【9/6大会】「デルバール戦疲れ果てた」王座防衛ノンオー、激闘を振り返る
ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)は9月6日(金)に開催された「ONE:IMMORTAL TRIUMPH」で、これまでに参戦したONEスーパーシリーズの中でも最もタフな挑戦を受けた。
32歳のバンタム級ムエタイ世界王者ノンオーは、20歳の若き挑戦者ブリース・デルバール(アルジェリア)と対戦。最終5ラウンドでも決着が付かず勝敗は判定に持ち込まれるという激闘となった。
しかも最後のゴングが鳴った時、ノンオーは負ける可能性すらあった。ジャッジ3人中2人がノンオーを支持し、僅差のスプリット判定でかろうじて勝利をものにした。
「彼は自分より体がでかいし、非常に強かった。 本当にやりがいのある戦いだったが、疲れ果てたよ」
「デルバールをとても尊敬しているし、彼と共にリングに上がれて光栄だ」
ノンオーは最高のパフォーマンスを見せた瞬間もあった。一方のデルバールは15分間、豊富な手数でノンオーを苦しませ続けた。
S1ムエタイ世界王者とはいえ、経験だけを見ればデルバールはタイの英雄ノンオーに遠く及ばない。だが、デルバールは背の高さとリーチを生かし、キックの応酬に挑んできた。
ノンオーは第1ラウンド、デルバールの完璧なタイミングの前蹴りを食らって大きくよろめき、ガードをかいくぐったいくつものパンチを浴びた。
しかしノンオーは最悪の事態を想定してきたし、すべてが順調に進まなかったことに驚いてはいない。
「全て想定内。試合の時はいつも、相手が信じられないほど強いと想定してメンタルを準備している。だからいつでも、こういう状況に対応する準備はできている」
「(シンガポールのメガジムの)Evolve MMAでは毎日ハードなトレーニングをしている。もし100%の力を注いでこなかったら、この試合で見せたようなパフォーマンスをすることはできなかっただろう」
「Evolveのインストラクター全員に感謝したい。 パッドを持ってくれる人、新しいテクニックを教えてくれる人、戦略を立ててくれる人、みんなそれぞれに、最高のサポートをしてくれた。Evolveのおかげで試合の準備ができた」
大苦戦を味わったノンオーだが、それでもなぜ彼がムエタイ史上最高の選手の1人であるかを示すことはできた。
フェイントと完璧なタイミングのパンチを駆使し、デルバールのガードをかいくぐってポイントを稼いだ。右キックは5ラウンドを遠してデルバールの太ももや胴体、腕にヒットし大きなダメージを与えた。
ノンオーのファンは、スコアが読み上げられる間、冷や汗をかいたかもしれない。だがノンオーは落ち着いていたし、判定が割れるのを想定していたように見えた。
それでも勝利の味は変わらない。
「勝てたときはいつだって、自分にとって最高の瞬間だ」
「メインカードとして大会の最後に登場することを誇りに思っているし、見に来てくれたみんなに強敵を打ち勝つところを見せられてうれしい。大会の最後を締め括るの本当にいい気分だ」
「ONE:IMMORTAL TRIUMPH」はONEがベトナムで開催した初めての大会。この歴史的な大会で、さらに苦闘の末の勝利がノンオーにもたらした意味は大きい。だがノンオーは完全には満足していない。
彼は既に次の防衛戦を見据えている。次こそは誰の目にも明らかな勝利を挙げるつもりだ。
「このような重要なチャンスを与えてくれたONEに本当に感謝している。世界王者としての責任を重く受け止めているし、常にベストを尽くしたいと思っている」
「ファンや自分を支えてくれている人たちに対し、自分の最大限の力を披露できることを誇りに思っている。彼らが喜んでくれたらうれしい。 でも次の試合に臨む前に、もっとハードなトレーニングをする必要があるのは間違いない」
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