【7/31大会】ペットモラコット、ヨドサンクライ戦「若さを生かして倒す」
2020年の初めに、ONEチャンピオンシップの歴史にその名を刻んだ、ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー(タイ)。今、ムエタイで最も愛されている象徴的な選手の1人をノックアウトして、自身のレガシーをより強固なものにしたいと考えている。
7月31日(金)にタイ・バンコクで開かれる無観客大会「ONE:NO SURRENDER」のコーメインイベントで、ペットモラコットは前回の試合で獲得したONEフェザー級ムエタイ世界タイトルを賭け、ヨドサンクライ・IWE・フェアテックス(タイ)の挑戦を受ける。
この試合はペットモラコットにとって初めての防衛戦であり、これまでのキャリア最大の試合になる。
「次の試合は、自分の人生の中で最も重要なムエタイの試合だ」とペットモラコットは強調する。
「ヨドサンクライは既に世界中で知られている。彼は偉大なファイターであり、伝説だ。ヨドサンクライを倒すことができれば、世界中で認められ、有名になれるだろう」
2020年2月、ペットモラコットは、初代ONEフェザー級ムエタイ世界王座を賭けて、ポンシリ・PK センチャイムエタイジム(タイ)と対戦。圧倒的なパフォーマンスでユナニマス判定勝ちし、ONEのレコードブックにその名を刻んだ。
26歳のペットモラコットはその試合、明らかに上背とリーチの長さで優位に立っていた。そして彼はその強みを生かし、インドネシア・ジャカルタの会場の中で、ポンシリを打ち破った。
第1ラウンドで自分の間合いを掴んだ後、ペットモラコットはピストンのような素早いジャブ、左キック、そして後には強烈なヒザとヒジを使い、盤石な戦いぶりで世界タイトルを獲得した。
「最初のラウンドはお互いを見極めることだった」とペットモラコットは振り返る。
「向こうがどのように攻撃してくるかを見ていた。良いスキルを持っているが、とても小柄だから、プラン通りに外からの攻撃を使うことができた。自分はこういう、間合いを広く取ったところからの攻撃を生かせたから、有利だったし、勝つことができた」
だがペットモラコットのベルト獲得からわずか1ヶ月後、新型コロナウイルスが世界的に流行し、ONEは全ての大会を延期した。
この影響で、ペットモラコットは他のアスリートと一緒にトレーニングすることはできなくなったが、それでも自身を継続的に鍛え続け、テクニックを磨き続けようと決心していた。
この目標を念頭に置いて、ペットモラコットは毎朝5キロメートル走り、ウェイトトレーニングを続け、防衛戦のオファーに備えるために重いパンチバッグのトレーニングにも取り組んだ。
そのオファーはようやく、6月下旬になって届いた。初防衛戦は母国タイで、しかもムエタイの真の伝説、ヨドサンクライが相手とあって、ペットモラコットにとってはこれ以上を望むべくもない幸運となった。
「全国的に名を馳せる伝説、ヨドサンクライと対戦できるなんて、自分は本当に楽しみでたまらない」
「今度の試合のために、いつもの2倍くらい厳しいトレーニングを積んでいる。自分にとっては初防衛戦であり、母国の人々の前で、自分の持っているもの全てを見せるために戦う」
ペットモラコットはヨドサンクライを良く知っている。
雷のような左キックと強力なパンチで有名なヨドサンクライは、ムエタイでのキャリアの中でいくつもの世界タイトルを獲得してきた。
34歳のヨドサンクライは既に、ONEでいくつもの驚異的な勝利の瞬間を生み出してきた。例えば2018年12月のルイス・リージス(オーストラリア)戦でのアッパーカット3連発KOや、 2019年3月のアンディ・サワー(オランダ)戦でのTKO勝利だ。
ペットモラコットはヨドサンクライの秀逸なスキルに敬意を払っているが、自分の若さからくる活力が、世界タイトル戦の勝敗を分けるカギになると確信している。
「彼の弱点は年を取ってきたことだ。第4、第5ラウンドで疲れを見せるかもしれない。自分は若さを生かして、相手がエネルギーを使い果たすまでプレッシャーをかけ続け、そして倒す」
そのことを念頭に置いて、ペットモラコットはヨドサンクライが疲れるまで激しく攻め、理想的にはトレードマークの攻撃でフィニッシュすることを計画している。
「得意技のヒジとヒザを使う。ムエタイのルールだから、勝つためにヒジとヒザを生かして一生懸命に戦いたい」
全てが終わった時に、ペットモラコットは自分のベルトを守り、ムエタイのヒーロー、ヨドサンクライをノックアウトし、自身をムエタイの伝説にしたいと願っている。
だが注目の対決の後、ペットモラコットはヨドサンクライとの強い絆を維持したいと考えている。
「ヨドサンクライ、次の試合ではお互い全力を尽くそう」とペットモラコットは呼び掛けた。「そして試合後に友情を続けよう」