルター級世界チャンピオンになれるところだった。あの時のパフォーマンスをどう評価するか。
ジェームズ・ナカシマ: 調子がいいと思っていた。あのヒザで捕まった時に多くのミスを犯してしまったが、そのヒザをもらってそれで終わりだった。その後の試合中のことはよく覚えていない。
もちろん、落ち込んだ。けど、次の日には立ち直ろうとした。一歩ずつ。起きて、ベッドを整えて、瞑想をして、健康的なものを食べる。ポジティブな一歩をすぐに踏み出したんだ。ここで自分を憐んでいる時間なんてない。じゃないと、時間を無駄にすることになるから。
トレーニングを少し変えて、自分の土台、アイデンティティ、自分自身を作り上げている。ストライキングにもそれが表れているんじゃないかと思う。今までは実戦でパンチでカウンターをしたことはなかったが、試合では何度かカウンターをしたから。そういうのが出始めている。第1ラウンドで相手の鼻を折ったし。ローキックで足を攻め抜いたし。相手がそれを嫌がっていたのは知っている。痛がっていたのも知っている。そして、ヒザを食らった。
ミスを犯した。どうでもいい。早く乗り換えて、もっと強くなって戻って来よう。
それもあって、階級を落として、青木を相手に早く試合に戻る準備ができたと思った。今は最高の人生を生きている。これを試練の機会に、そしてより良い人間になる機会としたい。
ONE: どうして「サークル(ONEのケージ)」にこんなに早く戻ってこようと思ったのか?
ナカシマ: 岡見戦からアバゾフ戦まで1年半、新型コロナウイルスのために、トレーニングと休養の時間があった。準備はできている。
さっきも言ったように、アバゾフ戦の次の日、怪我をしていたし、よく眠れなかった。だが、一歩ずつ立ち直ってきた。ポジティブな姿勢を貫き、食生活も改善した。
今の体重は175ポンド(約79キログラム)前後。食生活は健康だし、生活の中でいくつか変えたこともある。トレーニングもより健康的になった。「MMAラボ」や他の一流ジムでは、ハードでフィジカルなスパーリングが多い。柔術のスパーリング、立ち技のスパーリング、レスリングのスパーリングなどだ。こうしたトレーニングは新型コロナウイルスのために、より技術的になった。自分の試合の中で成長したいと思う細やかなディテールを見つけることについて、話し合った。
今はより健康的だ。より健康的な人間だと思うし、気分もいい。学び続けるのに一番いい方法は、ただ試合に出続けることだ。試合に出て、ベストを尽くして、リスクを取ること。
そして青木だが、何と言う有名選手だろう。(ベン・)アスクレン戦で彼を見たのを覚えている。あの試合は生で見たんだ。そして、クリスチャン・リー戦も見たのを覚えている。あの時自分はONEと契約していて、ビッグ・カードだったから。
青木は偉大な有名選手で、素晴らしい対戦相手だ。最高の相手と戦いたい。それが最高の学び方であり、トップになるための最高の方法だと思う。エディ・アルバレスとも戦いたいし、(ティモフィ・)ナシューヒンとも戦いたいし、クリスチャン・リーとも戦いたい。青木はそのための良いステップだと思う。
ONE: ライト級に定着するつもりか?それなら、どうしてウェルター級から始めたのか?
ナカシマ: 戦う準備はできていた。(レイモンド・)マゴメダリエフは有望な選手だった。「OK、やってやるさ」となって、そしてやって、そして勝った。
自分は無敗のLFA(レガシー・ファイティング・アライアンス)王者で、マゴメダリエフも有望な選手だったから、次はタイトル戦だと思っていた。でも、次(にオファーされたの)は(ルイス・)サントスだった。「OK、サントスと戦って倒すぞ」となった。そしてタイトル戦も間近と思っていたんだが、そこで岡見(勇信)戦だった。いつもタイトル戦はもうすぐだと思っていたから、ウェルター級に止まっていたんだ。
前回の試合に勝っていたとしても、ライト級に戻ってきたと思う。もし前の試合で勝っていたら、ライト級ですぐにタイトル戦ができただろう。
ライト級に止まるよ。これが自分の体重だから。初めて岡見勇信を見た時は、「こんな奴と戦うのか。こいつはモンスターだ!」って思ったんだ。あの時は体重が179ポンド(約82キログラム)で試合に臨んだ。今は175ポンドだ。食生活も健康的になった。ウェルター級の時はうまいことやれたけれど。多少贅沢もできたし。ライト級、それが自分の体重だ。
ONE: 青木についてどう思う?そしてライト級デビュー戦としてどういう意味があるか?
ナカシマ: なかなか無いことだが、今でもスペシャリストが出てくることがあるが、彼は最後の本物のスペシャリストだと思う。特に彼の時代の。彼は、グラップリングばかりだ。つまり、アスクレン戦を見たら、アスクレンは青木とボクシングをしようとしていたが、アスクレンは誰ともボクシングをしなかった。青木は寝技に引きずりこんだ
グラップリングの腕前は本物だと思う。厄介な奴だ。
彼は、第1ラウンド向きファイターだと思う。試合が長引けば、いつものように自分が有利になると思う。特に彼が相手だと。彼は、第1ラウンドですごく仕掛けてくるような感じだ。
自分がどうなりたいかと言うと、クリスチャン・リーと戦いたい。エディ・アルバレスは複数団体のチャンピオンだし、彼とも戦いたい。ナシューヒンはアルバレスをノックアウトしたし、彼ともやりたい。(ユーリ・)ラピクスは友達で、イタリアでちょっと一緒にトレーニングしたから、戦わない。だけど、最高の相手とやりたい。
青木は、凶暴だ。いい試合になると思う。彼はすごく独特だし、いい試合になって、いい学びの機会になると思う。
ONE: 青木とのグラップリング対戦はどうなると思う?もしくは相手のグラウンドでの技術を考慮して、立ち技を使うか?
ナカシマ: 絶対この試合では相手をノックアウトしたいと思っている。アバゾフとやった時のように、グラップリングはしないようにする。
第3ラウンドを見たらわかるが、アバゾフをコントロールするようにグラップリングしたんだ。青木をコントロールしようとは思っていない。グラップリングになってトップをとっても、グラップリングをコントロールするよりは、打撃に徹するつもりだ。
どちらかと言うと、自分は試合になるとコントロールするグラップラーだけど、今回は特別だ。相手と、相手の戦い方のために特別な対戦になる。他に例を見ない。だから、自分はグラップラーよりもストライカーになって、難しい局面にならないようにしたい。
ONE: 青木に勝てば階級でどう言う立ち位置になると思う?
ナカシマ: 分からない。(マッチメーカーは)クリスチャン・リーとのタイトル戦を与えてくれるかもしれないが、それよりも、ナシューヒンやエディ・アルバレスといった相手とやらなければならないだろう。どうなるかは分からない。
自分の人生が好きだ。現時点の人生に満足しているし、今は青木に集中して、一瞬一瞬を味わおうとしている。
ONE: 2021年、楽しみにしていることは?
ナカシマ: ずっと試合に出続けること。成長し続けているし、ベルトも狙いに行く。いつだってONEチャンピオンシップのベルトを狙っているんだ。
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