休息明けで気合十分ポール・ルミヒ、スノトとの再戦に意欲
ポール・ルミヒ(インドネシア)のONEチャンピオンシップでのスタートは、理想的とは言えなかったかもしれない。だがバンタム級の戦士ルミヒは、総合格闘家としてキャリアをすぐに好転させ、バンタム級のトップ選手たちを倒せると信じている。
昨年、ルミヒはONEでの競争がいかに熾烈なものかを思い知った。
7連勝の後に迎えた2019年3月のONEデビュー戦、同じくインドネシアのスノトに敗北を喫した。
さらに続く2試合でも敗れたルミヒは、トレーニングへのアプローチを再考するために短い休息を取ることに決めた。
その後、ルミヒが復帰の準備をしているうちに、コロナウイルスの世界的流行により、ONEは大会を無期限で延期することを決めた。
コロナウイルスの影響で、選手たちは様々な不安が搔き立てられたものの、ルミヒはいつでも準備ができているように心がけてきた。
「いつもトレーニングをしてきた。毎日、自分で準備をし、テクニックを磨いて、(ONEから)いつ試合のオファーを受けても、ゼロから始める必要がないようにしている」と32歳のルミヒは説明する。
「前回の試合(2019年11月)から6か月の休息をお願いしたが、その時でさえ、『(ONEのケージ)サークル』の中で誰かと戦いたくてうずうずしていた」
ONEは6月20、21日に中国で2大会を開き、再び2020年の大会スケジュールを動かし始めた。ルミヒもまもなく、望み通りの試合のオファーを受けるかもしれない。
そして、ルミヒは対戦相手について、2人の選手を念頭に置いている。
「自分が考えている2人のトップ選手が、アンドリュー・リオン(米国)とユサップ・サーデュラエフ(ロシア)だ。是非戦ってみたい」
両者のどちらかと対戦することができたら、ルミヒのキャリアには大きなプラスだ。ルミヒが勝利を収めることができればなおさらだ。
リオンは、ONEバンタム級世界タイトル戦に挑戦した経験があり、巧みなグラップリング(組み技)で知られている。ONE参戦以降で破れたのは、現ONEバンタム級世界王者のビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)と前王者のケビン・ベリンゴン(フィリピン)だけだ。
一方のサーデュラエフも、バンタム級の序列でもかなり高い位置にいる。ONE公式アスリートランキングでバンタム級3位、しかも直近8試合では7勝を挙げている。もしサーデュラエフを倒せれば、ルミヒ自身がランクインできるかもしれない。
だがルミヒは、次の対戦でトップ選手とは戦えないかもしれないとも分かっている。
その場合、ルミヒは、何度か勝利を重ねた上で、ONEでの初舞台を台無しにしたスノトとの再戦を獲得することを望んでいる。
「もう一度、スノトと対戦したい。ONEで近いうちに2勝して、それからスノトに再戦を呼び掛けたい」
これらの3選手との、将来の潜在的な対戦に備えるため、ルミヒはグラップリングと寝技を向上させる必要があると分かっている。そのため、コロナウイルスによる制限が緩和されたら、新しい技を学ぶためにインドネシアを離れようと考えている。
「海外のジムでクロストレーニングを行い、寝技のスキルを磨くつもりだ。ジムをいくつか見てみたが、個人的な目標を達成するのに役立つと思っている」
全てがうまくいけば、ルミヒはこれまでの形勢を逆転させて、2020年を最高の形で終わらせられるかもしれない。