【12/18大会】ノンオー、ロドレックと初対戦「楽しみ」
ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)は、ONEチャンピオンシップの立技シリーズ「ONEスーパーシリーズ」に2018年に参戦して以来、止められない勢いを保ってきた。だが、次に待ち受けているのはこの勢いを止めかねない強敵だ。
その強敵とは、ONEバンタム級ムエタイトーナメント優勝者のロドレック・PK・センチャイムエタイジム(タイ)。12月18日(金)にシンガポール・インドア・スタジアムで行われる「ONE: COLLISION COURSE」でノンオーの持つONEバンタム級ムエタイ世界タイトルに挑戦する。
両者とも輝かしいキャリアの中で、ムエタイのスター選手たちと対戦してきたが、これまで一度も当たったことはなかった。そのため、ノンオーはこの対戦を心待ちにしている。
「新しい相手とやれてワクワクする。同じ相手と対戦してスタイルに慣れ親しんだこれまでとは違う。新しいスタイルを持った新しいファイターと戦いたい」と、ロドレックについて語った。
「新しい相手と戦うことで、自分自身が向上できる。新しいテクニックを学んで、自分のスタイルを発展させることができる」
ノンオーは34歳。タイの名門ルンピニーとラジャダムナンスタジアムで世界タイトルを獲得したこの競技のレジェンドであり、ロドレックが活躍し始めた頃には、すでにその名を轟かせていた。
しかし、ノンオーは新たな挑戦者が現れなかったことで、競技への情熱を失ってしまった。2015年にファイターを引退し、シンガポールに移って名門ジム「Evolve MMA」でコーチを務めることにした。
その間ロドレックは台頭。タイのサムイ島出身のロドレックは2016年にチャンネル7スタジアムのタイトルを獲得し、一級のアスリートとしての地位を確立した。
「自分が最初にムエタイのキャリアを始めた。そしてロドレックが続いた時、自分は引退したんだ」と、ノンオーは話す。
- 【12/18大会】アンドレイ・ストイカについて知っておくべき5つのこと
- 【12/18大会】ONE: COLLISION COURSE 観戦ガイド
- 【12/11大会】ONE: BIG BANG II のハイライト
ノンオーはコーチの仕事も楽しんでいたが、2018年4月にONEスーパーシリーズがスタートした時、参戦オファーを断れなかった。引退からの復帰を承諾し、そこから6戦6勝という驚くべき連勝が始まったのだ。
ノンオーは、2019年2月にハン・ズーハオ(中国)を倒し、初代ONEバンタム級ムエタイ世界チャンピオンに就任。そして、5月に鈴木博昭、9月にはブリース・デルバール(アルジェリア)を相手に防衛。11月には1位コンテンダーのセーマペッチ・フェアテックス(タイ)をフィニッシュした。
しかし、13ヶ月前にセーマペッチをノックアウトして以来、ノンオーは新型コロナウイルスの流行もあり、ONEバンタム級ムエタイトーナメントで挑戦者が現れるのを待っていた。
一方トーナメントの優勝者、ロドレックは忙しい2020年を過ごした。
ロドレックは今年3回試合をこなしており、8月にはトーナメント決勝でクラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ(タイ)から勝利を挙げ、ノンオーへの挑戦権を得た。
ノンオーはファンのために、スリリングな試合を約束する。
「ずっと前から戦いたいと思っていた。(最後の試合から)1年が経った。これだけ待ったから、ロドレックとの対戦が楽しみで仕方ない」
「この試合では、2人とも強力な武器を持っているので、激しく打ち合える。だから、クライマックスではどちらが経験を生かして優位に立てるか。それができた方が勝者になるだろう」
ロドレックは簡単な相手ではないだろうが、ノンオーは平然としている。ノンオーはこれまでに300回以上ロープをくぐり、あらゆる対戦相手とやり合ってきたのだ。
今回の対戦でノンオーは、ロドレックのトレードマークであるアグレッシブさを警戒している。それに対抗してバンダム級の頂点の位置を維持するためのゲームプランも練っている。
「長い間、こうした攻撃的なスタイルを経験してきた。パワフルなキックとパンチ。すでに準備はしている」と、ノンオーは語る。
「ロドレックのスタイルは攻撃的なスタイルだ。それを恐れているわけではない。むしろ、相手が自分に蹴られるために前に出てくるから、それが大好きだ。自分は自分の戦術で倒しにいく」