タイの名門「ペッティンディーアカデミー」、閉鎖中のジムに寄付
この2年、タイの首都バンコクにあるジム「ペッティンディーアカデミー」は数々の優秀なムエタイ戦士をONEチャンピオンシップの舞台に送り込んできた。
現在、この名門ジムは、タイの格闘技界に“思いやり”を送り込もうとしている。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、一時的に閉鎖している国内の他の格闘技ジムに寄付を行うのだ。
ジムのマネージャーのナッターダ・ワチララタナウォンが自身のFacebookで発表した。
「今はお互いに支え合う時期だ。ジムやムエタイ選手を孤立無援のままにしてはおけない」
「もともとは、ペッティンディーと関係がある45のジムが対象の予定だったが、それでは役に立たないと気付いた。できるだけ多くのジムを助けなければならない。なぜなら我々は一度やると決めたら、ベストを尽くさねばならないからだ」
「ペッティンディーアカデミー」には、ONEフェザー級ムエタイ世界王者のペットモラコット・ペッティンディーアカデミーや、元ONEフライ級キックボクシング世界王者のペッダム・ペッティンディーアカデミーらが所属している。
ナッターダとジムの設立者である父のウィラット・ワチララタナウォンらは、当初予定していた45万バーツ(約150万円)を上回る、62万バーツ(約200万円)を寄付する。
寄付金はこの危機下で、タイの地方ジムの電気代や食料費、衛生的な水を賄うための費用の助けとなる。
このマネージャーの方針を聞き、現在東北部のウボンラーチャターニー県の実家で過ごすチャンピオン、ペットモラコットは喜んだ。
「ミスター・ナッターダのようなマネージャーがいること、そして彼がムエタイ界に行った貢献に対し、幸せで誇りに思う」
「現在、地方のジムはただこの危機が過ぎ去るのを待つことしかできない。とても重要なことだ。ジムには援助が必要だ。(タイ東北部の)イサーンの小さなジムから多くの選手が輩出されるのだから」
同じくバンコクから地方に一時的に移っているペッダムも、コメントを寄せた。
「みんなで協力しあわなければならない。イサーンにある小さなジムがなければ、ムエタイのスターは生まれないだろう。お互い様だ」
この危機下で格闘技界では大会が延期されるなどの影響が出ているが、ナッターダはこの困難を乗り越えられるとポジティブな態度を崩さない。
「一丸になって協力し合うことが、この危機を乗り越えるために必要だ」