【8/13大会】崖っぷちフォラヤン「もう一度立ち上がる」
元ONEライト級世界チャンピオンのエドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)は、ONEチャンピオンシップで常に存在感を示してきた。最近ではいくつかの黒星に見舞われたが、この階級で戦っていくために必要な武器を持っていると信じている。
「あきらめなければ、最後には甘い勝利が待っていることもある」と、フォラヤンは話す。
「それが人生だ。かつてやり遂げたことがある。誰も自分が世界チャンピオンになるとは思っていなかったが、耐え抜いた」
フォラヤンは8月13日(金)の「ONE: BATTLEGROUND II」で、中国の格闘技界のレジェンド、ジャン・リーポン(中国)と対戦する。
フォラヤンはこの試合が自身の輝かしい総合格闘技のキャリアの中で、新たな転機になるであろうと信じている。
「負けることも勝つこともあるが、決して諦めず、強い心を保つことが大切だ」
「諦めた瞬間、心が折れた瞬間、それが自分にとって終わりを意味する。どんなに苦労しようが、失敗しようが、タフでいなければ。本当に望んでいるなら、最も甘い勝利が訪れるだろうから」
「甘い勝利」を手に入れるには、プロとしてのキャリアの大半を同じように歩んできたジャンを倒さねばならない。
フォラヤンの母国フィリピンと同様、中国の総合格闘技シーンは、国際的なプロモーションが参入する以前の2000年代初頭は比較的大人しいものだった。
31歳のジャンは、米国で数年を過ごし、中国に戻った後、アジア各地で6年間にわたって活躍。その間、21勝を挙げたが、うち17勝は試合終了のゴングがなる前に決着させている。
一方、36歳のフォラヤンは、最近でこそ6試合中5試合で黒星を喫したが、通算22勝11敗の戦績の持ち主。所属の「チームラカイ」では、今回ONEデビュー戦を迎えるジャン対策に精を出している。
「準備は順調に進んでいる。この試合のために約6週間のトレーニングをしてきた」と、フォラヤンは語る。
「この試合が自分のキャリアにとってどれほど大きな意味を持つかは誰もが知っている。これまでのところは順調じゃなかったから、沈まないように、今年初勝利を挙げるためにも、この戦いは負けられない」
フォラヤンとジャンのもう1つの共通点は、強力な打撃だ。
しかし、ジャンは過去5つの勝利のうち4つはサブミッションによるもの。そのため、フォラヤンは相手が一本勝ちを狙ってくるに違いないと予想している。
「ジャンはストライカーだ。だが、グラウンド戦で優位に立てると思えば、そこを狙ってくるだろう。それが彼のメインのスタイルだと思う。その場その場でうまく調整してくる」と、フォラヤンは語る。
「対策をしないといけない。彼はこの試合をできるだけグラウンドに持ち込もうとすると思う。そのための対策はみんなでしてきたので、できれば今回はうまくやり遂げたい」
そうは言っても、肉体的な準備はフォラヤンにとっては準備過程の半分。精神面も同様に重要だとわかっている。
実際にこの試合に勝つための鍵は、自身の頭の中にあると考えているようだ。
「今回の試合は多くの要素があるが、そのほとんどが精神的なものだと思う。そこを乗り越えないといけない」
「肉体的には自分で追い込むことができるが、レーニングをしていないオフの時間には、いろいろな考えが湧き出てくる。そうなると、否定的な意見やいわゆる“専門家”の意見を聞くことになるので、メンタルもタフじゃないといけない」
この数ヵ月、否定的な意見がフォラヤンの耳に届いていたことは間違いない。今もフィリピンで愛され、尊敬されている人物ではあるが、そうしたレガシーがあっても、評論家やファンが残りのキャリアを否定してくることもある。
フォラヤンはそうした声を無視するのが一番大変なようだ。
「精神的にはもちろん、そういった声をシャットダウンしないといけない。その声が耳に入ったら、辛いことになる。今の自分に必要なのは100パーセントの集中力。もう一度立ち上がり、もう一度勝つことに100パーセント注力しないといけない」
「ベストなのは、集中して自分自身に前向きな考え方をすることだと思う。どんなことを言われたって、それで自分が定義されるわけじゃない。決してあきらめず、ただ浮き上がって、自分が辿り着きたい場所に近づく」
「メンタル的には、この試合に勝つ、ということ。これはとても重要な試合だ。これは自分が目標に近づくための一歩だ」
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